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金縛りになってしまって動けなくなってしまった僕らは、その場に留まっていることしか出来なかった。
侍2「ねえ、君達、こんな真っ暗な中で何をやってるの?ここは危険なんだから早く帰りな…って、え?💦」
彼は風香が殺したと思われている死体を見て、驚いていたようであり、彼の綺麗な松葉色の瞳は僕らを一瞥してこう言った。
まさか…。😥
侍2「ねえ、君たち、もしかしてさ此奴(こいつ)を殺したの?」
彼の口からそう言われて、僕らは背中が凍り付いた。何故凍り付いたのかと言うと、彼の腰には刀が差げられていた。あの刀で切られたら、致命傷か一撃で殺されてしまうだろう。この時、僕は彼に嘘を付いて誤魔化そうと考えたが、何故か彼の前で嘘を付くことが出来なかった。そして、隣で座っていた風香は嘘や否定をするのは難しいと察したのか、正直に答えた。
風香「は、はい…、私が殺しました…。それと私達、奴が殺害していた場面も目撃してしまいまして…。💦」
風香は今見たことと、自分達がどうして此処にいるのかの経緯を全て彼に話した。未来から来たことは話さなかった為、バレないようにそう言ってくれた。彼は少しだけ驚いた顔をしてまた僕らに話し始めようとした時だった。
侍1「総司、其方(そっち)に奴はいた……か?」
奥の道から最初の声の主がやって来て、倒れている化け物と僕らを見て、彼ももう1人の侍と同じように驚いた。どうやら僕らを見つけた侍の方は、総司という名前らしい。総司と呼ばれた彼は、もう1人の侍の方へ顔を向けた。
総司「土方さん、この人達、泊まれる宿を探していたうちに奴とばったり会ってしまったみたいですよ?その後、彼らはどうすればいいのかですけどね。」
総司はそう言って、ほんの僅かに笑みを浮かべた。不思議で変な人なんだなとこの時の僕は思っていた。土方と呼ばれたもう1人の侍と総司は、何かブツブツと話し始めた。おそらく、僕らの服のことや僕の目隠し、何もかもが自分達の生活の大半が可笑しいことについてだと思う。野薔薇を守るように囲んでいた恵は、彼らの名前のことに引っかかっていたが、それが直ぐに気付いたのである。恵は彼らに聞こえないように僕に話し始めた。
伏黒「先生、もしかしたらこの方達は新選組の土方歳三と一番組組長の沖田総司じゃないですか?💦」
恵からそんなことを言われ、僕は彼らに見られないように目だけで驚いた。ということはつまり、僕達はタイムスリップした挙句、有名な偉人の方達と出会ってしまうという凄いことになってしまったようだ。しかし、リアルの偉人にではなく二次元のようなゲームのような雰囲気の偉人と出会ってしまったみたいだ。ちょっと待ってよ、それじゃあ僕達はどうやってゲームの中から出られるの!?ゲーム画面から飛び出して出る?そんなことは夢じゃあるまいし。それじゃあゲームをクリアしたら出れる?それはそれで時間が掛かるし、何時クリア出来るか分からないじゃない。僕がそう試行錯誤していると、2人の会話が終わり、副長の土方が口を開いた。
土方「おいてめぇら、これから俺達の屯所に連れて行くから絶対に逃げるんじゃねえぞ。」
虎杖「もし、俺らが逃げたらどうするんっすか?💦」
悠仁が不安になりながらそう言うと、土方は鋭い目付きでこう言った。
土方「逃げれば斬る。」
そう、僕達に吐き捨てた。それを聞いた悠仁達は怖くなって何も言えなくなった後、顔を真っ青にした。僕は悠仁達を怖がらせないように落ち着かせ、絶対に現世に帰れるようにしようと小声で言った。その時、僕の目の前に居る総司は僕の右手首を掴もうとしたのだが…。
総司「な…、え…!?💦」
総司は僕の右手首を掴みかけた時、僕の無下限呪術で触れられないことに迚驚いていた。総司はもう一度、僕に触れようとしたがやっぱり触れられないことに驚いていた。総司は、化け物と茜の死体の損傷を確認している土方に僕が触れないことを話した。この時、僕はこう思った。今のうちに瞬間移動で逃げて、何処か遠くに逃げれるかもしれないと気付いた。例え、捕まって斬られようとしても、僕の無下限呪術で刀の刃が折れるだけだ!僕は直ぐにそれを実行して、瞬間移動を使い、屋根の上に乗った。
一同「えっ!?💦・は?・おい!!💢」
僕の瞬間移動の一部始終を見た皆の反応はそれぞれだった。特に驚いていた風香は、僕と同じように瞬間移動をして僕の右手首を掴んで、そのまま皆が居る場所へ戻った。
土方・総司「…………。😳」
僕と風香の行動を見ていた土方と総司は絶句していた。そりゃそうだよね…、たいていの人間はこんなこと出来ないから驚いて絶句しちゃうよね。💦周りが静かになった後、土方は舌打ちをして「余計なことはすんじゃねえぞ。」と言い、そのまま屯所がある方へと移動し始めた。僕の左後ろを歩いている野薔薇は先頭を歩いている土方と総司に聞こえないような小声で僕に話し掛けてきた。
野薔薇「な、何なのよ、あの人達、本当に信用しても大丈夫なの?」
五条「まあ、僕らは迷い込んできた者だし、こんな状況なんだから、今はあの人達のことを信じるしかないよ。」
僕達はこんな右も左も分からない時代に飛ばされ、行く宛てもなくただ暗い夜道を彷徨っていた。泊まる宿や野宿出来る場所すら無かった為、食事が食べられるのと温かい布団で寝れるのが何よりも有難かった。あの後、化け物と茜の死体は回収され、化け物は処分された。茜の死体は、そのまま御遺族の方の手によって埋葬されたという。屯所へ移動している時も土方と総司は奴のことには、全く一言も話さなかった。もしかしたら、彼等にとって奴は見てはいけない存在なのかもしれないと僕は思い始めた。この日の夜は闇が深く、鳥の鳴き声や家の中の物音すら聞こえない静かな夜であった。僕達は、ただただ黙って彼等の後を着いて行くことしか出来なかった。