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イルミネーションの光が街を染め、冬の空気に鈴の音が響く。
咲と悠真は並んで歩き出した。
「すごい……」
咲は思わず足を止め、きらめくアーチを見上げる。
白と青の光が夜空に揺れて、まるで夢の中の景色みたいだった。
「妹ちゃん、こういうの好きだろ」
悠真が少し照れたように笑う。
「……なんでわかるんですか」
問い返すと、悠真は肩をすくめた。
「昔から見てれば、なんとなくわかるよ」
その言葉に胸がじんと熱くなる。
(……ちゃんと、私を見てくれてたんだ)
気づけば手袋越しに、悠真の手の甲がすぐそばにあった。
触れたいのに、触れられない距離。
鼓動が苦しいほど高鳴っていく。