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zm side
zm「 …… 」
みんな元気そうに騒いでいる。
そんな光景を見ていると心が締まったような感じがして息苦しい
knsmがあの時のことをみんなに話して数分後に元気がなかったshaもいつも通りになって戻ってきて
今みんなは気にせず情報集めようぜ!みたいなノリで内ゲバが始まった
……knsmとshaの様子を眺めると、さっきみたいな暗い雰囲気が消えていて立ち直ったんだなって分かった
でも、そんな二人を見ていると今の俺と比べてしまって、元気なのが羨ましく思う
俺はいくら考えてもtnのあの顔が脳裏に張り付いて、何度も何度も忘れようとしたけど取れなかった
まるで、俺が楽しく暮らすことを拒否してきているようで
まるで、昔見たことあるあの同僚たちのゴミを見るような目のような、あれに少し似ていた
似ていないようで似ている。
あの時のtnの顔は、楽しく暮らそうとする俺を否定する、そんな感じだった。
まるで、自分自身が否定されたようなそんな感じがずっと襲ってくる
俺は、この賑やかな場所に居ちゃいけないと思って扉を開けて出ていく。
今だけは、何も考えずにボーっとして寝ておきたい
何も考えずに、辛いことは何も考えずに……
…バタン、
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em side
バタンッ、
扉を閉ざすような音が部屋中に響き渡る
だがそれは仲間の賑やかなな声と音ですぐにかき消されてしまった
この扉のような音が耳に入ってきた途端、最初は誰かお手洗いとかに行ったんだろうなと思った
でも、何故か私の勘は「追いかけなきゃ」と思っていた。
今追いかけないと気付くこともないと思うことが、目を離すと泡沫と共に消えていきそうな儚いものが今
それが何かは知らないし、私が追いかけたら迷惑だろうとも考えた。
でも、今しかこのぐるぐるし続ける不思議な感情が取り出せないと思った。
ガチャッ…
私は、後を追うように扉を開ける
ci「 あれ、emさんどしたん? 」
em「 あぁ、ciくん… 」
本当のことを話そうか、そう悩んだ。
でも余計に心配をかけるだろうと思考が動くことはないままそう思ってしまった
em「 いえ、少しお手洗いに行こうと思いまして… 」
ci「 !…そか、行ってらっしゃーい! 」
em「 すみません…、少し席外しますね 」
そう彼に一言付け足して私はあの場を後にする。
彼は私の”本当にしたいこと”を察してくれたのでしょう、騙されやすい彼ですが一応詐欺師と言われてますし…
人の気持ちなどを読み取ることが得意なのでしょう、
…それか私の顔に”それ”が出ていたか、ですね。
それだったら幹部としてはあまりよろしくありませんけれどもね…、
一人で雑談みたいなことを脳内でしながら私は廊下を歩いていく
あの場に居なかった寂しがり屋の彼にどう声をかけようかも考えながら、ですけれども。
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zm side
自室へ来た。
それだけでも心が軽くなったような気がした
「 ……はぁ、 」
思わず溜息をつく、あんまついちゃいけませんよーってemさんに言われてた気がするんやけども
ベッドに寝転がってうつ伏せになる
顔は枕で埋まって、呼吸がしづらい気がしたけどこの状態が一番楽ではあった
一人ぼっちは苦手、寂しいから
静かなのは苦手、あの賑やかな声が失くなったようで怖いから
寝るのは苦手、時間が過ぎていくから
仲間を失うのはもっと苦手、だって……寂しいし、置いてかれた気がして怖いから
理由なんてそんな簡単なものだった。
でも、それでも周りが考えるほどこの悩みは軽くなかった
寧ろ、彼奴等と一緒に居続けていくとだんだんでっかくなっていく悩み
人生で初めて出来た”仲間”であり”家族”でもあるから
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俺は小さい頃、家族に捨てられてスラム街で一人孤独で育った孤児だった
