リアムお兄様の遺体は、警察によって運ばれた。
ジョン警部は立ち去る際、
「全力を尽くして犯人を探し出し、捕まえます。…本当にお悔やみ申し上げます。」
と言っていた。
アイラさんは、今日は泊まりたいと言ったので、城に泊まらせることにした。
俺が自分の部屋に帰ろうとした時、ルーカスお兄様が俺の肩を叩いた。
「ノア…話がある」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「話って何?」
俺がそう問うと、ルーカスお兄様は俺の目を強く見据えた。
「俺たちで、犯人を探そう」
……え?今、なんて言った…?
「犯人は、ジョン警部が探してくれるって…」
「お前は警察に任せるのか?」
ルーカスお兄様が何を言いたいのか分からない。
「ノア。お前は、警察に任せるのか?」
「…ねぇ、さっきからどういう意味…」
「俺は、警察に任せたくない。大切な兄様を殺した奴は、自分で捕まえたい」
それって…、
「”復讐”ってこと…?」
「あぁ」
!!
「それ、本気で言ってるの、?」
ルーカスお兄様は何も答えてくれない。
ただ、俺の目を真っ直ぐに見つめてくるだけだ。
「……俺は、、悔しいんだよッッ…。兄様を殺したくせに、今ものうのうと生きている奴が憎い…!!兄様は、あんなにいい人だったのに…ッ、!」
ルーカスお兄様がボロボロと涙を零す。
滅多に泣かないルーカスお兄様が泣いているのを見て、俺の目も潤んできた。
「…だからって、大切な弟を巻き込むのはよくないよなッ。ごめん、ノア。今までの話は忘れてく…」
「俺も」
「…え?」
「俺も、ルーカスお兄様と一緒に、犯人を探すよ」
「!」
気づいた時にはそう発していた。
「ノア…」
ルーカスお兄様が近づいて、俺の頭を撫でた。
「ありがとう…絶対俺たちで、兄様の仇をとるんだッ」
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