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5 - 酒は飲んでも呑まれるな!/krsm

♥

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2024年04月05日

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*友情出演br

*krsm


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僕は今とっても困っています。

sm「だってさぁ、きりやんがあんなこと言うんだもん。」

レアキャラ、酔いに酔った酔っ払いのスマイル。

今日はスマイルから誘われサシ飲み。近くの居酒屋で2人で飲んでいる。

お互いに酒は滅法強いって訳でもないから、少しづつセーブしながら飲んでいたはずなんだけども…。

普段ならば自分のキャパを知って、しっかりと自制する彼が許容量を超えたアルコールを摂取してベロンベロンに酔った成れの果て。

いつもとは違う彼は饒舌で、呂律の回らない、おぼつかない口ぶりながらも、_恋人@きりやん_との惚気話を持ちかける。

sm「…愛情表現なんて、どうすればいいの?」

どうやら彼が悩んでいるのは積極的に愛情表現が出来ないこと。「スマイルの反応が冷たい。」と電話で話しているのを聞いてしまったようで。神妙そうな面持ちで、話していたもんだから、余計にスマイルも気にしているらしく…。

だけど、そんなことを非リアな僕に言われてもねぇ、って感じなんだけどさぁ…。

まあ、確かにスマイルはNakamuみたいに甘え上手でストレートに愛情表現するようなタイプでも、シャークんみたいに分かりやすく表情を変えるようなタイプじゃないからなぁ。

br「スマさん、飲みすぎじゃない?そろそろセーブしないと」

コップに入ったお酒を勢いよく飲み干すその姿は新鮮だった。喉仏を動かして、半ばヤケクソ

に豪快に飲むスマイル。寧ろ身体がアルコールでやられないのか不安に思う。

sm「酔ってないから。今真剣に悩んでるの。」

話題を逸らそうとしてもこんな感じだから拉致があかない。

普段相談事をあまり持ち込んでこないスマイルの様子を見るにこれは相当焦っている模様。

でも、これはスマイルの人選ミスでもあると思う。僕よりもNakamuら辺だったら上手な解決方法とか一緒に見つけられたんじゃないのか、そう心の隅で思っている自分がいる。

