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アンタの魔力があれば……それだけで十分だったのに。
アンタの魔力は太陽の下で微睡むような心地にさせてくれた。だから俺はアンタのそばにいたくて周りから金魚の糞と言われてもずっとそばにいた。我が物顔でアンタや周りの気持ちなんか無視してた。ただ俺が心地良くなるために。
「アレックス!!」
「ルークどうしたんだ?」
「どうしただと!お前が俺の可愛いリルアを虐めたことは聞いている!」
「俺がルークの妹を?」
「しらばっくれるな!」
「……それ誰から聞いたの?」
「ルリアからだ!本人が泣きながら……!!」
「俺はルークの妹を虐めたことなんてないぞ?2人で会って話したことだってない。」
「ルリアが言ってるんだ!正しいに決まってる!」
「お兄様!ひぃ!あ、アレックスさん!お兄様を虐めないで!!」
「ルリア……!」
なんだよこの茶番……。
そんなに俺が邪魔だったのかルークの妹は。
「アレックス!お前は今まで俺を騙してきたんだn」
「わかったよ。」
「認めるのか!」
「ああ、もういい。」
「ルリアに罪は決めてもらった。お前は騎士をやめ、この国から出ていくんだ。まあ、簡単に言えば国外通報だ!騎士団の方にも俺から話は通しといたから、お前は寮にある必要なものだけ持ってさっさとこの国から出ていけ!!」
これは戒めなのかな。なんの努力もせずにアンタの魔力のそばにいたから……。
……ならルークより心地よい魔力の持ち主探して見返してやる。
そして今度は与えられるだけじゃなく沢山与えてあげよう。
「アレックスさん」
「ルークの妹」
「本当に意地悪ですね〜最後くらい名前で呼んでくれたっていいじゃないですか?」
「呼んで欲しいのか、ルリア様と?」
「いい気味ね!さっきまではお兄様と同等の騎士だったのに今では妹の私に様付けで呼ばなくてはならないなんて!あはは!」
「……俺の冤罪がバレないといいな。」
「はあ?バレるわけないでしょ!お兄様以外は全員アンタのこと大っ嫌いなのよ?」
「そうか。……悪かった。」
「ふっ、そうよ!お兄様の側は私のものなのよ!!さっさと出て行きなさい!もう二度とこの国に近づかないで!!」
「ああ。」
ルークの妹……ルリアは俺のこと相当嫌いだったのか。みんなも俺が英雄ルークの側にいるのが嫌だったんだろうな。俺はルークと同期で何も持たない孤児だから。
ああああ!!だめだだめだ!こんなこと考えないで今日のうちにさっさと森抜けよう!!
騎士寮にある荷物を見に行ったが何もなく荒らされた部屋だけが残っていて、隅ではクスクスと笑い声がして粗方俺を嫌う奴等に取られてしまったのだろう。まあ、いいけど。
そもそも必要な物は空間収納してるし。
だから手荷物もなく楽々と俺は森を抜けれた。
あの国を出たのが昼前で森を抜けたのが昼後くらいだから中々早いんじゃないだろうか?
「よっと!」着地成功っと。
木から木へと移動すれば森なんて抜けるのは容易い。転移する方が早いけど誰かに見られる可能性がある以上使えない。力は見せびらかすものじゃないしな。能ある鷹は爪を隠すって、ね。
森を抜けても隣国の国境まで少しあるし昼に何も食べてないし、どっかにご飯落ちてないかな。
ぐぅ〜ぎゅるるるぅ〜〜
うっ、お腹空いたぁー!!
森に戻って肉を狩るか……でも解剖とか面倒い!
この辺に村とかないのかな……ん?馬車の音?
カラカラ カツカツ ゴトゴト
わぁ、でっかい馬車。うわ、紋章あるから貴族のか? キキッ えっ、なんで止まった?
「君、どうしたんだい?こんな森の端で。」
そう言ったのはインクのように黒い髪の毛に輝く海のような青い瞳の青年だった。
「あ、ご飯ください。」
「助かりました!ご飯代はお返しします!」
「いいよ、困ってる人を助けてるのは当たり前だから。」
「でも、タダというわけには……!」
「うーん。じゃあ、隣国に着くまで話し相手になってよ!」
「そんなことでいいんですか?」
「うん、一人で乗るの退屈だったし。」
「わかりました!あっ、自己紹介がまだでした!俺はアレックスって言います!」
「僕はオルカ・ベスティアだよ。海に浮かぶ国で王子をしてるよ!」
「お、王子様なんですか!?貴族だとは思っていましたが……!」
「気軽にオルカって呼んでね。あと隣国に着くまででもいいから敬語なしで話そうよ!」
「オルカがそれでいいなら!」
「へぇ、アレクは騎士だったんだね。」
「うん。でも、もっと広い世界が見たくて騎士をやめて旅してるんだ!」
嘘だけど。広い世界が見たいのは本当。
「いいね」
「だろ!」
「見て、もうすぐ隣国だよ。アレクは隣国で何をするんだい?」
「本当だ!ああ、隣国でとりあえず身分証を作る予定だ、ギルド登録ってやつかな。」
「冒険者になるんだね。魔法は使えるの?」
「まあ、少しなら。」
「へぇ〜。なんか見せてよ!」
「ここで?んーじゃあ《バブル》」
ぽわんぽわん 呪文と共に虹色に輝く泡が出てくる🫧攻撃系だとやばいので無力化してるが。
「わぁ、すごいね。綺麗。」
「喜んでくれてよかった。」
「僕の魔法は攻撃特化だからアレクみたいな繊細な魔法は憧れるな〜。」
「王子様の魔法は強そうだな。」
「アレクがピンチの時は助けてあげるよ!」
「はは!頼もしいな!」
キキッ
「着いたみたいだね。アレク話し相手になってくれてありがとう!旅の途中でもいいから、いつか僕の国に遊びに来てよ!」
「おう!」
オルカは馬車から顔を出し俺が見えなくなるまでバイバイと手を振ってくれた。
「よし!」
まずはギルドで冒険者登録だ!
ここがギルドか。遠目では見たことあったけど中に入るのは初めてだな。
入口から窓口までは酒場になっていて、クエストを終えた冒険者達が談話をしている。
窓口に行くと若い男性が出てきた。
「本日はどのようなご用件でしょうか?」
「冒険者の登録をしにきた。」
「わかりました。では、この用紙に答えられる範囲でいいのでご記入をお願いします。」
渡された用紙を持って角にある専用の席につく。
用紙には冒険者名、性別、種族、出身、ジョブ、属性
冒険者名 レク
性別 男
種族 人間
出身 ゼブラ王国
ジョブ 魔導剣士
属性 水、雷
こんなもんかな?
「書けました。」
「はい、お預かりしますね。」
用紙を受け取った受付さんは用紙を魔道具に入れ、2、3秒したら ぼふんっ! と音を鳴らしカードが出てきた。おそらく冒険者カードだろう。
「お待たせしました。こちらが冒険者カードとなります。このカードは身分証にもなりますので無くすことのないようお願いします。」
「無くしたら?」
「無くした場合は再発行で1000ピンほど掛かります。」
「わかった、ありがとう。」
「はい。良い冒険を。」
無事に登録できたし。試しにクエストでもやってみようかな〜。
うーん何受けようかな。俺はFランクだから受けられるクエストも限られるんだよな。
・スライムの皮を30枚取る
とりあえずこれにしようかな。