テラーノベル
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それでは〜
どうぞっ!
ーーーーー
ああ、世界はこうも息苦しかったっけ。
世紀の大泥棒『小川桜花』として
望まない生き方を強いられた私に、生きてる意味などあるのだろうか。
今日も今日とて盗みを働く。
そう、これは私が”叛逆者”である為の、1歩。
ーーーーー
💜「わぁ、。ほんと疲れた!!!」
🩵「お疲れ様。もう少しで綺羅も来ると思うよ。」
彼女はこの見窄らしい国で小さなお洒落カフェを営む柚葉。
カフェでも食べたいものを言えば蓄えがあるのかすぐ作ってくれる。
💛「遅くなってごめん、整備してたら遅くなちゃって。ほんと身体中が痛いよ、…笑」
💜「流石、力仕事が得意なことで」
💛「揶揄ってる、…。?」
彼女が、綺羅。一般的にはただの建設業の人。
だけど、こっちの世界では“早撃ち0.2秒の綺羅“として全世界に名を知られている。
彼女はとても冷静沈着で頭が切れる。
あともう一人いるはずなんだけど、
綺羅は私たちチームのリーダー。同時に柚葉の血の繋がってない姉に当たる。
🩵「で、今日はどんなモノを盗んで来たんだい。笑」
そう微笑みながら柚葉がシチューをカウンターに置く。
💜「いや、今日はやめといたよ。」
🩵「桜花らしくないね、っ。」
💛「私、バーボン頂戴」
🩵「相変わらず、。笑お酒は体に悪いって言ってんのに」
💛「……なんか、妙な噂を聞いたよ。」
綺羅が重たい口を開く。
💛「ありがとう。柚葉。」
💛「国のお偉いさんたちが、桜花のことを嗅ぎつけてるみたいだよ」
💜「それは前々からじゃん、笑」
💛「そうなんだけど、今回は空気が違うの。」
🩵「実は、今日その人たち此処に来るよ。」
💜「それって、…柚葉が話を聞いてくれるってこと?」
🩵「うん、私は面白い話が好きだからね。」
柚葉は、生粋の遊び人。
顔には優しい面しか出ていないだけ、でも私も綺羅も彼女の本性を未だよくわかっていない。
……正直、柚葉がこちら側なのか、何を企んでいるのか私たちにはさっぱり。
だけど委ねてみようと思う。
ーーーーー
柚葉には帰ってと言われたがなんとか必死にお願いすると厨房の手伝いをしてくれるなら、と渋々了承してくれた。
🩵「あ〜、美咲さんに都愛さん!!いらっしゃい。」
部屋に柚葉の甘ったるい声が響く。
💚「お久しぶりです。柚葉さん。」
🧡「柚葉、いつものでお願い」
わざわざ貸し切ってまで、柚葉に話すってよっぽど気に入ってるんだろうな。
お酒が入って確か30分経った頃
🧡「そうそう。“桜花“のせいで私たちが悪者になってしまうの。」
🩵「…と言うと?」
💚「愚民共の支持力は偉大でしょ。」
💚「その全部が大泥棒に持っていかれたんだ。」
このままだと、計画を早めることになるかもなあ。
自ら狂ってしまった方が、幾分楽な気がする。
🩵「それで…、どうやって“消す“予定なんですか?」
遠くから聞こえる柚葉の声にゾクっとする。
柚葉、本人がいるって言うのに言葉選びが悪すぎるよ。
人知れぬ狂気を含んだ甘い声に私はドス黒いほどの“何か“を感じていた。それはあの二人も同じようで、しどろもどろに答える。
💚「いや、…まだ詳しくは決まっていないんだ。」
💚「幾ら、…柚葉さんとはいえ、教えることはできません。」
🩵「そう、ですか…。残念。」
全く残念がってなさそうだけどね。
柚葉はきっとずっと暖かく優しい笑顔でお偉いさんを見ていることだろう。
聞き耳を立てていると、柚葉が厨房に戻ってきた。
🩵「いかにも、……下劣だね。」
大丈夫さ、アナタたちは私にはなれやしないから。
あの二人組が帰っていった後、私たちも店から出ることにした。
💜「柚葉、もちろんこっちの味方でしょ、?」
🩵「、…どっちとかないよ。」
🩵「私はただ、面白い方についていくだけ。それがたまたま“君たち“だっただけ。」
深刻そうな柚葉の顔、初めて見た。
綺羅も少し驚いたように柚葉を見つめている。
あの柚葉にこんな顔をさせるなんて、何を思わせたのかわからなかった。
これが私たちが最後に会った日になった。
🩵「さあ、!全てを壊してしまおう!!!!」
ここにはもう私の愛した国はない、ただ廃墟になっただけ。
私“小田柚葉“の反逆は、きっときっとここからが始まりだから。
traitor………
end.
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