だがしかし、凛はワンピースである。
「最っっっ悪。」
タフで身軽な優奈の服とは違い、動きにくいワンピースを着ていた凛は、家に帰って1度着替えてからまた来るという大変時間もかかり、めんどくさい作業を終え、優奈に少し遅れを取って参加した。この練習では30分事に堅、万次郎、圭介が得意とする技や身のこなしを教える。
「まぁまぁ、30分くらい大したことないぞ」
「ありがとう……」
堅に慰められながらも、凛は蹴りの練習をしていた。拳は痛いからだ。
「それにしてもお前体柔らかいなぁ……」
凛の見事な蹴りを見ながら堅は言った。
「柔軟とかしてた時あったからね〜……」
これでも一応体が柔らかい自信がある凛は、ご機嫌で練習を続けた
「じゃあ囲まれた時教えてやるよ」
堅が囲まれた際の蹴りを教えてから30分、交代の時間だ。
「やっほ〜次は俺だよー」
そして次は万次郎が来た。彼も優奈を身振り手振り30分教えていたはずなのに、汗一つかいていない。
「万次郎は何を教えてくれるの?」
「ん〜凛は体柔らかいってケンチンが言ってたし、俺と同じで小柄だから、俺と似た戦術教えるよ」
ウィンクしながら言う万次郎はいかにも陽キャと言う感じで凛には少し眩しく思えた。
そしてまたまた30分、次は圭介が殴ると痛いところや急所をおしえ、凛は結構戦いには脳を使う彼に意外な一面もあるなと驚いた。
「あ゛ぁ゛~!!!つ゛がれだ!」
水をがぶがぶ飲みながら言う優奈の隣で、凛も無言で水を飲んだ。
「久しぶりに体動かしたわ……」
「それ……やっぱ運動って大事なんだね……」
「でも実践する時来るのかな……私喧嘩なんてしたくないよ」
「いや、一応覚えとくだけでも結構いいことあるぜ?前みたいにヤンキーに絡まれたりしてもそれ使えるし。お前ら覚えるの早いから結構喧嘩の才能あるしな」
お疲れ様と声をかけながら来た隆が言った。彼はサボっているのかと思っていたが、そうでも無かったようだ。パー達と練習していたのだろうか。
「喧嘩の才能か!!」
優奈は褒められたことに調子に乗り、習ったばかりの技を見せる。だが手足が長くスラリとした彼女の攻撃は凛より広かった。少し悔しかった。
「もうこんな時間かぁ、万次郎たちごめんねわざわざ教えて貰って」
「俺らも鈍ってたし、ちょうど良かった」
東卍のみんなは愛想良さそうに言った
「俺も少し強くなった気がするぜ……」
「パーちんは強ぇぜ?」
「おめェらほぼほぼ俺の受け身なってただけだろうが」
そんな会話に笑いながら一行は神社の階段をおり、別れを告げた。
「[今日むっちゃ楽しかった!ありがとう]っと……」
家に帰って凛は隆にメールを送った。すると既読がすぐ着いて返信が来る
「[俺も楽しかったわ!また誘う]」
「[ありがとう]」
短い文だが隆の優しさがわかる文で凛は隆のそんな所が好きだった。
「好き……?」
「凛ー!ご飯よ!」
「はーい!!」
自分が感じた気持ちに少し疑問を覚えながらも凛は階段をかけおり、唐揚げを口にした。
「[今日むっちゃ楽しかった!ありがとう]」
そんなメールが凛から来たのは夕方頃、凛とメールを交換してから通知に敏感になった隆は、メールにすぐ返信した。ありがとうと帰ってきた文字を1文字1文字噛み締めるように読んだ。隆は凛のことが最近気になって仕方がなかった。
「やっべぇ……」
ニヤけが少し出てくる自分に驚きながらも、隆は自分の顔を手で隠すように覆った。
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もう書き方よく分かりません、ネタちょくちょく挟みます真面目になんて書けませんでした
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