「で、ここまで連れてきたと…………」
「すんまへん……」
「別に構わねぇけど………」
「早急に解決したいでやんす」
「その江戸っ子口調やめろ」
あの後なんだかんだあって4人の部室にお邪魔していた
中にはいかにも暑そうな背の高い男性がいて現在事情を説明し終えた所である
「ていうかここどこなの?」
「ここはY学園よ」
「…………Y学園ッテナニ……?」
「知らないの!?」
「てやんでい」
「だからそれ辞めろ」
青い髪の女の子が説明してくれたところによるとここは日本屈指の有名学園らしい、だから学園の庭なんかに森あったのか
「てか幽霊、なんで死んだんだ?」
「えっとねー、高校の入学式終わって電車で帰ろうとしてたんだけど、電車が着く瞬間に誰かに突き落とされて死んだね〜」
「それ事故じゃなくて殺人だろ」
「そやね」
「軽くない!?」
「まぁもう死んじゃったしね〜」
正直誰が私を殺したのか、突き落としたのかは言われるまで気にしてなかった
でもあのぶつかり方、突き落とし方は
「まるで意図的に突き落とした感じがした……」
「やっぱ殺人!!」
「随分とグロテスクね…………」
「誰だったんだろ〜今考えると………」
関わりのある人とかあんまり無かったから、それに私の友達はそんなくどい事せず真正面からナイフ突き刺して来るに決まってる(失礼)
「てか君達名前は?」
「流した!?」
「うるさい」
「ゴメンなさい……」
「謝んないでよ、ワイが悪くなるやん」
「いや実際悪いぞ」
「まじか、ごめんちょ」
そんな緩い感じで話しながら事を進め、皆の名前を聞くことになった
「じゃあ俺な!俺は寺刃ジンペイ」
「ジバ………」
私の頭の中に浮かんだのは生前の友人の最推しだったあの赤い猫又だった
「僕は小間サン太夫です」
「こまさん……………」
頭の中であのもちもちボディのソフトクリーム好きのあの狛犬さんが思い浮かんだ
「僕は玉田マタロウです」
この子は知らない、知らないけど……………
「ん〜………………?」
「あ、あの……?」
「なんか、変なのが見える………」
「えぇッッ!?」
「でも多分悪いもんじゃないよ」
「よ、良かった…………のか?」
なんかマタロウくんの周りが歪んで見える………気がする
「俺は雷堂メラだ」
「姫川フブキよ」
「メラにフブキ…………」
多分……あのお美しい着物のお嬢さんと燃えてるライオンの事だろうな
「で、お前幽霊なんだから未練とかあんじゃねぇーの?」
「未練か…………未練………未練……………」
生前にやり残した事を取り敢えず1回挙げてみることにした
「えっと〜推しのグッズ買えてない………あ、ハマってたアニメの続きも見てない!学校行けてないし友達と遊ぶ約束あったし公式生配信も見てなけりゃ推しのライブにも行けてない!」
「未練タラタラ過ぎるだろ」
「僕には分かる……ッ分かるぞ………ッッ!」
マタロウがうんうんと首を振りながら共感した
「でも1番の未練っぽいのとかなくね?」
「確かに…………」
「1番…………1番かぁ……………」
正直言って1番の未練が思い当たらないけど…………
そう考えてる時、耳元でチリンと音がした
目だけそちらに向けると、緑のイヤリングが揺れ動いていた
その時何故か分からないけど
「大切な人に会いたい…………」
「大切な人?」
「え?」
いつの間にかそう発していた
「大切な人って誰だ?」
「…………………誰だ………?分からない…………」
「はぁ?」
「けど、すごい大切な人って言うのは分かる………」
そう発した後、部室に沈黙が走った
「じゃあ思い出すまでそのままここにいたら良いじゃん」
「え?」
「良いわね!それ!」
「フブキさん!?」
ジンペイがそう発した後、勢いよくフブキちゃんが賛同した
「なんで……?」
「だって成仏も出来なければ悪さもしねぇんだろ?じゃあ別にここにいてもなんも問題ねぇだろ!」
「それにみれは、人間にちょっかい出す様な幽霊じゃないもの!」
「良いの………?」
たった小一時間程度の関係性なのにそんな信頼を持たれてる事に驚いた
「おう!」
「勿論よ!女子トークもしたいわ!」
あ、フブキちゃんそれが狙いだな?
でも正直言ってこれからどうすればいいのか分からなかったから助かった
「じゃあ、よろしくお願いします………」
「よろしくね!」
「幽霊部員!マジの幽霊!ポォ!!♪」
「まぁほっとく訳にもいかねぇからな」
「取り敢えず学園長に伝えた方が良いよね?」
「そうだね」
ジンペイのラップを無視してる限りいつも通りなんだろうな
「あ、てか幽霊お前……」
「お前じゃなくて彗縁 みれ美って言うんだよ」
「変わった名前だな……」
「よく言われる」
「じゃあみれ美、高校の入学式って言ってたくらいだから高一か?」
「そだよん」
「先輩だ…………」
そう、こんなナリだけど一応高校生なんですよ敬え君達
「ほぉ………?」
「え、何……………」
私が高校生と聞いた瞬間ニタニタとにやけながら寄ってくるジンペイ
「幽霊つっても元は人間だろ………?」
「そうだけど…………」
「じゃあ……下着履いてるよな?」
「は?」
「寄越せぇぇッッ!!!!」
「来んなァァァッ!!!」
身の危険を感じ、幽霊になって手に入れた浮遊で危機一髪避け机にあった消しカスを顔面に投げつけた
ちょうど目に入ったようでのたうち回ってる、ざまぁみろ
「自業自得よ、行きましょ」
「はぁーい!」
そう先頭きってフブキちゃんたちと学園長室に向かった
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