これ10話の後の出来事ねー!
tg視点
静かな図書館。
ページをめくる音すら気を遣ってしまうくらい、息が詰まる。
あっとくんの隣ってだけで、心臓がずっと忙しい。
tg(普通にしてなきゃ、って思うのに……無理だよ……)
それでも、できるだけ目を合わせないようにして、黙々と単語帳をめくる。
ふと、視界の端に入ったあっとくんのスマホ。黒く反射したその画面に――
「1」
……数字が、浮かんでいた。
tg(――え?)
思わず二度見した。
間違いじゃない。確かに、あっとくんの頭の上に「1」が、映ってた。
今までずっと「0」だった、あの人の数字が。
tg(なんで……どうして……?)
急に頭が真っ白になる。ページの文字が、全部ぼやけていく。
at ……ちぐ
tg あ、う、うん……なに?
at スマホ、見すぎ。目、悪くなるよ
tg え……
ドクン、と心臓が跳ねる。
その声が、どこか優しくて。
その言葉が、なんだか意味深で。
まるで――全部、気づいてるみたいな声だった。
tg あっとくん……
不意に呼んでしまった名前。
あっとくんが、ゆっくり顔を上げてこっちを見る。
そして、目が合ったその瞬間――
もう一度、「1」が浮かんだ。
tg(……っ!)
そのまま息が止まりそうになる。
言葉も、思考も、何もかもが固まってしまった。
tg(これ……本当に、俺に向けての――)
at ……ちぐ、話したいこと、あるんだ
え――。
その声に、心臓が今度こそ跳ね上がった。
♡▸︎▹︎▸︎▹︎2000
コメント
2件
くッ好きすぎる!続き楽しみに待ってます(*ˊ˘ˋ*)