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#独り言
愛
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# m t k ,
10
第5話
おまけで付いてきたオ×ホがOmrと繋がってたらしい
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藤澤は触って確認するだけだと自身に何度も言い聞かせた。
変に高まる鼓動を押さえつけながら指を大森の下半身に持っていく。
敏感な所を傷つけないように指を寝かせた時
藤澤は自分の爪が伸びている事が気になった。
「…あ、」
ぽつりと呟いた声に反応して大森が顔を持ち上げて藤澤と目線を合わせた。
「な、なに?」
大森が少し緊張した声色で聞いてくる。
「爪、伸びてて…爪切りある?」
一瞬の間を挟んでから理解した大森が捨てるように息を吐いた。
「今?」
「え、うん…」
藤澤が頷くと大森は眉を顰めながらベッドから起き上がった。
「こっち」
藤澤の腕を引っ張るとリビングに連れていく。
そしてカミソリや毛抜きなどが収納されている小物入れから爪切りを出した。
「早くして」
「う、うん…ありがと」
藤澤は大森の余裕がもう少ない事を感じると急いで爪を切った。
中指と人指だけを切ると爪切りについてる粗めのヤスリで爪を整えた。
「うん、これで…」
藤澤が顔をあげると大森が突き刺すような目線を向けていた。
ねっとりとした執着と氷のような冷たさ。
本来は対比の関係にいるはずの物が混ざった不気味さに背筋がすっと伸びる。
藤澤が爪切りをそっと机に置くと大森が距離を詰めてきた。
それを感じた藤澤はなぜか爪切りから目を離せない。
「涼ちゃんって変な所で几帳面だね」
大森の軽さを装った声がする。
藤澤は唾を混み込むと 切り揃えた爪を見つめながら返事を返した。
「…傷つけたくないから」
「涼ちゃん…意外と経験豊富?」
藤澤は弾かれたように顔をあげると首を振った。
誤解されたくない。
何をどんな風に誤解されるか、藤澤は理解はしていないがそれでも首を振った。
「そんなことはない」
「じゃあ」
大森が藤澤の顔を覗き込んだ。
視線がぶつかると藤澤は頭の中まで見透かされているような気持ちになった。
「もし失敗したらどうする?」
「し…失敗?」
藤澤の呼吸が自然と早くなっていく。
大森にとって何が失敗なのか
失敗したら何が待っているのか
藤澤はそれを考えずには居られない。
「え、っと…」
藤澤が焦りから頭からを掻こうと腕を上げた時。
大森の目線がその腕に釘付けになった。
そして同時に緊張するように体を強ばらせた。
藤澤がその表情に目線を飛ばすと大森は何も無かった風を装う。
その反応で何かを掴んだ気がした藤澤は、もう一度大森に手を伸ばしてみる。
すると大森が微かに身体を縮こませた。
「…怖い?」
藤澤がそういうと大森はすぐに乾いた笑い声を上げた。
「いや、別に普通だけど」
藤澤が反応を示さないままでいると大森が急いで付け足した。
「早く終わらせた方がいいと思って
涼ちゃんもめんどくさいだろうし」
その言葉に藤澤はつい顔を顰めた。
「元貴」
自然と藤澤の声色が咎めるような雰囲気になる。
「めんどくさいって思ってないよ」
藤澤の言葉に大森の眉が下がった。
「おいで」
藤澤は大森の腕を掴んでギュッと抱きしめる。
「ち、ちょ…」
「怖くないよ、大丈夫」