孤独、って言っとるけどほんまはスラム街で沢山の人に支えられて生きてきた
そう、殺し屋として。奴隷としてこき使われながら。
若葉色である瞳は綺麗だったが、顔に傷跡がついていたため闇オークション等には売られることはなかった
だけどこうしろ、ああしろって何度も言われ続けてそれに従って手を汚してきた
あの時も、俺のしていることは悪いことだって分かってた。
でも手遅れだった。そうしていないと生きていくことは出来なかったから
それに俺が従い続けていたら周りは喜んでくれているから、周りのみんなが喜ぶなら俺は手を汚し続けた
だんだん、泥と血で染まっていく汚い手とナイフを見つめながら
何年も、何年もずーっと
気がついたらそんな生活が嫌になった
昔は皆が喜ぶならなんだってやると思っていたけれども、今となってはタヒにたくてたまらなかった
最近気付いた。罪のない人もこのくだらん依頼で消えていっていることを
それも俺のこの手で。
それがやけに吐き気がした。
人殺しがだんだんと慣れていくと同時に俺は罪悪感に襲われ続けた
周りの人間から「汚い子」とか「人殺し」とか…陰口も叩かれるようになった
それも全部お前らが俺にやってきたことなのに、自分の罪は勝手に逃れようとして、
自分のことだけを優先し続ける周りを全く見ることのない屑だらけの人間しか居ないこの街が嫌いだった
でも、
gr『 俺の仲間にならないか? 』
grから言われた阿呆みたいな一言、それが何処か面白そうで頷いた時から俺の世界が変わった
そんなような気がした
初めて”仲間”というものを手にした時、屑共の冷たい視線とは違う何処か優しく暖かいもの
生きている中初めて感じた感覚に依存してしまいそうな感じだった
それぐらい人の優しさというものに感動した
元々は一番残酷なだったと思ってた
でも、気付いた
人間は一番残酷で、あまりにも儚くて脆い「 あたたかいもの 」を持っている
自分のことが最優先のヤツが多くて、自分の欲望のためならば無意識に周りのことは無視
最も欲に溺れ、だが最も泡のような優しさを抱える
そんな薬より依存性の高いものに執着してしまうようになった
それはあまりにも安心出来て、あまりにも………天国のように思えた。
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でも今はどうだろうか、
大事な仲間が夜に溶けるように消えていって、しかも拒絶されて
怖かった。昔に見たことがある光景だった
あの屑共が俺を見るときと同じような冷たい視線を向けられて思わず呼吸を忘れそうになった
でもあの時はパニクってて、よくよく思い出すとアレと似ていて、何処か違うような視線だったことは分かった
これをトラウマというべきなのだろうか、俺には良く分からん
……胸の内側が握り絞められるように痛い
初めて仲間を、心の底から許した相手が居なくなることを学んだ
knsmなら慣れたって言ってあと数日経ったら切り替えることが出来たのだろうか
shaならあの時に彼奴の苦しさを分かってあげることが出来てちゃんと寄り添ったりしていたのだろうか
俺には良くわからない
自然と涙は出なかったしただ恐怖に襲われてそれ以外は何も変わらなかった
何も出来なかったけど、それでも俺は何も変わっていない
そう、変わらなかったはずだった。
時間が経っていくにつれ恐怖心は薄れていくものの喪失感に襲われて逆に頭が回りづらかった
自分でも何を言ってるのかさっぱり分からない、なのに
zm「 ……寂しい 」
?「 はぁッ……寂しいんですかッ…? 」
zm「 ッ?!……え、なんで… 」
zm「 em、さん…? 」
em「 はい、emですよ 」
em「 …zmさんの苦しみをすぐに理解することは難しいですが、寄り添うことは私にも出来るので… 」
em「 ……貴方の悩みだけでも、私に分けてもらえませんか? 」
……話したら、何か分かるのかもしれない。
そう思った俺は馬鹿なのか阿呆なのか、はたまた脳が溶けているだけなのか
zm「 …わかった 」
emさんには(一応先輩の立場やから)あんま頼りたくはないんやけども
今回だけは、すまんけど頼らせてもらうわ