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『つづら折り』



それはあまり眠りという行為に等しいものではないが、浅い眠りから覚めると遠くから物音がした。

ソファーに置いた最近買ったばかりの本を持って錆びた扉を開けるとガタン、と盛大な物音がする。

「楽か」

こんなに大きな音を立てて何をしているのだろうか。鹿島がいたら注意してくれるが、今日は出払っていることを思い出して仕方なく歩き出した。

元々何かを作る工場だった廃虚を拠点にしているのは身を隠すのにちょうど良かったからだ。

物音を聞く限り誰かと闘っているのが分かる、この場所を知られたなら生きては帰せないなと考えて音がする室内の扉を開けた。

「あ、ボス」

いつもの様子で部屋の主がこちらを見る。

室内はいつも以上に瓦礫が散乱して、いつも楽が寝ているマットレスに楽は誰かを組み敷いている。

「・・・何してるんだ?」

「え?セックス」

そんなものは見れば分かる。しかし楽が組み敷いているのは見覚えのある少年だった。

服は無理矢理脱がされたのか、シャツのボタンは全て千切れて申し訳程度に羽織っている状態はほぼ裸だ。

ところどころに楽が殴ったであろう打撲跡が身体中に見えて両腕は麻紐で頭上に拘束されている。きっと暴れたのか、麻紐で縛られた腕は血で滲んでいた。

既に挿入している状態の楽は平然と隠す訳もなく質問に答えるものだから浅く息を吐いた。

「楽も年頃だから女を抱こうが男を強姦しようが勝手だが、彼のこと覚えてる?」

「あ〜・・・と殺連とJCC試験会場で見たエスパー」

「正解。坂本太郎の部下をなぜ楽が組み敷いてるのか聞いていい?」

目が合った坂本太郎の部下の少年は自分の存在に驚いているのか、目が合うとすぐ逸らしてきた。

こんな痴態を敵に晒されるなんて羞恥で死んでしまいそうな彼の気持ちを考えながらそのまま近くのソファーに腰掛ける。

「街歩いてたら見かけてヒマだったし俺、一回エスパーと直で喧嘩してみたかったんだよね」

「それでどうしたらセックスになるんだ?」

口角を上げた楽が腰を揺らすと足を開かせて楽自身を秘部に飲み込んでいる彼が「ゔ、ぁ」と呻き声に近い喘ぎを漏らす。

「いやぁ〜本気になったコイツ結構面白かったけど時間制限?があったみたいですぐ弱くなったんだよ。だから殺そうとしたけどコイツの顔見たら興奮したっす」

そう言って「な?」と彼に同意を求めるように律動を始めると彼はもう抵抗なんて出来ないのか、眉を寄せながら与えられる刺激に耐えている。

「迂闊に坂本太郎の部下を連れて来るな。殺して捨てて来なさい」

「え〜コイツ飼っていいっすか?」

「あ”っ、ぅあっ」

飼う、と平然と口にする楽に「やれやれ」と足組みをして手にしていた本を開く。

「そもそも楽は手荒いしすぐ殺すだろ、それに飽き性だ」

「普通の人間より頑丈だし手荒くしても死なねーと思いますよ?それに・・・」

「あぁ”っ」

ぱん、と肌がぶつかる音と共に彼の身体がビクンと大袈裟なくらい震える。

「コイツ、洗脳して俺らのモノにすれば坂本太郎の首も簡単に取れそうじゃん?」

「・・・」

坂本太郎、と楽が口にして読もうとしていた目次から顔を上げた。楽は口角を上げて試すようにこちらを見ている。

「彼がそこまで役に立つか分からないが・・・暇潰しにはなりそうだな」

本を置いてソファーから立ち上がってマットレスに近付いてしゃがむ。顔を殴られたのか、それともエスパーの能力を使いすぎて身体に負担がかかったのか分からないが鼻血が滲んでいる。