声をかけながら藤澤が背中を撫でると 大森は胸の中で激しく動いた。
そして、スルリと胸から脱出すると首を振りながら言った。
「だから怖くないって」
大森が建前を崩さない言葉に藤澤も被せるように言葉を合わせた。
「じゃあ怖がってもいいよ」
言い終わる前に大森は目を逸らした。
「お前さ」
大森が体を背けると藤澤に背を向けた。
「急に優しくなんの、やめて」
「うん、ごめん」
藤澤がそういうと椅子から立ち上がる音がした。
「喉乾いたから…水持ってくるね」
大森はその姿を少し振り向いて見つめた。
藤澤が冷蔵庫へ向かう間に大森は胸に渦巻いた愛しさと恥ずかしさを慌てて整理した。
しかし、この時間すら藤澤が大森を想って敢えて与えたものだとふっと思う。
そのせいで大森は余計に愛しさが爆発しそうになった。
少し間を置いて藤澤がペットボトルの水を手に持って戻ってきた。
大森は唇を軽く合わせて馴染ませるように動かすと息を吐いた。
少しだけ恥ずかしさが薄れた気がした。
「元貴も飲む?」
藤澤が聞いてきたのでこくっと頷いてペットボトルを受けとる。
ペットボトルを開けると水を口に軽く含む。
その時、大森は自分の手が少し震えていることに気がついた。
しかし、大森はそれを見なかった事にした。
この震えの原因は恐怖だけじゃない。
さっきから体内で動いている物が刺激を与えてくるのもひとつの原因だ。
大森はそのじんわりと重たい快感を外に出さないようにと気を張り詰めていた。
大森は口内の水を飲み込むと立ち上がる。
「寝室行こう」
藤澤がいなかったらさっきの様にみっともなく地面に伏せて居ただろう。
藤澤の前だとそれが出来ないのはこれ以上心配させたくないという気持ち。
というのは建前で、正直に言えば藤澤に踏み込ませる弱みを見せたくないから
大森にとって弱みは心の入口のようなものだ。
そこが見つかってしまえば藤澤は踏み込んで来るかもしれない。
例えばそこに柔らかい場所があったとして藤澤が触れてきたら大森は拒めない。
受け入れてしまったら最後
あとは失うばかりだと大森は知っている。
そうして弱みを隠す事が関係を続ける上での癖になってしまっていた。
大森は寝室に着くとなんでもないようにベッドに腰をかけた。
そして、なんでもないように藤澤に声をかける。
「じゃ、さっさと終わらそうか」
藤澤が頷く。
そして手に持っていた水を飲み干す勢いで口に含むとゴクゴクと飲んだ。
「よしっ」
藤澤が自分に自分で喝を入れた。
大森は藤澤の緊張している様子に少し余裕が生まれた。
気持ちを固めた藤澤がベッドに立ち入ろうとした時、すっと脇の小さい机に視線を走らせた。
大森もその目線につられる。
藤澤は机に手を伸ばすとハンドクリームを手にとった。
パキッと音を立てて開けると中身を手のひらに出す。
粘度を確かめてみるとサラサラと言うよりはねっとりとした感触だ。
「ねぇ」
藤澤が大森を見るとハンドクリームをひょいと示した。
「これ使っていい?」
「何に使うの?」
大森は予想はついていたが一応聞いてみる。
「えっと」
藤澤は考えるポーズを取りながら話を続けた。
「ぬるぬるしてる方が痛くないと思う」
自分で言った割には少し恥ずかしそうに藤澤が瞳を泳がせた。
大森は藤澤とこんな話をしているのが不思議な気分になった。
本当にこのまま進んじゃうのかな
「うん、じゃあ沢山ぬるぬるさせて」
大森と茶化すようにそう言うとベッドに仰向けになったが、内心は自問自答が飛びかっていた。
涼ちゃんって俺にとってなんだ?
仕事仲間?友達?