br「そう言われてもなぁ…僕には分かんないや。」

そう言うと酔って火照った頬と涙で潤みつつ

ある瞳でこちらを見る。その表情は助けを求めているようだった。

br「…じゃあ、1つだけアドバイス。…多分ね、きりやんそこまで気にしてないと思うよ。」

あんな顔をするもんだから、割り込みたくなかったけど、気休めとしてアドバイスすることにした。

sm「なんで?」

いきなりこんなこと言われても証拠がないから分からない、と言わんばかりに彼は疑問を浮かべた。

br「んー、詳しくは言えないや…。それに、本人から聞いた方が良くない?」

こう見えても、僕にも僕なあの事情ってもんがあるんだよね。

それに僕からスマイルに伝えてしまうよりも本人同士が納得すれば円満解決になるんじゃない?そう思ってわざとはぐらかす。

sm「愛情表現が上手くできないって本人に言えばいいってこと?」

僕は同意してうん。と首を縦に軽く振って頷く。

それに対してスマイル

sm「絶対無理だって…。それ言えたら苦労してないって。」

はぁ、と格段に大きなため息を吐いては俯いて、世界の終わりみたいな、暗く、深刻な表情を浮かべている。

僕だけじゃ解決できないやつだこれ、と本能が悟った。

そんな所に、小さな居酒屋に新たなお客さんが入店する。もう夜が更けているこんな遅い

時間。パーカーにジーンズというラフな格好。そして眼鏡をかけたその人は見覚えのある人だった。

救世主は遅れてやってくる、その事実に深く安堵した。

勿論、スマイルは入口に背を向けて座っているので、その救世主の存在に気づいておらず、口を開いたまま、言葉を紡ぐ。

sm「…じゃあ、色仕掛けでもしろと?」

その言葉を聞いたとき、僕と救世主はびっくりして食べている手と動かしている足を止めて互いを見合った。

それを不思議に思ったスマイルはこてんと首を傾げる。

暫し無言で静かな時間が3人の空間に流れた後、救世主が声を上げる。

kr「スマイルの色仕掛けかぁ…ちょっと楽しみかも。」

sm「へ?」

この場の状況を飲み込めないスマイルは僕ときりやんを交互に見て理解しようとする。

br「…あ、ごめん。さっき連絡入れちゃった」

悪気はなかった。スマイルが酔い始めて、絡み酒が面倒くさくなってきた頃、きりやんに迎えに来てもらうよう連絡した。およそ30分程前に。

連絡を入れれば直ぐに「ごめん、迎え行く」と返信が来た。

まあ、なんともカップルの間に板挟みされる僕の気持ちになって欲しいものだよ。

kr「どんな話してたの?すごく気になるんだけど。」

にやにやと三日月のように口角を吊り上げたその笑み。いかにも満足感、幸福感に満ち満ちた顔立ちだった。

sm「いやだ!…きりやん帰ってよ…。」

駄々をこねる子供みたいな口ぶり。きりやんに悩みごとがバレたのが恥ずかしいのか、顔を真っ赤にして抵抗する。

kr「酷いなぁ。迎えに来てあげたのに。こんなに酔っ払って1人で帰れるの?」

sm「別にきりやんの助けなくたって帰れるしっ。」

舌使いも判断力も霧がかったみたいに不安定。絶対に1人では帰れないぐらい酔いが回っている。

kr「ぶるーくにも迷惑かけているって自覚している?」

sm「…っ、迷惑かけてねーし。」

2人の視線が一気にこちらを向く。逃げ場がなくった。恐る恐る重たい口を開いた。

br「…えっと、話聞くのは面白いけど、酔っぱらいの面倒はもういい…かな。」

他のメンツに面白い話のネタとして話せるけれども、酔っ払いの面倒はもう懲り懲り。

酒の場でいつも面倒を見る側に回るきんときの気持ちが少し分かった気がした。

kr「ほら、ぶるーくもそう言ってるじゃん」

sm「やだ。まだ飲む。」

「はいはい、暴れないの」と腕を握って引っ張る。それでもじたばたと暴れるから子供をあやす母親のように彼を抱きしめて宥める。

そしてカバンから財布を取り出して諭吉1枚こちらに手渡す。

kr「これで足りなかったら教えて。」

br「全然足りるよ。お釣りはまた今度返すね。」

その言葉を最後に彼らは店を後にした。

嵐が1つ過ぎ去ったような、とても忙しさを短時間で感じた。

1人になってまた飲み直す。スマイルが帰ったことによって、なんだか疲れが体全身を覆いかぶさった感覚に陥った。

***

もう夜は更けきって、都会の星一つない空の元2人で歩く。繁華街から外れた場末にあったあの隠れた名店から歩いて数十分。

辺りには人はいなくて、ここには俺らしかいない、そう思わせるぐらい静かだった。

店を出てからここまで言葉は交わさなかった、というより交わしたくなかった。

先程に比べて酔いが覚めて来て、冷静に考える事が徐々に可能に。

ずっと握られている腕に強い力が加わって少し痛い。

そんな静寂な空気を壊すかのように隣にいる彼が口を開く。

kr「なに不貞腐れた顔してんだよ。」

口を数字の三のように尖らせて、いかにも不機嫌で不服そうな表情を浮かべている。

sm「だって…だってさぁ、聞かれるとは思わないじゃん。」

思い出しただけでまた恥ずかしくなる。よりによって聞かれたくないことを1番聞いて欲しくない人に聞かれてしまう。こんなにも恥ずかしいことは他に見つからないだろう。

kr「…あー、色仕掛けのこと?」

sm「それも、だけど。…きりやん悩んでるんでしょ?」

ずっと悩んでいたことは俺が愛情表現が上手くできないこと。それをきりやんが気にしているってのが1番の悩みの種。

kr「悩み事なんてないけどなぁ……もしかして聞いてた?」

sm「うん。…愛情表現が下手できりやんが冷めているって話。」

電話で別の人に話しているのを見た時、ショックで固まってしまった。そこから何も考えられなくなって、でも解決はしたくて。それで1番暇そうなブルークに連絡して話を聞いてもらって、今に至る。