「運が悪かったね、少年。君は俺たちの尊い正義の礎になるんだ」

ポケットから注射器を取り出すと彼の表情があからさまに怯えたものに変わって、顔を背けようとしたら楽が彼の顎を掴む。

「よく見ておけよ、お前の新しい飼い主だから」

「やめっ・・・!」

抵抗をしようとするがただ子どもが足掻いているだけで哀れにも感じる。注射器の針を首に刺して、中身を注射すると彼は痛みを耐えるようにギュッと目を閉じた。

「それ何すか」

「新しいペットの躾をするための薬」

注射の中身を全て彼に注いで針を抜いてそこらへんに捨てる。

「あとは一通り好きにしていいよ。その後僕が彼を動かす」

「ボスも混ざりましょうよ〜」

立ち上がろうとしたが、楽に腕を掴まれた。冗談を言っている訳でもなさそうにまるで少し先にあるコンビニに一緒に行こうと誘って来た時と全く同じテンションで言ってきた。

「結構イケますよ、っと」

「っ、あぅ」

ずっと中に入っていた楽自身が動くと先程より甘い声を上げた彼の瞳は完全に戦意を失って虚ろだった。

「いいよ」

「お、あっさり決めましたね〜」

「可愛い部下を僕に犯されたのを知った坂本太郎の顔を想像したら勃った」

彼が殺されそうになった時、必ず坂本太郎が助けに来る。それくらい可愛がっている部下が自分とその仲間に強姦されたと知ったこと坂本太郎のことを考えると酷く興奮した。

「ーー始めようか、」




きっと注射器の中に入っていた効果を俺は一生知る由もないが、彼が我を失ったのは確かだ。

四つん這いにされて舌を絡ませる深いキスを受け入れる彼の瞳は焦点が合っていない。

「ふッ、ぁ・・・っ」

荒い息を繰り返しながらキスに夢中になる彼の後ろに膝立ちになっているボスは本を開いて彼の姿を観察している。

「『まずは飼い主とペットの上下関係をはっきりさせて、飼い主がリーダーであることを認識させる。飼い主と同等であると思うとペットは言うことを聞きません』」

「それ何の本すか」

「最近買ったペットの躾の基本」

なんだかんだ言ってペットを飼うつもりだったんじゃないか、と言いそうになったがボスと口論する気は毛頭ないため黙っておいた。

「飼い主って俺?」

「そうだね。自分で飼うって言ったんだから」

唇から離れると彼がどちらかが分からない唾液を口の端を垂らしてハァハァと息を繰り返している。

「え〜と・・・ガクって言える?」

指で唾液を拭うと彼は唇を震わせて「がく?」と首を傾げた。幼くも見えるその姿は数十分前に俺の攻撃の未来を読んで華麗にかわしてカウンターで攻撃を返してくる姿とは別人だ。

「それにしても軟膏クリームでナカを解すなんて強引だね」

片手で本を読みながら空いた手で彼の秘部に指を入れるボスは床に転がってる軟膏クリームを見つけたのだろう。

「ん”、うっ」

「もしかして初めてじゃないのかな」

「あ、ボスもそう思います?」

まだ彼がしっかり意識があるなか組み敷いて無理矢理挿入したとき、彼の表情や仕草に違和感を覚えた。きっと彼は同性との性行為は初めてではない、とボスも感じたのか乱暴に指を増やして秘部の中を掻き乱す。