しかし、どれもピンと来ない。
ピンと来ないがこんな事をする関係ではないはずだ。
そんな事を考えながら藤澤が指先にハンドクリームを塗る様子を眺めた。
そして、それが終わると藤澤がベッドの上に膝をついた。
大森は始まりを覚悟して息を短く吐いた。
藤澤は横になっている大森を跨ぐと顔の横に両手をついた。
顔がぐっと近づくと藤澤の長いまつ毛に視線が引き寄せられる。
「ぇ、」
大森は体を縮めると瞳を丸くして藤澤を見つめた。
藤澤は下半身に目線を向けていて目を丸くした大森には気づいていない。
そのままガシッと膝を掴まれると脚を開かれそうになる。
「あ…まって」
自分でも驚くほど気の抜けた声が出た。
藤澤が体の動きを止めると大森は耐えられず横を向いて表情を隠した。
ベッドシーツに顔を押し付けると羞恥心が溢れて胸を一杯にした。
なんでだろう
藤澤とそういう事をしても平気だと思っていた。
しかし、藤澤が追いかぶさった時
大森は一瞬キスされるんじゃないかと思った。
藤澤はそのつもりがなかったみたいだ。
それでも大森が自分の気持ちを認識するには十分だった。
「そういうことか…」
大森がボソッとつぶやく。
藤澤とは本来こんな事をする関係性じゃない。
しかし、だからこそ性欲を発散させても無かった事に出来るのではないかと
そんな事を考えていたからしっぺ返しを食らったんだろうか。
本当は触って欲しい
キスじゃなかったと分かった時
勝手に傷ついてしまった
大森は心から苦しさが湧き上がると息を詰まらせた。
じわりと目頭が熱くなる。
大森は口内の肉を強く噛んだ。
今だけは泣いたらだめだ。
「元貴…大丈夫?」
心配そうな藤澤の声が上から降ってくる。
「…うん、」
大森は体の向きを藤澤の方向に戻すと、こくっと頷いた。
「大丈夫、やって」
藤澤は大森の身勝手な姿勢にも答えようとしてくれる。
実際、今の大森の容態を周囲に隠せているのも藤澤の優しさ故だ。
なのに、そのせいで発生した問題すら藤澤に丸投げして解決しろと迫っているわけだ。
藤澤に覚悟を決めさせたのは紛れもなく自分だ。
その後に大森から「やっぱり嫌だ」なんてもちろん言えるわけがない。
大森の言葉に藤澤が返事をした。
「…いれるよ」
大森は何とか頷いたが、同時に心が締め付けられるような気持ちになった。
そんな所から触って欲しくない
涼ちゃん、気づいて
大森は溢れそうな涙を瞳を閉じる事で無いことにした。
「元貴」
藤澤の声がする。
「なに」
大森は瞳を閉じたまま答える。
すると藤澤の手が大森の額を撫でた。
その手の温度に心が解けていく。
すると突如、額に何か柔らかい物がふわりと当たった。
大森が反射で瞳を開くと藤澤の目が合った。
藤澤が聖母のように笑うと頭を優しく撫でた。
「怖くないよ」
「…今」
大森は口を開くとそこから心臓が飛び出そうになった。
「…え、いま」
大森が動揺のあまり同じ単語を繰り返したので藤澤もつられて慌て始めた。
「え…うん?」
大森は 柔らかい物が触れた額に指を持っていく。
そして決心を決めると口を開いた。
「今キスした?」
一瞬キョトンとした顔を藤澤がした。
そして、あっという顔をすると首を振る。
「あ…えっと、おでこにね?」
「っ、そういう話じゃ」
大森は耐えられず顔を両手で隠した。
なんだ
そのおでこはセーフみたいな価値観は
大森からしてみれば十分に重たい一撃だ。
「おでこ…おでこだから」
藤澤がまるで訂正するように繰り返した。
大森は指の間から藤澤を見つめる。
「じゃあ唇は?」
そういうと藤澤の動きが止まった。
「それは…立派なキス」
言い終わる前に大森は藤澤の顔を引き寄せた。
息を飲んだ藤澤が瞳を見開く。
大森の瞳が揺れるとたちまちに潤んでいく。
瞬きをしたら涙が零れてしまうのではないかと言う状態で藤澤を見つめた。
藤澤はそれがあまりにも綺麗で悲しくなった。
「涼ちゃん、それしてもいい…?」
「…それ?」
藤澤は大森に見とれたままオウムのように繰り返した。
しかし、ゆっくりと吸い込まれるように言葉が入ってくる。
「…えっ!!」
