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あれからどれくらいたったか。
そろそろカナエも今の生活に慣れてきて、まるで叶のように過ごしている。
またこうしてカナエと話せるのは嬉しいが、やはり叶とも会いたいと、ふと考えるようになってしまった。
いつまでこの生活が続くのだろうか。
あいつとまた話せる日は来るのだろうか。
カナエ 「…………サーシャ、今日はオムライスでもいいですか?」
葛葉 「お、マジィ? ちょうどオムライス食いたかったんだよねェ」
今日はカナエの家に泊まりにきている。
わざわざ泊まるほど家が遠いわけでもないのだが……。
なんなら同じマンションだし。
カナエがいきなり「今日うちに泊まらないか」と言ってきたのは驚いたが、特に断る理由もないので泊まることにしたのだ。
カナエ 「ふ、じゃあすぐに作りますね?」
俺が満面の笑みで答えたせいか、それとも目をこれまでかというくらいに輝かせたせいか。
答えはわからないが、カナエはそんな俺の様子が気に入ったようで、少し嬉しそうに口元を緩ませた。
葛葉 「頼んだァ」
少し時間が経つと、オムライスのいい香りがリビングまで漂ってくる。
やべぇ、すげぇいい匂い。
これ以上匂いを嗅ぎ続けると腹の虫が鳴き出しそうだ。
……完成するまでFA巡回でもするか。
カナエ 「サーシャ〜、できましたよ〜」
リビングにあるソファに寝転がりながらスマホを眺めていたら、キッチンの方から少しだけ張り上げたカナエの声が聞こえてきた。
葛葉 「サンキュー」
スマホをテーブルに置き、カナエの方へ向かう。
葛葉 「うんまそぉ〜!」
俺がキッチンに着くと、すでに机にオムライスが置かれていた。
それはレストランに出てくるようなオムライスでも、カフェや喫茶店に置かれているようなオムライスでもない。
一般に家庭で作られる、どこにでもあるありふれたオムライス。
だがそれでいい。それがいい。
カナエのオムライスは最高に美味い。ヘタに外で食べるより、カナエのオムライスを食ったほうがはるかに美味い。
…………まずい、涎が垂れそうだ。
257
koha.
47
ガパオライス
3
カナエ 「どうぞ?」
2人で席に着くとカナエが食べるよう促してきたので、置いてあったスプーンを手に取りオムライスを掬って口に入れる。
その瞬間口の中に旨みが広がり、頬が落ちそうになる。
俺たちは2人揃って食レポ力が皆無なので、うまく言葉では表せないが。
葛葉 「うんめぇ〜!!」
カナエ 「よかった」
カナエは俺の弾けるような笑顔を見て満足そうに微笑んでいる。
葛葉 「ほまへみへひはいはほうがひいほ」
カナエ 「え、店名何にしましょう」
おそらくそれなりに聞き取りづらかったと思うのだが、当たり前のように伝わっていて怖い。
このまま食いながら喋り続けるのもなんなので、口の中のものを飲み込んでからカナエの発言に応える。
葛葉 「ほっとオムライス」
カナエ 「それはどっちかというと商品名じゃ?」
一番最初に思いついたまじでテキトーな単語を並べたので、カナエにツッコまれてしまった。
葛葉 「うお、まじじゃん」
そんなアホ会話を繰り広げていると、あっという間に食べ終わってしまった。
葛葉 「うまかったぁ〜」
下を見るとぽっこりと膨らんだ腹が目に入る。
……食い過ぎた。
明日朝食えるか……?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
飯を全部食い終わった後は、カナエの後に風呂に入った。
日々の疲れが取れるこの時間はいつ味わってもいい。
…………そろそろ寝るかぁ……。
カナエ.? 「葛葉」
葛葉 「え?」
コメント
1件
いやぁ、第5話めっちゃ良かった……! カナエの手料理オムライスを食べるシーン、何気ない「アホ会話」のやりとりに日常の温かさがぎゅっと詰まってて、読みながら思わず頬が緩んだよ。最後の「**葛葉**」の太字のところで一気に空気が変わったのも気になる……! この二人の距離感、すごく好き。りつさん、素敵なお話ありがとう!