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「素敵な景色だね」


瞳と付き合うことになって初めてのデートというかドライブで行きたいところを聞いたら「小田原城」と即答されて車で相模湾を左手に見ながら西湘バイパスを走っていると瞳は車窓を食い入るように見ていたから

「せっかくだからパーキングエリアに寄って行く?」

と聞くとやはり即答で「行く」と返事が帰ってきた為、カップ麺を食べながら海を眺めている状況だ。


デッキに行く途中にカップ麺の自販機を見た瞳が買ってみたいという事で購入したものだ。


「こういうところで食べるカップ麺って、すごく美味しく感じる。バイト先のバックヤードで食べるのと同じものなのにね」


「瞳はコンビニでバイトしてるんだっけ」


瞳は美味しそうに麺を啜りながら頷いた。


「凌太は人材派遣会社だっけ」


「ああ」


甲斐商事の創業者一族だと瞳に言うのはまだ嫌だった、もしかして他の女達のように媚びてくるかもしれないと思うと怖かった。だから派遣会社のバイトとしか伝えてない。


「おいしかったぁ。海っていいね。川なら大きさの差こそあれ身近にあるけど海は海に行くぞーって思わないと見れないから」


「確かにね。さて、そろそろ出発しよう目的地はもうすぐだ」


車に乗り込み海岸沿いを走る。


「小田原城って小学生以来だから楽しみ」


「俺は初めてかな」


「デートとかってどういう所に行っていたの?」


「それ、今聞くんだ?」

一般的なデートというものはしたことがないし知らない。

合コンで会って即ホテルなんて絶対に言えないよな。


「だよね、友達と出かけることはあっても彼氏とデートって高校以来だし」


「ふーん、高校の時ってどこに行ったりした?」


「お小遣いとかの制限があるから映画に行ったり買わない買い物をしたりかな、あんまりそういうのも無く終わっちゃったけど」


「どれくらい付き合ってた?」


小田原ICで一般道路に入る。


「受験の準備があったからあっという間だった。私、一度に色々とするのが苦手で大学受験と恋愛が両立できなかったんだ。高校2年の冬に付き合い始めて高校三年の春に受験が終わるまで中断を提案したんだけど」


恋愛の中断という考え方がおかしくてつい吹き出してしまった。


「やっぱり変?」


「いや、変じゃ無いけどなんとなく瞳らしいというか、それで?」


「それでも、連絡とかはしてたんだけど受験が終わったら実は彼には新しい彼女ができていて受験と一緒に恋も終わってました」


ぶっ

今度はさっきよりも盛大に吹き出してしまった。


「凌太は?」


「俺は特に」


「あーやっぱりいいや、聞いていたら日が暮れる感じがする」


いやむしろ30秒で終わる。

告白されたら家に呼んでセックス。

相手が不満を言ったら終了だ。


「家と里子ににかまぼこを買って帰ろう」


「町をぶらぶらしながらお土産探しでもしよう」


「そうしよう」


“空”と書かれた駐車場を見つけて入った。

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