「あ、ぁ”っあっぅ」

「キミの初めては誰かな?」

ボスの笑みが濃くなる。こういう表情を浮かべるボスは決まって酷く人が変わったみたいになる、そう、坂本太郎を前にした時と同じだ。

秘部の快感に敏感に反応する彼がハクハクと金魚のように口を動かす。俺が「言え」と首を掴んで少し力を加えるとヒュ、と彼の喉が鳴った。

「・・・さかもと、さん」

「大当たりだな」

クツクツとボスが肩を揺らして笑う。まさか彼があのボスの天敵とも言える男、坂本太郎に抱かれていたことを知って多少は驚いた。

ボスが指を引き抜いて身体を屈めて彼の耳元に顔を寄せる、楽しげな表情はどこか不気味でもあった。

「可哀想に、坂本太郎に抱かれてからキミの心はずっと坂本太郎に捕われているんだね」

坂本太郎は既婚者だと聞いた。既婚者が成人した青年に手を出すのは考えにくく、きっと坂本太郎が伴侶を見つける前に抱かれていたのだろう。

ビクリ、と恐怖と事実を向けられて震える身体は頼りない。

可哀想だと微塵も思っていないボスの言葉は彼にとってはナイフのように突き刺さっただろう。

「キミ、いいね。すごく洗脳しやすい単純な身体と心を持っている」

「俺のペットなんですけど」

「分かってる」

本を置いて勃ち上がった彼自身に手を回して触れると彼は甘い声を漏らす。先程まで俺の下で善がっていた彼が眼前で快感に震える姿は興奮するがオモチャを取られた気分になる。

「ほら、飼い主に奉仕をしなさい」

「ぅ”っ、あっ」

「早く。それとも痛くした方が躾になるかな」

ボスが金髪の後頭部を掴んで押さえつけるように下に移動させると何をしなければいけないと理解できた彼は俺の中途半端に勃った陰茎を躊躇いなく咥えてくる。

「その坂本太郎と恋人関係だったってことっすかね?」

「いいや、あの頃の彼が人間に執着するとは考えにくいからこの子の完全な片思いだろう」

可哀想、と続けて口にするがボスのその言葉に意味はない。

「ん”っ、ふ」

「あ〜確かに気持ちいいからこりゃ何回もヤッてるわ」

涙目になりながら虚ろな瞳で裏筋を舌で這って先端を吸う仕草は初めてではないことが容易に理解できる。

「避妊具がないのは残念だが今回は仕方ないだろう。次から用意しよう」

「え?コイツ男だから妊娠しないっすよね」

「エチケットは大事だよ、楽」

そう言って自身を曝け出したボスが随分柔らかくなったであろう彼の秘部にあてがうと俺自身を咥えていた彼が短く喘ぐ。

「僕らに犯されたあと、キミはどんな顔で坂本太郎の前に立つのかすごく興味が湧いたよ」

グチュ、と俺の先走りと軟膏クリームのいやらしい音を立ててボス自身が彼の秘部に入ると彼は目をいっぱいに見開かせて涙をポロポロと流す。

きっとまだ欠片ほど理性は残っているのかもしれない、それを分かっていてボスは俺と彼のセックスに交わったんだ。

「ん、ぐっ・・・!ぅ”っ」

彼の身体が面白いくらい大きく震えてマットレスにポタポタと彼の精液が落ちる。敏感になっている彼の中をボスが容赦なく律動を始めると彼は口淫に集中できなくて泣きながら喘いでいた。

