お久しぶりです!へびまると申します!
いやっこんなに時間かかるとは…
そしてこんなに時間をかけてこれだけとは…
思わなかったです…
申し訳ない…っ
2週間音沙汰なかったんですけど、Xではぼちぼち生きてました。ぜひ覗いてください
さて、とりあえずずっと練ってたrmvanをようやく消化しまして、
まだまだ書きたいネタが残りまくって絶望してるんですけれども
というかあの街でいろいろ起こりすぎてて渋滞なんですけど
いや、そんな話は必要ないですね
rmvanです。短いですがどうぞお納めください
思わず深いため息をついた。組織の頂点を示す革張りのソファに座る私の膝で、輝くような目の少年がこちらを見ている。
「ヴァンちゃん、これつけてよぉ!」
少年__後藤れむが差し出したのは、カチューシャだった。白くてふわふわのそれは、後藤ちゃんについてる犬の耳にひどく似ている。
いや、そんなことより、と私は考える。
「なんでここにいるんだい?後藤ちゃん」
「ヴァンちゃんの匂いがしたから!遊びに来た」
「うーん理由になってないなぁ?」
「だめなの?」
「駄目だろ」
「なぁんでよボクちゃんと“お邪魔します”って言ったよ?」
「そういうことじゃない、ここはな?ギャングのアジトなんだ」
なんとか諭してみようとしたが、結局、断ることなどできるはずもなかった。
なにせ相手は後藤れむ。小さな背中に背負った、不釣り合いにデカいロケランがいつ火を噴くとも限らない。
生憎、手錠はちょうど持ち合わせていなかった。
「仕方ねぇな……」
渋々ながらもカチューシャを受け取り、自分の頭に乗せる。後藤ちゃんはそれを見た途端、ぱっと顔を輝かせた。
「えー!かわいい!」
「……どこがだ」
「全部。」
疲労感とむず痒さにうーんと唸った。すると、こっちの苦労など微塵も感じさせない、軽やかなシャッター音が聞こえる。
「おーい、撮るな撮るな!」
「だぁいじょうぶだって、拡散しないし」
「だからって…見られる可能性あるだろ?」
「ないもん!」
どこにそんな根拠が…と言い返す元気もなく、ヴァンはれむのパタパタと揺れる尻尾を眺めた。しばらく動き回っていたが、ようやく撮影に満足した後藤ちゃんは、次なる要求を口にした。
「ねぇ、ワンって言ってよ」
「は?」
「それだけ聞いたら出てくから!」
ロケランに手を伸ばしながら言う言葉ではないと思う。
「だぁー!わかった、わかったから、それ仕舞ってくれるかな?」
「うん」
素直に黙った後藤ちゃんがじぃっと上目遣いで見つめてくる。その視線から逃れようと目をそらし、しばらく沈黙したあと、ぼそりと低い声でつぶやいた。
「……ワン」
「ひゃーっ!……すごい元気出た、仕事がんばろ…」
歓声を上げる後藤ちゃんにまた見つめられ、火照った顔を手で覆う。ひんやりとした手袋の感触が心地よかった。
…今の私はこれ以上ないくらい疲れた表情なんだろう、と他人事のように思う。
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