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この世でもっとも美しく尊きものの一つ、それはあなた。
そう言って、女神アフロディテは彼の愛を求めたのだ。
――ロラン・ルルー『美しき獲物たち』より 女神アフロディテ。ギリシア神話においては愛と戦いと勝利を司る女神であるが、同時に愛の守護神でもあり貞節を司るとされる。この二つの性質によってギリシア文化圏において最も重要視されてきたのはやはり性愛だったわけだが、特にこの女神に関しては、性にまつわる逸話があまりにも多く、そのあまりの多さゆえに、かえって彼女の本心というものがよく分からないという状況に陥っている たとえば彼女がゼウスの子を産んだエピソードが有名だが、ゼウスとヘラの関係を見ればわかる通りこの話はどこまで信用できるか分かったものではないし、彼女以外にもアフロディテの名を冠した多くの女神がいることを考えれば彼女の子孫も相当数にのぼるだろうことは簡単に予想されるわけだが、そういった数多くのアフロディテの子が実際に存在したとして、その中の誰かが本当にアフロディーテの子供であるかといった問題もある。他にもゼウスが人間との間に生ませた子供を母親のもとに返しに行った際に彼女と密通して生まれた子供がアフロディテであるとする説もあるが、その場合だとゼウス自身が人間の女と関係を持ってできた子供ということになってしまい話の流れ的にも整合性が取れなくなってしまうためこの説については保留にしておきたいと思う。
とにかくアフロディテに関する伝承の多くは真偽不明の伝説が多く含まれているのだ しかしそんな数多い逸話の中でも特に有名でもっとも真実に近いとされているものの一つがこれだ
「彼女は一度でも微笑めば男を惑わし狂わせるほどに美しい顔を持っていた」というものである 彼女が笑えば男は誰しも恋に落ちてしまうと言われているほどなのだ ただしそれは彼女の本性を知らない者が相手の場合に限る 彼女の本質は冷徹にして残酷かつ無慈悲なものなのだ……そうあの時までは とある事件がきっかけでアフロディテは本来の性質を取り戻すことになる それはまた別の機会に譲るとしてここでは一つだけ重要な情報を紹介しておくとする 彼女は『ある意味最強キャラである可能性がある』ということだ! ギリシャ神話に登場する女神の中でもかなり強い部類に入る存在であるが もしこれが本当にそうなった場合、とんでもない強さになる可能性を秘めていることだろう。