小説家だった俺は姿を消した。
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元々本を読むのは好きじゃなかったしそれこそ書くのだって好きじゃなかった。ただ彼が本の楽しさを教えてくれたから、彼と一緒だったから一日中本を読んでられたし書くことだってできた。
去年のまだ暖かみが残る秋の頃の話。彼は婚約者ができたらしい。そっから彼はどんどん婚約者さんとの時間が増えいつの間にか俺に合わなくなった。その途端かけていたはずの小説も、思いついていたはずのネタも全部思いつかなくなった。
「あいたい」
そう言葉に出しても彼どころか誰にもきずいて貰えなかった。
そんな中ある日一通の手紙が来た。
拝啓優しい君へ
いつの間にか会えなくなっていてごめんなそのいつの間にかに君がいなくなったということを知ってショックだった。俺は今婚約者の人と籍を入れる準備に取り掛かってる。もし君さえ良ければ式の際友人代表としてきてくれないか。もう叶わないだろうけど最後に1つ誰よりも愛していたよ。
嗚呼彼はほんとに。そんな事されたら取り返したくなってしまうでは無いか。いつも意地悪に笑う笑顔も愛しく触る俺の頭も全部全部、、もう遅いかもしれない。手紙が出されたのがいつだかも分からないのに俺は故郷絵帰るために走った。数年前まで2人背を合わせ歩いた道。思い出の道。全部全部覚えてる。
ねえさとみくん俺もさとみくんのことが好きだよ
そう呟いた瞬間大きな音がした
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両親に婚約者を紹介されてから彼女に縛り付けられななの元へ行く時間が無くなっていった唯一のやり取りは手紙だけ。
来週の土曜日少しでいいから久々に話したい。
そう書かれていた手紙が来た彼からの誘いに俺は二言返事をし約束の日まで長い時間を過ごした
当日彼に会うために少しオシャレをしてきっともう今日しかないであろう為思いを伝える準備をして屋敷を出たただ彼は何分何時間待っても来なかった嫌われてしまったのだろうか、それとも予定が入ってしまったのだろうか。とりあえず屋敷に入って予定を入れ直そう。彼はもう来ないと直感が言っており屋敷に帰ろうとした瞬間違和感があった。
なぜこんなにも日が沈んでいるのにも騒がしいのだろう。と嫌な予感とは当たるものでそこに彼はいた。
無様な姿で
周りの人に聞くと工事中だったところに彼が通り運悪く上の荷物が落ちてきたそうだ。は、なんだそれ、まだ何も伝えてない。まだ何も。どうやって屋敷に帰ったのかは覚えてないがきっと足取りは不安定だっただろう。しばらく体は何も受け付けずただただ日がのぼり沈むそんな日を繰り返した婚約者の人は俺がこんな姿になってもただただ愛し続けてくれ話も聞いてくれた。そして彼女に少しずつ惹かれて行った。
本当は式を挙げるなら君とが良かった。本当は君ともっといたかった。
これで最後にしよう。最後の手紙
拝啓愛しい君へ
しばらく会えなくてごめんな本当は婚約なんてしないで2人で一緒にいたかった。あの時迎えに行けばななは事故に合わなかったんじゃないかなとか情けないけど思うよもしあの時君が来たら想いを伝えて駆け落ちをするつもりだったんだ。君とならどこまでも行けるから。君のためなら他には何もいらないと思ったから。ほんとに愛してた。また何処かで会えることを
その手紙は誰にも読まれずただ風に飛ばされていくのであった。
コメント
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7ヶ月消息不明だった女の小説です。 あまり期待どころか意味を見出さないで