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…あれ?ここは?さっきまでワイワイと賑わってた街だったよね?何も…ない。建物も、人も。何もない。何が起きたの?
「お父さん…お母さんは?皆は?」
ショックと驚きで頭が真っ白になってその場で突っ立っていると、この街を壊した敵であろう人物が僕のところまで来た。
「お前が生き残りか?お前も殺してやる!親の所に行かせてやるよ!!」
お父さんとお母さんの所に行ける?でも…死ぬの嫌。痛いの嫌。どうしよう…僕には戦う術(すべ)がないよ。僕はこのまま死ぬのかな?
「お前らがこの街を壊したのか」
頭の中で恐怖と戦っていると目の前にいる敵の更に奥に人がいた。巫女服を着て、顔には狐のお面。ツインテールをしてる。手には短剣、腰には刀がある。誰?この人
「は?お前誰だ?」
「お前らに教える義理はない。死ね」
その一言を発すると一瞬で目の前の人達が死んだ。怖い。目の前で血を吹き出して死なれたら怖いよ。僕もあの人に殺されるの?
「…大丈夫だったか?済まないな。目の前であの光景を見させてしまって」
「だ、大丈夫です」
全然大丈夫じゃない。恐怖で声も足も震えてる
「声も足も震えてるじゃないか。」
この人にはお見通しのようだ。一瞬でバレた。ところで…
「あ、あの…貴方は一体?」
「私…いや僕は…ただの勇者って所かな(笑)」
勇者?巫女服着た人が勇者って…
「はい」
「え?」
指輪?
「これをはめてると、ピンチの時、導いてくれる。何をとは言わないが」
導いてくれる?ピンチの時に?…それにしてもこの指輪綺麗だなぁ
「君、家ないだろ。指輪が住む家を導いてくれるだろう。」
「い、家?でも僕家事できない…」
「それについては大丈夫だ。家事やら一人暮らしに慣れるまでは使い魔がいる。そいつが料理やら洗濯やらを教えてくれるだろう。」
使い魔か。…え、使い魔?
「使い魔って動物じゃ?」
「確かに動物だが人間に変身できて人間の言葉を喋れるから安心してくれ。」
それから僕が気になる事を何個か質問し、その人は「またいつか」と言ってどこかへ去ってしまった。名前も聞けてない。あの人は一体?