コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
剣道の師でもあった父が突然倒れた。
母が看病しながら裁縫仕事を請け負い、家族3人慎ましい生活を送っていたが、父が逝ってから幾日も経たぬうち事故に巻き込まれ母までも帰らぬ人になった。
生前、父から武道を通して厳しく躾けられたことが挫けず生きる糧となる。
親が亡くなり天涯孤独となった子は他にもいる。
生活が苦しく、赤子の内に捨てられる場合だってある。
ただ、生きるために前を向くだけだ。
顔見知りの店や大人に頼みこみ、下働きや使いっぱしりをして小銭を稼ぐ。
持ち前の明るさや愛嬌に助けられ、周りも余裕が無いながら手を貸してくれた。
そんな日が一月ほど経った頃だった。