テラーノベル
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至高神 「記憶障害だ…」
私 「え?」
私は耳を疑った。だって…大好きな人が…記憶を失ったから。
私 「ゾディアークが…記憶障害…?」
至高神 「あぁ…そして、一度覚えても忘れてしまう可能性がある」
アルテマ 「治せないんですか!?」
至高神 「あぁ…心の傷によってなった物だ…すまないが…私からは…」
ゼロムス 「ゾディアーク…何で…忘れるなよ…頼むから…」
私はどうしたらいいかわからない。何て言えば良いのか。思い出してくれる方法は?
できる事は?頭の中がいっぱいだった。
エクスデス 「とにかく…目を覚ますまで待とう」
カオス 「そう…だな…きっと何とかなるって!」
カオスは無理矢理笑顔を作って誤魔化した。
ゾディアーク 「ん…ここは…」
私 「目が覚めたか…?」
ゾディアーク 「誰だ…お前は…此処は…何処だ…?」
私 「私はバハムート。そしてお前はゾディアークだ。よろしくな」
そう言ってゾディアークに全てを伝えた。
あの事以外は…
何年か経って、ゾディアークも少しずつ打ち解けていった。
私以外と…私はどうしても怖くて、話しかける事が出来なかった。
約束を…守れなかったから…
私 「こんな所で何をしているんだ?」
夜空に浮かび上がる星が綺麗な日に、私はゾディアークが一人で座っている所に声を掛けた。
ゾディアーク 「別に…ただ見ていただけだ」
相変わらず素っ気ないのもいつもの事。だけどそれがコイツの個性だ。
ゾディアーク 「バハムート」
私 「何だ?」
ゾディアーク 「私がお前を忘れたらどうする?」
いきなり理解出来ない質問をされ、戸惑ってしまう。
私 「え…う〜ん…側に…居る…とかか?」
ゾディアーク 「何故だ?」
私 「きっと…寂しいから?一人で…分からない所にいるのは、怖いから…」
ゾディアーク 「フッ…そうか…ありがとう…」
ゾディアークは何処か寂しそうに言った。
私 「なら約束しよう!何処にも行かないと!」
元気付ける為なのか、咄嗟に言葉が出てしまった。
ゾディアーク 「…じゃあ…約束だな、頼んだぞ、相棒」
約束を私は守れていない。不安になった時は星空を見にいく事にしている。
そこには、以前と同じようにゾディアークが一人で座っていた。
私 「ゾディアーク…」
ゾディアーク 「…バハムートか…どうかしたか?」
私 「いや、何か思い詰めている様な顔をしていたからな」
ゾディアーク 「あぁ、少し気になってな、私は誰かと…約束をしていた気がするんだ」
私 「約束…」
ゾディアーク 「あぁ、何処にも行かないと約束したはずなんだ。
だがそれは誰が言っていたかは思い出せないんだ」
私はどうしたらいいか分からなくなり、言葉が詰まってしまう。
ゾディアーク 「バハムート」
私 「何だ?」
ゾディアーク 「何で…泣いているんだ?何かあったのか?」
私 「え?」
気付くと、私もゾディアークも自然と涙を流していた。
あぁ、守れていないから、涙が出て止まらないんだな…私は…情けないな…
気付けば空が明るくなっていた。
ゾディアーク 「空は青くて綺麗なんだなぁ…」
ゾディアークは優しい声でそう言った。
ゾディアーク 「少し歩くか?」
私 「あぁ」
私は記憶を失っている。でも何か大切な事があった気がする、何も…思い出せない…
いや…きっと忘れるくらいのことなら…何も無いんだろう。
でも…隣で歩いている人の名前が…思い出せない…
ゾディアーク 「そういえば…」
私 「どうかしたのか?」
ゾディアーク 「お前の名前は…何だ?」
私 「…!」
そうか。覚えても忘れてしまうんだったな。
何度忘れられても、良いよ。
私 「私はバハムートだ」
ゾディアーク 「そうか…綺麗な名前だな…なぁバハムート」
私 「何だ?」
ゾディアーク 「お前は…えっと…」
私 「私は…お前の相棒だ!」
あぁでもやっぱり…私を…忘れないで…
勿忘草が咲く場所で…密かに願う事しか出来ない。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
今回は勿忘草と、傘村トータ様の「おはよう僕の歌姫」を合わせさせて頂きました。
勿忘草の花言葉は、「私を忘れないで」になります。
元々この花言葉が私は好きで、この小説で作らせて頂きました。
今回も最後までありがとうございました。
それではまたお会いしましょう。
コメント
4件
「何度忘れられても、いいよ。」「私を忘れないで。」この2つの対比関係がめっちゃ好きすぎます!!悲しいのを伝えたくない、忘れないでって伝えたい、みたいな気持ちを持ってそう🤔
うぅ…切ない…(´;ω;`) 愛する人に忘れられる哀しみは大きいですよね…😢忘れられても伝えるけど、やっぱり忘れないでほしいって願うバハムートさん好きです!