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無駄に豪華な学校に、無為にデザインが凝っている制服、そして無益に丁寧な言葉。

そんな煌びやかな学校の教室で私はほおずえをついていた。

「まさかこうなるとは……」

遡ること数週間前、親からどこの学校に通いたいかを聞かれて名前がかっこいいと言うアホらしい理由でお嬢様学校〖菖蒲ヶ丘女学院〗に入学してしまったのだ。

もし、数週間前に戻る事が許されるなら過去の自分を必死に説得するだろう。

ちなみに私は社長の娘でもないし、財閥の跡取りでもない。

母は雑貨屋さんでバイトをしていて、父はゲームの会社で今年主任になった人なので、お嬢様の土俵なんて立つどころか、またぐことすら出来ないだろう。

予鈴が鳴ると同時に担任の先生が入ってくる。

予鈴は前の学校と同じだったので少し安心した。

「ごきげんよう皆さん。

ホームルームを始める前に転校生を紹介します。

前に出てきなさい、阿部さん。」

教壇に立つと急に緊張感が走り、手が震える。

このまま立ち尽くして時間を潰すのもいいかも知れないけど、そろそろ視線が冷たくなってきたので、諦めて口を開いた。

「初めまして、ト…トレーフル町から来ました。

阿部奏音(アベカナデ)です。

音ゲーにハマってます。音ゲーでオススメのアプリがあったら教えてください…!」

友達ができる自己紹介の仕方を練習したはずなのに、何故か反応が無い。

すると、1番前の人が手を挙げて口を開けた。

「音ゲー…とはなんですの?」

「えっ…?」

さすがのお嬢様でも音ゲーを知らないなんて思っていなかったので、困惑で思考が追いつかなかった。

すると、制服の上からパーカーを羽織っているメガネの少女が勢いよく立ち上がり、早口で語り出した。

「音ゲーとは、音楽のリズムに合わせて擬似的に楽器を演奏したり、ボタンを押したりして楽しむゲームの総称でござるよ。 」

誇らしい表情を浮かべているが、隣の眼帯の少女は呆れている。

疑問に思いながら、代わりに教えてくれた彼女にお辞儀をすると、彼女はバチンっと言う効果音が出そうなほど綺麗なウインクを送った。

やめてくれよ惚れるから…。

しかし、彼女は先生にこっぴどく叱れれていた。

どうやら音ゲーについてをスマホで調べてたらしい。

「貴方、学校に関係無いものを持ってくるなとあれほど…」

「およよ?人助けをするなと?こりゃぁ参りましたな〜」

「純恋、やめなって!」

「…柊さん、職員室に行きますよ」

柊さんはなにかブツブツ言いながら先生に連行されていき、いつの間にか自己紹介が終わって私は席に着いた。

今日は短縮授業だったので、直ぐに帰ることが出来る。

鞄に教科書を詰め込んでいると、先程の眼帯少女が私の前に立っていた。

「あ…さっきの……」

「ごめんね阿部さん!純恋が迷惑をかけちゃったみたいで…。」

「えっと…貴女は?」

「私?あぁ、まだ紹介してなかったね?

……我は片羽の堕天使、

破魔矢桜鈴(ハマヤオウリン)!先程、禁忌を犯したのは我の戦友の柊純恋(ヒイラギスミレ)だ。

汝も我らと契約をして共に歩まないか?」

さっきのしっかり者のイメージを覆すような言動を放ちさらに困惑してしまった。

「……あ!ご、ごめんね!

えっと……良かったら、私と純恋と友達になって欲しいの!!」

「あ…あ〜確かに最後の契約とかって友達になろうって事?早く言いなよ〜!私の事、奏音って呼んでいいからさ、桜鈴って呼んでいい?」

「あ…あぁ!勿論だ!!」

それから純恋とも仲良くなって、私達があんな事をしてしまうなんて思ってなかった……。

END

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