藤澤は意味を理解すると飛び上がった。
「そ、それって!?え!?」
藤澤が手を口に持っていったり、頭に持っていったりと忙しなく慌てた。
「いや!!お前からしたのよ!!」
恥ずかしさで訳が分からなくなった大森は叫ぶように突っ込んだ。
「そ、そうだよね!!だよね…俺から…いや、でも」
藤澤がぶつぶつと何かつぶやき始めた。
何を言ってるのか分からない。
「涼ちゃん…それやめて」
大森がすぐに咎めると藤澤が背筋を伸ばした。
不吉な予感を感じると予想通り、大森の両肩をぐっと藤澤が掴んだ。
藤澤の真っ直ぐな目線が大森を射抜く。
大森はその真っ直ぐさに惹かれて、こくっと頷いた。
藤澤が顔を寄せてくる。
大森はドキマギしながらそれを受け入れる準備をした。
唇が触れ合いそうになった時
「く、唇だよね?」
怖気付いた藤澤がこのタイミングで確認してきた。
「ぐぅ!!!」
大森は耐えられず藤澤の腕から逃げ出した。
転がりながら枕を掴むと、藤澤に投げつける。
「う゛っ」
藤澤が唸り声をあげながら、それを顔で受け止めた。
「あぁもう!本当むり!!」
大森は愛しさと苛立ちの反復横跳びで死にそうになって叫んだ。
後にも先にもこんなにも感情を掻き乱してくる奴はいないだろう。
大森は海原のように荒れている心を抱えながらベッドに腰をかけた。
対して藤澤は大森がいつもより遠めの距離を取って座った事に落ち込んだ。
せっかく元貴がきっかけ作ってくれたのに
藤澤は臆病な自分を恨んだ。
このまま無かった事にさせたくない。
いや、させない。
藤澤は立ち上がるとゆっくりと大森に近づいた。
気がついた大森がちらりと藤澤の足元に視線を投げた。
そっと隣に腰を下ろすと藤澤は口を開く。
「もう1回…挑戦していい?」
大森が、こくっと2回頷いた。
藤澤が大森に体を向けると、俯いていた大森のまつ毛が揺れた。
髪の毛を掬うように頬を撫でると、大森の瞳が不安そうに藤澤を見た。
「目、閉じてて」
藤澤が優しく声をかけると大森は唇をギュッと結んで目を閉じた。
藤澤は今度こそ怖気付かないように
とにかく唇を合わせることだけを目標にして大森に顔を寄せた。
息がかかるほど近づくと大森がふるりと震えた。
トンと軽く唇が合わさった時、大森は無意識に息を止めた。
一方、藤澤は唇を合わせる事を目標にしていたのでこの後どうすればいいのか分からなくなった。
そのまま、お互い唇を合わせたまま動けない。
耐えかねた大森が片目だけを開いて様子を見ると藤澤と目が合った。
すると藤澤が照れるように笑った。
初めて見るその表情は驚くほど可愛らしく、大森はそれだけでもう何でもいいとすら思えた。
「涼ちゃん、すき」
驚くほどすんなりと本音が口から零れた。
大森の呟いただけのようなその言葉に藤澤は嬉しさに心が張り裂けそうになった。
藤澤もこの気持ちを伝えたい。
しかし、言葉では足りない気がした。
藤澤は大森に顔を寄せるともう一度、唇を重ねた。
コメント
18件
これからもぴりさんの脳内を共有していただけると幸いです✨ ぴりさんの作品大好きです。 ありがとうございます!! 伝えたいことがまとまらずに、コメントが4つに分割されてしまいました💦 読みにくくてすみません🙇♀️
勝手に彼らをより好きになって、愛おしく思えてしまいます🥰 もしかして、単純にそのカプが好きになったのかと思い、他の作者様のノベルを漁りましたが、私にピンと刺さるものはありませんでした。 きっと、ぴりさんが丁寧に状況や心情などを詳細に書いてくださるから、私たちまでその世界の壁となって実在させてもらっているような感覚になれるのだと思います。 そこで、ファンマも付けさせていただきました!!
そこで、まだ読んだことがない作品があったので読ませていただいたら、今まで🍏のカプでお気に入りというものは特に無く、omr受けを探して見ることばかりでしたが、ぴりさんのwki × fjswが魅力的過ぎて、どっぷりと堕ちました🤤 また、基本的にはwki × omrを良く読んでいましたが、ぴりさんのfjsw × omrが私に刺さり過ぎました。 少し可哀想なomrも好きです。