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普通に見逃してた なう(2025/05/23 01:55:57)
──────めめさん視点──────
見つけた。
敵の、国を。今から滅ぼそうとしているというのに、敵国では社交パーティとやらをやっている。呑気すぎる、なんて思う。今何をやっていると思う?戦争だぞ。戦争。そんなにも守りに自信があるというのか。
____まあ、神が敵対するなんて思うわけないか。なんて、突然意見をコロッと変える。
「見つけました。呑気に社交パーティやってますよ」
そう、大賢者とやらに伝える。そうすると、髭を撫でながら
「ほぉ…この距離から敵国が見えるのですか?」
そう尋ねてくる。───まあ、見えていると言っても過言ではないだろう。死神は死相を見ることができる。すなわち、今から殺そうとしようとすれば、自ずとそれが見える。私たちは死にそうな人の場所、行動、感情───ありとあらゆるものを把握できる。確実に魂を奪うためだ。
───ここまで長々と解説したが、すなわち言いたいのはここからでもある程度のことは把握できるということだ。
卑怯、理不尽なんて言わないで欲しい。神なんてそんなものだろう?
圧倒的で、理不尽。生者の命を操ってこそ【死神】なのではないだろうか?
そんな、誰にかも分からない説明や、思想を垂れ流しつつ、私は鎌を構え、城に薄い膜を張る。これくらいの城ならばこの程度の防御で充分だろう。何も、本気を出す訳では無い。
「離れてください。巻き込まれますよ?」
「ふぉっふぉっふぉっ。それは怖いのう。ほれ、少年。下がっておきなさい。」
「…へ!?俺も…!?」
そんな情けない声を出しつつバラはその賢者に抱きつく。…案外怖がりなようで、その反応が年相応で安心する。
さぁ、切り替えて。私は鎌を水平に構え、狙いを定める。およそ───30キロ程だろうか?まあまあ近い距離であることを確認する。
そして、思いっきり───鎌を振るう。
その瞬間に、一瞬、大きな強い光が辺りに満ち、その後に台風のごとき強風が辺りを駆け巡り、雷雨のような爆音が辺りで爆ぜる。
───思いのほか、この星は脆いらしい。少し、見誤ってしまったことを反省する。
「ほ、ほぉ…。疑ってはなかったが…。圧巻ですな、神の御業は。素晴らしい…!!」
大賢者はこの力が神のものであると確信したらしい。───言ったら悪いが、レイラーさんや、みぞれさんならこの程度お安い御用だが…。
この星…いや、私たちの住む星は思いのほか化け物ぞろいなのだろう。もしくはめめ村が抜きん出ているのか…。まあ、そこはもう知らなくてもいいだろう。
一方、バラはわなわなと震え、腰を抜かしたらしい。そのままポスンッと音を立てて地面に尻もちを着く。───今は膜を貼ったから柔らかかったが、普通に城に勢いよく落ちるのは痛いからな?とツッコミを入れることはさすがにはばかられた。
「いえいえ…これで信じて頂けたでしょうか?」
本題に入りたかったので賢者の賞賛をさっさと流す。私よりも若いだろうが老人は老人。話が長くなりそうだった。
「少々お待ちを…今、衛兵に確認させてきますので。」
そう言って、大賢者がこの場を去ろうとする。
───私は、その首に鎌を当てた。
「───今、鏡を渡しなさい。あなたのお遊びに付き合ってあげたのだから。」
「ちょっっ!?めめ!!何やってるんだ!!」
私が、そう言い放てばバラが焦ったように止めて来る。───が、賢者は突然両手で、ゆっくりと拍手を送ってくる。
「…長年生きても、神はさすがに欺けませぬな。」
「舐めないでくださいね?正直こんなんで渡してくれるとは思ってませんでしたが…」
「へ?おい!どういうことだよ!?」
混乱したバラが私を問いつめる。私は、ひとつ、ひとつと推理を披露する。───柄にもないが。
「まず、あなた。本当は死んでますよね?───正確には本体が。」
「死神様はそんなところまで気付くのですねぇ…いやはや、参りましたよ」
「…まだ途中ですけど。あなた、種族は【ミラー】ですかね?しかし、その魂はなかなかに生者と似ている。…まあ大方、本体が消えてから大分年月が経ったのでしょう。私が来なかったら入れ替わってるだなんて誰も思わないでしょう。」
「つ、つまりこの賢者は本物と成り代わってるってことか…?」
なぜだかバラが私の長々と喋ったことを一言でまとめてくる。余計なお節介だ、なんて言えないからそのまま放置しながら進める。
「あなたは多分【魔鏡】を守る門番の真似事でもしてるんじゃないですか?なぜそうするのかは分かりませんが…。」
「───ご名答ですな。別に。門番なんて大層なものでは無い。そもそも、この鏡を知っているものは少ないんですよ。それに、この鏡は1回使えばまた宇宙のどこかへ行ってしまう。…使うためにはもう1回探さねばならない…。限られてるんですよ。」
そいつは、淡々と話を続ける。段々と、言葉に抑揚が消えていき、生気を失ったかのようにゆっくりと振り返る。
「だから、この鏡は切り札として残して、どこかへ旅立っておきたかったのですが…。さすがに私はまだ神を欺くことは出来ないみたいですね。」
そう言って、そいつは姿がぐにゃりと変化する。
老人のような姿からまるで、長年使えてきた主人を守るかのようにスラッとした長身の男。黒いスーツを着こなし、胸元には懐中時計が据えられている。髪の毛は白髪から徐々に紫、黒と染め上げられていき、それを、何かで結ぶ。片方には丸メガネをつけており、その瞳はどこまでも射止めてやる、と言わんばかりに鋭かった。
「お約束通り鏡をお渡ししましょう。───まだ死にたくは無いのでね。」
そう言って、すっかりと姿を変えた賢者───だったものは、我が物顔で道を占領しカツ、カツと音を立てて廊下を突き進んだ。───ついてこい、ということらしい。
「行きますよ。」
「は!?こんな怪しいヤツにいついていくのか!?」
「もう敵意も殺意もないですよ。私が本当の死神だとわかっているからでしょう。」
「そ、そうなのか…?」
そう言いながら私とバラはそいつについてく───
ここで切ります!!いやぁーひっさびさの投稿ですね!今日からまた、毎日投稿を再開していきます!!よろしくぅー!と、言っても明日は習い事があるので書けるか不明ですが…。
皆さんにお知らせです!最近不健康すぎる生活が続いたので睡眠時間を変えたいと思います!
9時半前後に寝ます!!はや!?と思ったでしょ?私もです()でも、そうでもしないと11時とか言っちゃうので…。その代わりに朝は5時半に起きます!!めっちゃ早いです!!てことで!朝活してる人!はなしかけてみてください!寝てると思います!(???)
それでは!おつはる!