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にゃんてこった!?(猫化パニック編)
類「司くん、ちょっといいかい?」
司「む?どうした、類。演出の相談か?」
類「ふふ、次のショーに使う衣装のフィッティングをお願いしたくてね。これなんだけれど……」
類が恭しく差し出したのは、どこからどう見ても「猫」をモチーフにしたセットアップだった。
猫耳付きのニット帽(黒)
司のサイズより二回りは大きいダボダボのパーカー(茶)
ふんわりした尻尾がついた長ズボン(茶)
司「……類、確認だが。次のショーのテーマは『野生の王国』か何かなのか?」
類「どうかな? まぁ試着だよ。もし似合わなかったら、この案はボツにするさ」
司「(……もし似合ってしまったら、確実に演出がエスカレートする気がする……!)」
冷や汗を流しながらも、スターとしての責任感から司は衣装をひったくる。
司「と、とりあえず着ればいいんだな! 着れば!!」
類「ええ、期待しているよ。終わったら呼んでおくれ」
数分後:更衣室にて
鏡の前に立った司は、自分の姿を見て絶句していた。
司「(着た……着たが……!!)」
鏡の中には、ぶかぶかの袖から指先だけを出し、猫耳帽を被った自分がいた。その姿は、本人の「カッコいいスター像」とは対極にある、あざといまでの「可愛さ」に満ちている。
司「ど、どうしてこうも……! 可愛すぎるのだあああ!!」
あまりの羞恥心に、司が勢いよく地団駄を踏んだその時。
――ボフンッ!!
怪しげな煙が立ち込め、司の体に奇妙な感覚が走る。
司「な、なんだ!? 爆発か!? 類、爆発したぞ!!」
ガチャッ!
類「大丈夫かい!? 司くん、すごい音が――」
飛び込んできた類は、一歩踏み出したところでピタリと足を止めた。
類「……おや。ずいぶんと……予想以上に似合っているねぇ……?」
司「似合って“にゃい”!!」
「………………」
「………………え?」
司が自分の口を押さえる。今、とてつもなく不本意な語尾が聞こえた。
司「……“にゃ”……!? いま、俺は……にゃ、と言ったのか……!?」
動揺する司の頭上で、ニット帽がピクピクッと不自然に跳ねる。帽子の下では本物の猫耳が驚きで直立し、ズボンの後ろからは、衣装の一部だったはずの尻尾がブンブンッ!と猛烈な勢いで左右に振られていた。
類「ふふ……あはは! 司くん、それは素晴らしいよ! まるで本物の猫のようだ!」
類が目を輝かせながら、一歩、また一歩と距離を詰めてくる。
司「ち、違うんだ類! これは、その、気合が入りすぎて口が滑っただけで……!
こ、こっちに来る“にゃ”!! ……ひっ、違うんだ!! 来る“にゃ”と言っているだろう!!」
類「おや、お辞儀の練習かな? 尻尾まで振って歓迎してくれるなんて、嬉しいねぇ」
司「振ってにゃい! 勝手に動くんだにゃ! ……ああああもう!! 語尾が、語尾が止まらにゃいーー!!」
顔を真っ赤にして、バタバタと両手(肉球感覚あり)を振り回す司。
類はすでにスマホを取り出し、満面の笑みで録画ボタンを押していた。
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