Rion side
「って月!?」
「ん?どした」
俺が斜め後ろの席から聞こえた宇野の声に振り返ると、月がリュックを抱き抱えて寝ていた。
「かわっ…!」
「え?川?」
「い、いや、なんでもない。疲れたんだろ。そっとしといてあげな」
にしてもかわいい…。
俺は月に絶賛片思い中なのである。
「ねぇ、璃音」
「ん?」
「璃音ってなんで月のことは名前で呼ぶのに私は苗字なの?なんか理由があるの?」
やばいな、怪しまれてる…?
「いやそれはその、音水より月の方が呼びやすいし?恋雪ってなんか違和感あるっていうか…」
「ふーん」
俺は前に向き直った。
そして手に持っていたケースを開けた。そこには黄色い小さな飾りを散りばめ、星のような装飾を施した指輪が入っていた。
俺はこれを月にあげようと思っている。
「ジンクスなんて信じてないけど…」
「なんか言ったか?」
「わ、起きてたのか、光琉」
「で?なんか言った?」
「いーや、なんでもない」
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