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「うわぁ〜、負けた、」
今から買い出しに行く人を決めるじゃんけん。これだけは、勝ちたかった。だって、外寒いんだもん。今は、冬の真っ只中。いくら北海道出身でも寒いのは嫌だ。私はだるそうに立ち上がって上着とバックを持って玄関に向かう。
「etさん待って、」
「ん?ur、どした?」
「いや…etさん1人で行かせるのは…その..心配だから。」
「えっ、やさしーじゃんur〜 」
「違ぇよ、etさん方向音痴でしょ、それに自分の好きなチョコばっか買って来そうだし…」
「はぁ?そんな買ってこないし〜、それに方向音痴って言ってるけど、それurもだからね?」
お互いに小突きあって玄関のドアを開ける。
ドアを開けると、冷たい風が顔全体に吹きかかってくる。
「「寒っ」」
「どんだけ寒ぃんだよ」
「それな」
シェアハウスからコンビニまではさほど遠くないが、こんな寒かったら行く気も薄れる。
2人並んで街灯に照らされている道を歩いていたら、ふと思った。 なんでurはこんな寒い中来てくれたんだろう。みんなでシェアハウスで遊んでればいいのに。その方があったかいのに。そう考えながら歩いていると、だんだん手先や鼻先が冷たくなっていき悴んでいく。
「…ねぇ、思ったより寒くない?手死ぬんだけど、」
「なー」
「urはあったかそうでいいねー」
嫌味っぽく言ってみる。あぁ、冬の寒さを舐めてた…。もっと厚着してくればよかった…
「etさん、手ぇかして」
urが突然言う。どういうことだろうか。いつもみたいに、何かイタズラするつもりじゃないよね、なんて思いながらポッケに突っ込んでいた手をurの前に出す。
そうするとurは私の手を取って、そのままurのポッケの中に突っ込んだ。
「…はぁ?//」
「寒いんでしょ」
「..さ、寒い……けど…..」
「この方があったかいでしょ」
なにこいつ。こういうのって…恋人同士でやることなんじゃ…。
さっきまで寒かった手は、一瞬であったかくなって、鼻先は凍ってるけど、頬は熱くて、林檎のようになっているだろう。ふとurのほうを見ると、urも耳を真っ赤にしてそっぽを向いている。それを見たら余計に恥ずかしくなって、頬をもっと赤く染めた。
そのまま私たちは何も言わず、コンビニについてお菓子や飲み物やらを買った。コンビニを出てシェアハウスに向かう。
その時も私の手はurのポッケの中。
さすがに気になって聞いてみる。
「…ねぇur、なんで…こんなことを…」
「…」
「買い出しだって、ur寒いの嫌いでしょ。 」
「…」
「…なんで…….来たの….?」
「…」
「…なんで…手繋いだとき……耳真っ赤にしてたの….? 」
私たちは立ち止まった。沈黙が続く。
「…..そ…それ…は、….お…..俺が…」
urは、ゆっくりこっちを向いた。その顔は私より真っ赤だった。林檎みたい。そして、私の目を見つめて言った。
「……好き….だから、…etさんのことが…」
あぁ、私今どんな顔してるかな。心臓はもうurにまで聞こえそうなくらいバックバク。この音聞こえてないよね、。それにurと繋がっている手が一番熱い。2人の熱が絡み合って溶けそうなくらいには。
「…っと、そういうことだから。」
「……うん、。」
「…etさん、覚悟してな。」
「..えぇ?」
「もう、遠慮なんてしない」
「えぇぇぇ、…//」
「…っそろそろ戻るか、…みんな待ってるし…な。」
「そう..だね」
私たちは歩き出した。シェアハウスに着くまで私たちの手は離れなかった。