「一体どういうことですか……?」
「国王の正式な跡継ぎ候補よ。貴族の中でも最高位、国王になれなくても成人したら国に仕えるの。」
前に聞いたときは伯爵候補だって言っていたのに……本当は国王継承者だったって事…?
「本当は言っちゃいけない約束になっているけど、花月チャンにはいつか伝えるつもりだったのよ。」
「国王継承者と生贄の花嫁……運命というものはあるんですね。」
「花月ちゃんは僕の花嫁にしたかったのに…。」
「それがそいつの目的なんだな。」
「ええ。私たちがわかる範囲ではここまでです。黒鬼院様は間違いなく貴女のことを狙ってくるでしょう。計画が遂行される前に止めなければ……。」
「黒鬼院の目的を止めたら、貴方たちはどうなるんですか?」
「たぶん消えるよ。俺たちがこうやって生きていられるのは黒鬼院様の存在があって成り立つからな。契約印が無くならない限り、自由にはなれない。それにもし生きていられたとしても、黒鬼院様の手下だったことで間違いなく捕まる。吸血鬼協会に。」
「泰揮、どうしました?」
「アタシたちが食べている食料や、使っている物品が吸血鬼協会からの供給だということは伝えたわよね。」
「吸血鬼協会って…なんなんですか…?」
「人間界でいう国会みたいなものです。国を統制していて表向きは善良の吸血鬼の集まりとされていますが、裏では汚れた仕事を行うという噂です。そのようなところに彼らが捕まったらただでは済まされないでしょう。」
「でも…なんでその協会が皆さんに食料を送っていたんですか…?なんか、話を聞いてる限りあまりいい印象がないというか……。」
「あ!」
「聖、どうかしましたか?」
「思い出したんだ、吸血鬼協会のこと。」
「思い出したとは…?」
「その黒鬼院ってやつ、吸血鬼協会の代表の秘書だ。たしか、何年か前に汚職が判明して吸血鬼協会が表に出たとき、一緒にいた……。」
そう言って聖さんが携帯で調べだす。
「じゃあ、今回のこの事件って…。」
「吸血鬼協会が関わっていると厄介ですね……。」
「ほらあった。6年前の記事。当時の代表取締役会長が人体血液培養の実験を行ってたくさんの犠牲者を出した事件。この写真の会長の隣に黒鬼院ってやつが写っている。」
「それは…黒鬼院様。」
「6年前に失敗したことで吸血鬼協会は皆の期待を裏切っていたわね。それを取り返したいのかしら。なくしてしまったプライドと業績を。」
「そのような方が相手ですが貴方たちはよいのですか?」
「俺らは大丈夫。最期にすっきりして終わりたいからな。それに守りたいものができちまったし。」
「守りたいもの…?」
「ああ。それがあれば俺らは負けないからね。」
「じゃあ、決めなくちゃね。黒鬼院さんを倒す作戦。」
「吸血鬼協会がバックについているのだとしたら、真っ向勝負で戦うのはあまりにも無謀です。それなりの作戦をたてないと確実に負けます。」
「作戦って言ったって、僕たちと一緒にいたら皆に危害を加えかねないよ。」
「アタシたちとしても自分の命は大事だわ。でも、今回は特別。アタシたちの花月チャンを攫おうとしたんだから、守るための危害なんて大したことないわよ。それに、国の継承者としては、放っておけないでしょ。」
「作戦を立てるとしても残りの2人がいないと、立てるだけで終わってしまいます。どうするおつもりですか…?」
「それは私たちが受け持ちます。」
「まあ、いいけどな。手柄をあまり多くの人に取らせたくないからな」
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