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売られた令嬢

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売られた令嬢

第10話 - 第10話

36

2025年01月18日

#ざまぁ

#恋愛

#婚約破棄

#王子

#第4回テノコン

#ファンタジー

三園七詩

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三園七詩

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綺麗なドレスを身に纏うと今度は広い部屋の大きなテーブルで一人食事を出される。

しかし手を出さずに待っていた。

「ロレッタ様どうなさいましたか、お口にあいませんでしたか？」

エミリーが心配そうに聞くので慌てて否定する。

「いいえ！とても美味しそうです。それに綺麗に盛られて食べるのがもったいないくらいです」

「ならお気になさらずにどうぞ召し上がってくだませ」

「ですが、フレッド王子は？」

「ああ、王子ならまだ仕事がありますからお気になさらず先に……ってまさかロレッタ様王子を待っていて！？」

エミリーが驚いている。

「主よりも私が先に食べる訳にはいきませんから」

「なんと健気な…ロレッタ様、大丈夫ですから今日は先に食べてくださいませ」

エミリーに促されて私は仕方なく「いただきます」と先に食べることにした。

食べきれないほどの料理を出されたので申し訳ないと残したことを謝り、寝室へと戻ってきた。

するとエミリーを待ってる間に疲れた体と満腹なおかげで睡魔が襲ってきた。

王子よりも先に寝る訳にはと必死に目を開けようとするが瞼が重い。

どうにか頑張っていたが私はとうとう力尽き…その瞼を閉じてしまった。

エミリーは寝巻きの用意をしてロレッタの元に向かった。

「あら！」

するとそこには王子のベッドで気持ちよさそうに眠るロレッタの姿があった。

小さい体をベッドの端っこでまん丸にする姿はうさぎのようだった。

「ふふ、可愛らしい寝姿だわ。気持ちよさそうだし今日はロレッタ様はここでおやすみしていただきましょう」

王子は別の部屋を用意すればいいわとエミリーは部屋の灯りをそっと消して静かに部屋を出て行った。

王子の側近のシド部屋にその旨の報告用紙を出すと、エミリーは仕事を終えて自室へと帰った。

しかしその日側近のシドがコスリガ国を調べるために留守にしているとは知らずにいた。

そんな事とは知らずにフレッドはようやく仕事を終えて自室へと戻ってきた。軽食を軽く済ませて浴びるだけの湯浴みも終わらせると、服も身につけずにタオルを一枚巻いたままベッドに倒れ込んだ。

昼間ロレッタを湯浴みに運ぶ際に変に手を出して墓穴をほったのでそれを収めるために仕事に集中しすぎた。

ロレッタの寝顔を見たかったが遅い時間になってしまったので明日改めて拝顔しようと考えていた。

どうせロレッタを気に入ったエミリーの事だから今日は別室でゆっくりと寝かせているだろうと思っていた。

フレッドはベッドのシーツを掴んで自分にかけようとするとズルっと何か乗ってる感覚がした。

刺客かと警戒して飛び起きると枕元に置いてある短刀を掴んだ。

「うーん…」

女の声がするとそこには気持ちよさそうに眠るロレッタが自分のベッドで寝ていた。

「なぜここに…」

フレッドは隣に用意したはずのロレッタの部屋へと向かい一応確認する。

そこはものけの空でロレッタのために用意させた寝巻きだけが使われずに置いてあった。

見ればロレッタはドレスを着たまま眠っている。

少し窮屈そうに寝るロレッタをみてため息をついた。

「これではさすがに苦しそうだ」

フレッドはロレッタに近づくとその背中の紐を優しく解いていった。