直接言うんじゃなくて、他の人に相談していたことが何よりも辛かった。信頼されてないのかな、って不安に思ったりもした。

kr「…なんのこと?…そんなことで悩んでないけど。」

sm「え?…でも、話してなかった?」

kr「あー、勘違いじゃない?続きがあって…」

****

【以下回想】

kr「今、暇?」

暇そうなBroooockに電話をかける。特別、緊急の連絡では無いけど誰かに聞いて欲しいと思って連絡をした。

br「いいよー!どうした?」

ノリがよく、快く承諾してくれたので、そのまま言葉を紡いだ。

kr「スマイルの反応が冷たくてさ…」

br「あー、なんか想像つくわ」

Broooockは続けて「それにスマイルって、自分から愛情表現しなさそー」とか解像度高めの一言を付け足す。見られているのか不安になるぐらい。

kr「でもね、アイツ素っ気ないんだけど、可愛いところもあって───」

スマイルのことになると、話し出すと止まらない。この間きんときとかシャークんとかにも聞いてもらった時と同じように。

br「(…あれこれがもしかして長時間続くと言うシャークん、きんときのお墨付きの噂のアレ?)」

というのが、真相でスマイルが聞いていたのはほんの1部で勘違いをしていたのだ。

****

sm「はぁ?なんだよ。ぶるーく知っていたのかよ…。」

kr「板挟みにされているぶるーくも可哀想だな。」

嫌だと言わずに付き合ってくれた彼。更にあの場で一番の功績を残したBroooockには後日なんか奢ってやらないと可哀想だ。

sm「え?じゃあ俺の早とちりってこと…?」

kr「そういうこと。」

sm「なんだよ…。紛らわしいって。」

まあこれで、一件落着なのか?解決したにはしたから問題ないか。

全てが終わったことに、安堵感を覚え、はぁ、とため息をこぼす。

kr「ごめんって、でもスマイルがこんなこと相談するなんて意外だな。」

sm「なに?気にしないとでも思っていた?」

kr「んー。まぁ、そうかな。」

sm「別に俺だってそれぐらい気にするし。」

人に興味が無さそうな人、恋愛に興味が無さそうな人とも言われることは少なくないが、興味の持つ人はいるし、独占したいっていう気持ちも少なからずはある。

kr「…へぇ。色仕掛けしようと思うぐらいね?」

にやにや、と口端を上げて満面の笑みを浮かべてこちらを見つめる。

そしてまた酒の回った勢いで言った言葉に恥じる。

sm「もう忘れてって、それ!」

暫くはこのネタできりやんにいじられることとなっただとか。

br「っていうなんとも人騒がせのカップルの話があったんすよね〜」

今日は皆で撮影なんだが、僕からNakamu、シャークん、きんときに早めに集まれないか?と連絡し、撮影開始の30分程前に集合してもらった。

そして、実際に起こったこの話を初めから最後まで伝えた。

当事者じゃないけど大変そうだってのは伝わった。なんとも言えないけどとりあえず解決して良かったなと実感する。

口下手ですれ違いの多いあの二人のことだから、尚更。

kn「長時間惚気話付き合わされるとか?普通にあったなぁ。」

次に口を開いたのはきんとき。彼も僕と同じく彼らの犠牲に。きりやんに惚気話を聞かされた最初の犠牲者。何やら神妙そうな面持ちで話してくるもんだから、つい話を聞いたら相談ではなく、惚気でしたというオチ。無に帰すような顔で聞いていただとか。

shk「あったね、確かに。きりやんずーっと喋ってたわ。」

第2の被害者シャークん。きりやんとサシでゲーム中にずっと惚気話を聞かされただとか。きんときが聞かされた内容とほぼ同じ。2~3時間に及ぶその時間は本当に長く感じたと言っていた。

もうあれは懲り懲りだ、と皆口を揃えて言う中に1人、

nk「え?待って俺は何にも知らんのだけど?」

シャークんやきんときのようにきりやんから惚気話を永遠と聞かされた訳でも無く、

僕のようにきりやん、スマイルから板挟みにされた訳でも無く、純粋に何も知らない人が1人。

「いいな、混ざりたかったな」とこちらの苦労を何も知らずに呟く彼に対して、皆で口を揃えて言った言葉は

「「「知らないのが一番/だろ/だよ」」」

そんなお騒がせカップルと巻き込まれたその周りの人とのお話。

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