TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

星降る世界で君にキス

一覧ページ

「星降る世界で君にキス」のメインビジュアル

星降る世界で君にキス

37 - 第37話 彼のことば(2)

♥

14

2023年11月15日

シェアするシェアする
報告する

「何?」


「……ううん、何でもないよ!」


固く固く握りしめていた左手から力が抜ける。

バラバラになったブレスレットの星たちを、星歌はそっと自分の鞄の中に滑り落とした。


「何だよ、姉ちゃん。急にニヤニヤして」


「んーん!何でもないってば!」


「しっ! 声でかい。近所迷惑になるから……」


言いながら鍵を回し、扉を開ける。

無意識の動作で、行人の手は壁をさぐった。

室内は真っ暗な筈だからだ。


「あれっ」


ところが、だ。

玄関から正面に見える窓も、部屋も夜の静けさに充たされている中、手前のキッチンスペースだけが煌々と明るい。


アッと声をあげた星歌の眼前。

その視界いっぱいを義弟の背が覆う。

やや強張ったその背中に、彼が身を固くしているのが分かった。


「あの……」


「しっ!」


後ろから声をかけるも、鋭く遮られる。


常とは異なる部屋の様子に、彼が用心しているのは分かった。

なので、尚のこと星歌としてはいたたまれない思いである。


「あのぅ……」


「黙って、星歌」


玄関に置いてある傘の柄を握りしめる行人。


「あのぅ、違うんだよ……」


「何がっ?」


「私、出かけるとき電気消した記憶……ない」


フウッと息を吐く気配。

星歌の目の前で強張っていた肩から、力が抜けたのが分かった。


「朝だから部屋は明るかったんだ。でもこっちのキッチンは暗かったから、たしか電気つけたと思う。けど、消したかと言われたら……多分消してない。いや、絶対消してない」


「姉ちゃんーー…………」


長くのびる語尾に思いを込めたか。ゆっくりと息を吐く行人。

武器にと手にしていたものを傘立てに丁寧に戻し、彼はスニーカーを脱いだ。

念のため、狭いキッチンスペースと部屋を確認してから星歌を手招きする。

星降る世界で君にキス

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

14

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