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その時、廊下の方からこちらへとバタバタ走って来る足音が聞こえた。
「亜子!!どうだった?バスケ部!やってみない?」小町が満面の笑みを浮かべ、歯を見せながら楽しそうに、はしゃいで教室に入って来た。
彼女は入学してからすぐに仲良くなった友達。切れ長の目が印象的な活発系女子。元気のない日など、一年のうちに一日もないのでは、というくらいの明るい性格。
身長は155センチくらいで小柄な体型。成績優秀で模試の結果の用紙では常に上の方に名前がある。
小町は汗で少し濡れたショートヘアをハンカチで拭いながら、ぜーぜーと苦しそうに呼吸をしている。
そんなに急がなくてもいいのだが、普段からせっかちな方なので、そうせずにいられなかったようだ。
「やってみよーよー!」小町に続けて誘って来たのは、礼紗だ。
彼女は黒髪ストレートのロングヘア。167センチの長身で、細身のスラっとしたモデルのような体型。
上品な雰囲気を漂わせる美しい顔立ちで、もちろんのことだが、男子にも人気があった。四人兄弟の一番上だからなのか、しっかり者で面倒見が良い。
「う~ん。なんか、違うんだよねぇ~」わたしは嘘をつくことなく、本音を吐き出した。
「やっぱ、ダメか~。亜子、絶対センスあるのになぁ~。もったいない」小町が残念そうな顔つきで、軽くため息をつきながら答えた。
「んじゃ、とりあえずもう帰ろ~」礼紗が少し疲れたような顔をして言った。
「うん、帰ろ帰ろ~」小町もそれに続く。