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『好きのメーターが壊れた日』

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『好きのメーターが壊れた日』

11 - 第10話 たった1、めっちゃ1

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2025年05月04日

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at視点




昼休み、教室のざわついた空気の中で、俺は声を潜めて言った。

at ちぐ、今日の放課後、時間ある?

隣の席のちぐが、びくっと肩を揺らしてこっちを見る。

tg えっ、あっ、う、うん、ある!

at 図書室行こう。英語、ちょっとやっときたい

tg っわ、わかった!い、行く!

ちぐの反応が可愛すぎて、笑いそうになるのを必死にこらえた。

頭の上の数字は「830」。本当にわかりやすいやつだ。

俺とちぐは同じクラス。でも、特別仲がいいわけじゃない。

話すのも、たまに。廊下ですれ違う時、ノートを借りる時。

だからこんなふうに誘うのは、俺にとってもちょっとした挑戦だった。

放課後、少し早めに教室を出て、ふたりで図書室に向かう。

途中の会話は、ほんの少し。

「教科書、持ってきた?」とか、「あのプリントやばくない?」とか。

それだけなのに、隣にいるだけで少し心臓がうるさくなる。


図書室に着いて、窓際の席に並んで座った。

机の上にノートを広げて、静かに勉強を始める。

ちぐは真面目で、集中力がある。ペンを走らせる手がすごく丁寧で、

その横顔を見るたび、つい目がいってしまう。

at(……俺、ちょっと見すぎだな)

スマホで辞書を開こうと思いスマホの画面に目を落とした時だった。

反射した画面に、ふと自分の頭が映り込んで――

at(1…?)

一瞬だけ、そこに数字が見えた気がした。

at(俺、今、1……?)

「1」なんて、今まで一度も浮かんだことのない数字。

驚いて、すぐに画面を伏せる。手のひらが少し汗ばんでいた。

隣のちぐは、まだ気づいていない。真剣な顔で問題を解いている。

at(ちぐに、見られてない……よな?)

ドキドキが止まらないまま、視線を下に戻した。






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『好きのメーターが壊れた日』

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