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Episode 14「閉鎖空間試験 1日目」
試験当日。
黒瀬達は試験施設へ案内された。
案内された施設は思ったより広かった。
ロビーには丸テーブルと椅子が四つ。
中央に大きなモニター。
奥に料理場。
廊下の先に寝室。
テーブルの上には端末が四つ並んでいた。
それぞれに名前が入っている。
隣には充電ケーブルも四つ。
説明によると、6日間この閉鎖空間で課題をこなすことがテストらしい。
どうやら課題はこの端末から送られてくるようだ。
黒瀬は無言で施設を見回した。
「おー」
水瀬が目を輝かせていた。
「結構広いですね〜」
「まあ6日いるしな」
三上が荷物を置きながら言う。
「寝室見てきていいですか〜」
「別にいいけど」
水瀬がぱたぱたと廊下へ消える。
奈央が苦笑しながら言う。
「楽しそうですね」
「まあ初日だしな」
数分後。
戻ってきた水瀬の顔が微妙だった。
「どうした?」
「ベッドなんですけど」
「一個、これじゃ寝られないんじゃってレベルのがあって」
四人で寝室を見に行く。
ベッドは四つ。
一つだけ、明らかにスプリングがほぼ死んでいた。
三上が実際に座ってみる。
完全に底まで沈む。
「……これは確かに無理だな」
少し沈黙。
「女子はベッドで寝た方がいいだろ」
三上が言う。
「俺がソファーで寝るわ」
「自分ずっとソファーでいいですよ」
黒瀬が静かに言う。
「いや流石に悪いだろ」
「毎日俺とじゃんけんでいいか?」
「……まあ」
奈央が少し申し訳なさそうな顔をする。
「ありがとうございます」
「気にすんな」
三上が肩を竦めた。
ロビーへ戻る。
しばらくして。
モニターが起動した。
《本日の課題を送信します》
各端末に通知が届く。
四人がテーブルに着いた。
しばらく、静かに手を動かす時間が続く。
水瀬がふと顔を上げた。
「ねえ黒瀬くん」
「はい」
「この問題さ〜」
のんびりした声。
「なんか引っかかるんだよね〜」
黒瀬が少し考えてから答える。
「どこですか」
「ここ」
水瀬が端末を見せる。
黒瀬が覗き込む。
「……あー」
「やっぱそう思う?」
「少し読み方変えた方がいいかもしれないです」
三上が顔を上げる。
「どういうこと?」
黒瀬が静かに説明する。
奈央も端末を見ながら頷く。
「なるほど、そっちの解釈ですね」
「それの方が自然ですね〜」
水瀬がのんびり言う。
「言ってくれてよかった」
四人でもう一度確認する。
そのまま課題を進めていく。
夕方。
モニターが起動した。
《本日の課題提出を確認しました》
「まあまあかな」
三上が言う。
「初日にしては悪くないですね」
奈央が頷く。
「明日も頑張りましょ〜」
水瀬がのんびり言う。
黒瀬は静かに小さく頷いた。
夜。
寝室。
全員が寝静まった頃。
黒瀬だけが、静かに起き上がった。