「彼女ができた 」
放課後の帰り道 彼からそう告げられた
その瞬間床に叩きつけられるような感じがした。今この瞬間オレの恋が儚く散った
「そうか」
まだ処理しきれないままそう言う
「しばらくは一緒に帰れない」
嬉しい。はずなのに悲しい。よく分からない感情が脳内をグルグル駆け巡る。
ずっと好きだった彼。歌ってる時も不意に見せてくれる慣れていない不器用な笑顔も全部大好きだった。でもこれでよかったのかもしれない。オレと冬弥は所詮相棒。これでいい。これでいいのだ。
「わかった」
「練習もあまり出られない日が多くなると思う。すまない」
「気にすんな」
「ありがとう」
そんな何気ない言葉を交わす。
「あきとまた明日」
「おう」
いつもの交差点で別れる
気持ち悪い。冬弥が取られる。取られる?オレのもんでもないのに何いってんだか。
そんなことを考えながら玄関を開ける。
自分の部屋に入ったとたん怒りが込み上げてきたムカつく。二度と離れない。離さないって決めたはずなのに。怒りにまかせて鞄をぶん投げる。痛々しい音が鳴る隣に絵名がいなくて良かった。ぶちギレられてたかもしれない。てかどこの誰だ冬弥と付き合ったやつは知らないやつに冬弥をまかせられないあーあオレだったらな。一生幸せに出来たのに。
冬弥視点
「ねぇ付きあってよ」
「…すみません。俺はいま好きな人がいるので付き合えません」
屋上のドアを開けようとした瞬間に彼女が発する。
「東雲彰人」
「…!」
「お?当たりかな?冬弥くんの傍にいたのって彰人くんしかいないからもしかしたらって思ったんだけど、ほんとにそうだとはね」
「ねぇ…私と付き合わないと彰人くんがどうなるかわかる?」
「………わかりましたですが…今日だけは彰人と一緒に帰らせてください。あなたと帰るのは明日からでもいいですか」
「わかったわ、でも言ったらただじゃおかないからね」
あぁ…彰人と一緒に帰る時間や歌う時間が減ってしまう。本当は1分1秒彰人の隣にいてたい。また大きな手で撫でて欲しい。
思えば思うほど彰人への気持ちが大きくなる。今日はもう疲れた。いつもの睡眠薬を手に取り5粒ほど飲む。週に5回ぐらい睡眠薬を使ってねる。飲みすぎると依存してしまって彰人を愛せなくなってしまう。それだけはやだ。取った5粒を一気に飲み込むこの瞬間がたまらない。はは気持ち悪る。彰人に嫌われてしまう。
そう考えているうちに眠くなってきて夢の中へと落ちる。
付き合うまであと?日
コメント
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久しぶりのうぴゃさんの彰冬…!! 題材も何もかも良すぎて大好きです😭🫶 とうやちゃんもあきともがんばれー!!👊✨