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spoiled by death1

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spoiled by death1

2 - 第2話 同業者

♥

5

2023年11月09日

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ザザッ

夜も更け、外は雨にさらされた。

俺は近くのビジネスホテルに寝泊まりすることが出来た。

現時点で記憶の「き」の字すら思い出せないが、手は自然とズボン後ろのポケットに手を忍ばせていた。

どれどれ、いくら入っているのか。

なかなかズッシリと重みがある。中身を確認すれば数十万は軽く入っていた。

1度、薬局に立ち寄り傷の手当てのため処置用の薬や包帯を購入した。

その足でホテルにチェックインして、まずは傷付いた体を癒すためシャワーを浴びる。

いくつもの傷を処置したら、ビールを数本。酒に合うつまみをホテルに用意してもらった。


ひとまず、これで少しは寛げるか。

ビールを一口、口に含み先ほどの財布の中身をテーブルに広げた。

保険証に免許証。数枚のクレジットカードに様々な会員証が数枚。

あとは………ん。何だ、これは。

スロットにでも使うコインか。金色だ。

高価な物には違いはないか。これは大事にしておくか。

さてと、記憶がない俺にとって大事な身元は。

………「多司馬…庸介(たじまようすけ)」

株式会社スターフォース

なんだこれ、胡散臭い。どんな会社だよ。

ま、いいか。これは後々記憶探しには役に立つ。

にしても、普段からこんなに札束入れているのか俺は。

それと大事なのはさっきの奴らが何者だったのか。とっさながらも3人を殺してしまう俺のスキル。どこで覚えたのか。

コンコン。

誰だ。

もうルームサービスは頼んでいないが。

「誰だ」

「良かった、庸介。無事だったんだな。開けてくれ、話がしたい」

「名乗ってくれないか」

「なんだ、友人の声聞いて分からないなんて最悪だな、俺だ。結城だ。」

記憶がない俺に友人と言われても困るのだが、少なくとも名前を知っている。誰かに命を狙われている事を知っている。

これだけで、コイツの話を聞く価値はある………か。

ガチャ

茶髪で170センチ程、カジュアルな私服。見た目、20代から30代くらいか。首にネックレス。指にはゴツい指輪。オシャレだねぇ。

「着いて早々悪い。何か飲み物をくれないか。隠れては走って、もう疲れ果てた」

冷蔵庫を覗くも、さっき買ってきたビールしかない。後で飲もうと思っていたビールを仕方なく差し出す。

ゴクゴクッ

「スターフォースの連中、今頃血眼になって俺達を探しているはずだ。今はまずは畠中さんの所へ行ってかくまってもらわないとな」

スターフォース………。

保険証の名義になっていた俺の職場だったな。

職場から、俺もコイツも命を狙われているのか?おかしな話だ。

それと、また新しい名前だ。

「畠中?」

かくまうと言ったが、重要な人物なのか。

「結城、悪いがお前の分かる範囲で現状を教えてくれないか」

「ん?なんだ、お前。頭を強く打ち付けでもしたか、まあいいや。良く聞けよ」

今はまだ俺が記憶がないと言う事実は伏せて置いた方が良さそうだ。

「知っての通り、俺達が働くスターフォースは大手流通企業。今では1部上場で手広く様々な企業と提携して最早、世界をまたに駆ける大企業と発展している。それを良いことに裏事業と称して機密軍部の組織と提携して対抗勢力壊滅から着手したわけ。スターフォースの一部の人間を組織に介入させて暗殺者育成をここ数年であっさり成功。その任に当たらせた。その暗殺者のメンバーの一員が俺達な訳さ」

な訳さ。って……………………おい。

はあああああ?

俺が暗殺者~~~~~~~~?

いやいやいやいやいやいやいやいやいやいや。

まあ、さっきの奴らを仕留めた無意識に動けたのは確かに何らかの指導を受けたからと言われれば納得は出来るが。

「俺を狙って来た奴らも同じ暗殺者なのか」

随分とブッ飛んだ話に結城へ質問を投げ掛けた。「同じと言えば同じだが、どんな組織にも派閥が存在して育成された暗殺者グループにリーダーがいて大きく二分に分けられ「倉野派」と俺らが俗する「畠中派」がある。偉い奴らの考えは良く分からない。対抗勢力を叩く前に増えた派閥を先に叩こうと動いているらしい」

単なる内輪揉めか。結城のお陰で話はほんの少しだが理解はしたくないが理解は出来た。

「一旦、畠中さんの元へ行って力を借りて、その倉野派とかってのに対抗しようと考えているわけか、お前は」

「そうだ。さすが庸介。理解が早い。畠中さんの力さえ借りられれば倉野派を潰すなんてきっと楽勝に違いない。勝っちまえば組織の連中も大人しくなる。だから、明朝にここを立って直ぐに畠中邸へ移動する」

分かった、分かった。

とりあえず頷いた。が、逆にまだまだ知りたい事は山積みなった。

畠中のおっさんが結城の言う味方なら有り難いが、暗殺者となれば疑うことから始めなくては命が足りない。

仕方ない。今は結城の言う通りに従って見るか。

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