「ほら、楽。ペットの躾をしなきゃ」

「え〜と何だっけ名前。・・・あ、思い出した。シン、フェラしないと殺すぞ」

名前をすっかり忘れていた。そもそも俺のペットになるならその名前ももう要らないんじゃないかと思ったが彼は俺の声に反応してグズグズになりながら再び俺自身を奉仕する。

「ふ、ぁ”っ、あっ」

「ボス激しすぎ。シン全然俺のフェラに集中してねーじゃん」

「どうせ楽も彼のナカに出すんだろ?」

ってことはボスが中出ししたあとに俺が挿れるってこと?と気付いたがまぁボスだし嫌悪感は特になくて「まぁそうっすね」と短く返す。

ふと上目遣いでこちらを見る彼と目が合った。虚ろで、理性なんか殆ど残っていない涙を滲ませた瞳は今まで見てきた人間の姿で一番綺麗に見えて自然と口角が上がる。

「やべ、コイツにハマりそう」

簡単に殺すのは惜しくなってしまった。俺が金髪を軽く撫でるとボスが小さく笑う、きっとペットに愛着を持ったとでも思っているのだろう。

「ゔ、ぁっ、ふ・・・ッ」

激しく腰を揺さぶられて彼が苦しそうに喘ぐ。

「っ」

思えばボスのような生き物がごく一般の人間のように射精する姿は初めて見る。生々しく、動物的本能で射精したボスは息を僅かに詰めるが彼の姿に興奮しているのは分かる。

中に出されて感じている彼の姿に少なからず俺も興奮した。口の中ではなく、再び彼の中で快感を得たいと思っているとズルズルとボスが自身を引き抜いて楽しげに笑う。

「ふー・・・坂本太郎に随分ヨくされたんだな」

ポタリと彼の太ももから伝ってボスの精液が垂れる。ああ、この人も人間なんだなと実感しながら彼の腰に手を回して引き寄せた。

「じゃ、次俺ね」

胡座をかいた上で彼に膝立ちをさせてボスの精液で濡れた秘部を勃ち上がった自身にあてがう。

「自分で腰、下ろせ」

「ぅ、あっ・・・」

首に腕を回した彼が言われた通りにゆっくりと腰を下ろす。グチュグチュといやらしい音と接合部に受け止めきれなかったボスの精液が溢れて更にいやらしく見えた。

「やば、お前のナカえろすぎ」

「ん、あぅ、ぁ”っあ」

半分も挿れてないのに締め付けてくる彼の中に思わず笑うと額の汗で浮いた彼の金髪が揺れる。

「は、ぁっ、う、ん”っ、が、く、ぅ」

「っ、それわざと?やば〜」

「楽を飼い主として認めているんじゃないかな」

完全に全て入ったあと自ら腰を揺らして快感を得ようとする彼が甘い声で俺の名前を呼ぶから思わず射精しそうになった。

ボスの言う通り、飼い主として認めたのか分からないが数分前まで欠片ほど残っていた理性がもう溶けていることを気付いた。

このまま、もう理性なんてなくして俺のモノになってしまえばいいと思いながら腰に手を回すと彼はビクンと身体を大きく震わせて達した。

「あ、やべ、イく・・・っッ」

達したせいか、急な甘い締め付けに耐えられず彼の奥に射精すると彼は声にならない甘い喘ぎを漏らす。

ーーやべ〜。ボスにも共有したくなくなったわ〜。ーー

中で射精すら快感を味わいたくて、最後の一滴まで彼の奥に注ぐと彼は焦点の合ってない瞳のまま「がく」と囁いた気がして中に挿れたまま、キスをした。





まだ夜が明けてない早朝、服は乱暴に脱がせたから俺の服を代わりに着た彼は出会った頃より雰囲気がたったの数時間で変わった気がする。

瞳はもうしっかり焦点が合っているのに目の周りが赤くなっていて生意気そうな眼差しは消え失せていた。

アジトを出た彼の後ろ姿を窓からぼんやり眺めていると「寂しいのか?」と昨日読んでいた本の続きを開いているボスが声をかけてくる。

「いや、ほんとに洗脳されているのかなって思って」

薬で昨日の彼がおかしくなっていたのは分かるがこのまま逃げ出してしまうのでは、坂本太郎に全て話してこの場所も知られるのではないかと考えているとボスは小さく笑う。

「第一関門はクリアしている。あの子は楽を裏切れないよ」

「そーっすかね」

「もう心も身体を坂本太郎のものではなくなったのだから楽のモノだよ、彼は」

室内の出入り口にいたはずのボスがいつの間にか俺の後ろに立っている。静かに本のページを捲る音が心地よくて窓に頬杖をついて彼の後ろ姿を眺めながら欠伸を噛み締めた。

「早く帰って来ねぇかな〜」

「大丈夫だ。きっとすぐ彼は楽の元に帰って来る。その時はたっぷりご褒美をあげるといい」

楽しげに話すボスはまるで近所で野良猫に懐かれて俺たちに話した時と同じ声色で話している。

ご褒美、と聞いてここから出る前に触れるだけのキスをすると「がく」と恍惚な表情で名前を呼ばれたことを思い出す。

思えばもう彼への洗脳は完了しているのかもしれない。次は薬を使わなくても彼が俺に従うのが目に見えて口角が歪んだ。





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