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圭ちゃんは俺の反応を見逃さない。
鼓膜を打つ自分の呼吸の荒さや、無意識に跳ね上がった声の熱量
そのわずかな揺らぎのすべてを逃さず捉え、俺が声を大きくした場所を執拗に攻めてくる。
逃げ場を塞ぐように、容赦なく深みへと追い詰められていく。
思考はとっくに泥のように溶け去り、身体の芯から湧き上がる痺れと熱狂に飲み込まれていた。
限界なんてずっと前に超えているはずなのに、もう何度目かもわからない絶頂が近づいているのを感じて
息も絶え絶えに、必死に腰を浮かせようとする。
逃げ出したいような、もっと狂わされたいような麻痺した感覚の中で指先がシーツを固く掴みしめた。
「ま、まって…けいちゃ……っ!また、また来ちゃう……!」
「なら、好都合だな」
ズチュッ!ズチュッ♡
粘膜と熱が掠れ合う卑猥な音を室内にしみ狂わせながら、圭ちゃんの動きが激しさを増していく。
もう自分が何を言っているのかもよくわからない。
喉の奥から漏れるのは、ただ言葉にもならない喘ぎ声だけだった。
次の瞬間、全身がビクンと跳ね上がって意識が遠のく。
それと同時に圭ちゃんの熱が腹の中で弾けるのを感じた。
ドクドクと拍動する暴力的なまでの生々しい熱流が、俺の奥底を満たしていく。
二人で荒い息をしながら見つめ合う。
胸の上下に合わせて、乱れた空気だけが二人の間を行き来する。
汗だくで髪も乱れているのに、すごく幸せな気持ちだった。
◆◇◆◇
抱かれてから数日、俺は圭ちゃんと上手く目を合わせることができなかった。
あの夜の光景、皮膚を灼くような感触
耳元で吐き出された熱い息が視界の隅にチラついて、胸の奥が焼きつくように痛む。
学校でも、登下校中でも。
圭ちゃんはなににも気にしていないとでも言うように相変わらずの調子で話しかけてくる。
そのあまりにいつも通りの態度が、かえって俺の平穏を揺さぶった。
「りゅう、お前さ。なんか様子おかしくね?変なものでも食ったか?」
「た、食べてない、けど…」
「じゃあなんでさっきから目逸らすんだよ?話しててもずっと上の空だし」
そうは言われても俺は圭ちゃんに裸もイくところも見せたのだ。
恥ずかしくないわけがない。
「だ、だって、なんか恥ずかしくない…?」
「なにが」
「は、裸見られたって思うと、変に緊張するっていうか…っ」
人差し指同士を胸の前で動かしながら縮こまって言うと
「気にしすぎだろ」
圭ちゃんはなんだそんなことか、とでも言いたげな顔をした。
拍子抜けしたような、どこか冷め切った彼の眼差しに、胸の奥がキュッと絞めつけられる。
「き、気にするでしょ…!あんな恥ずかしいとこいっぱい見せちゃったし…」
「抱かれたいって言ってたのはどこのどいつだよ?」
「おっ、俺だけど…!」
赤面しながら言い返すと、血が頭に上って耳の奥が熱くジリジリと鳴り響いた。