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『貴方想い、散りゆく恋』〜身分違いの恋だとしても〜
最終話 身分違いの恋でも
『やっと…2人きりだね。雪華。』
『はい…///』
みんなと別れた後、フィンレイ様と私は
夜景の綺麗な灯台へ来ていた。
『ここは私のお気に入りの場所の1つなんだ。ここに来ると気持ちが安らぐ。』
『私に教えて良かったんですか?』
『あぁ。雪華なら構わないよ。』
『フィンレイ様…。』
『それにここは季節によって見れるものが違う。春は夜桜……。夏は星が見える。秋は紅葉が色付いて…冬は一面に広がるイルミネーションが見える。』
フィンレイ様はニコッと私に微笑む。
『どんな季節も、君と楽しみたい。これからも。』
『!それって…。』
『…雪華。君に伝えたいことがある。』
『っ……。』
私はつい身構えてしまう。
『雪華。君が好きだ。』
『!』
『貴族としてではなく、一人の人間として君のことを愛している。』
『フィンレイ様…っ。』
フィンレイ様は私に跪く。そして、私の手を取り、手の甲にキスをする。
『私と結婚して欲しい。』
『っ……!』
いきなりの事で私は硬直してしまう。
『もちろんです…。私で良ければ…。』
『ふふ…っ。やっと君を捕まえられた。』
『やっとって…。』
『君と初めてあったあの時から私は君に惚れ込んでいたんだ。だけど、この立場だから、さらけ出すことなど出来なくてね。でももうそんな事しない。』
ガバッ
フィンレイ様は私をお姫様抱っこする。
『もう逃がしてなんかやらない。君は私に捕まったんだ。』
『…っ。元より、逃げる気なんかありません。ずっと離さないで下さい――。』
『ん…。』
私はフィンレイ様にキスをする。
『雪華……。』
『大好きです。フィンレイ様――。』
お互いの温もりを分け合うかのように
キスを交わした――。
数年後――。
『フィンレイ様。フィンレイ様。起きて下さい。』
『ん…まだ寝かせてくれ…。』
『ダメです、今日は朝から大事な会議ですよね。』
『…全く。』
グイッ!
『っ!?』
ベットで寝ていたフィンレイ様に手を引かれてベットに押し倒される。
『私の愛する妻は意地悪だな…。』
『っ、私はただフィンレイ様の為に……ん…っ。』
首元を舌が這う。
『昨夜は君の可愛い声を聞いて寝不足なんだよ。寝言まで可愛かった――』
『っー!もう、からかわないで起きてくださいっ!』
ボフッと枕を投げ付ける。
『冗談だよ、もう起きるから怒らないでくれ。』
『もう…っ。』
ここはグロバナー家。私は前日からグロバナー家に泊まりに来ていた。
『では行ってくる。』
『行ってらっしゃい。フィンレイ様。』
『今日は早めに帰れるようにするから。』
『!覚えててくれたんですね…。』
『当たり前だ。プレゼントを楽しみにしていてね。』
『は、はい……!』
2人は身分違いの恋でも幸せに結ばれました。どんなものにもどんな障害にも、2人は負けない。
指先のリングがその証――。
𝑯𝑨𝑷𝑷𝒀 𝑬𝑵𝑫__ෆෆ