テラーノベル
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ヘアメイクを終え、スタイリストさんと衣装の相談をしていると元貴が顔を出した。
「あれ〜おはよう。早いね?」
今日も入り時間はおれが一番、次に若井、元貴は最後だったはずだ。
「うん、ちょっとね。衣装もう決めた?」
「ううん、まだだよ〜。何かイメージある?」
今回のテーマカラーは黒で、カッチリしたジャケットがたくさん用意されていた。
ハンガーラックにかかった衣装たちをいくつか見た元貴がうーん、と呟く。
「ノーカラーがいいと思ったけど、どう思う?」
「うん、好きだよノーカラー」
スタイリストさんも頷いて同意してくれる。
「そうですね、大森さんと若井さんはテーラードになると思うので、藤澤さんはノーカラーで少し柔らかな印象にするのはとてもバランスが良いと思います」
「じゃあノーカラーの中で選ぶね〜」
俺はそう言うと、ノーカラーのジャケットを両手に取って鏡の前で体に当ててみる。 たくさん用意してもらっているから、ノーカラーだけでもけっこうある。どれがいいか悩むなぁ。
元貴は満足げに頷いた後、俺から離れてスタイリストさんに何か伝える。途端にスタイリストさんの目が輝き、どこかに姿を消した。
「りょうちゃん」
「ん?」
呼びかけられて振り向くと、いつの間にか至近距離にいた元貴にチュッと口づけられる。
「!!ちょっと、元貴…!」
「誰もいないから大丈夫だって。…ちょっとさ、可愛すぎ」
もう一度顔を寄せてくる元貴を全力で押し返す。
「いつ誰が来るか分かんないから!!」
褒めてくれるのは嬉しいけど…とモゴモゴ付け足すと、元貴がふっと優しく笑う。
「撮影楽しみだね」
手のひらで頰をするりと撫でられる。
そのままひらりと手を振って、元貴は部屋を出て行った。
すぐ後にスタイリストさんが戻って来た。いくつか気になったジャケットを羽織り、話し合いながら最終的にVラインがスッキリとしたロングジャケットを選んだ。 今回はノーアクセサリーでシンプルにいくから、襟元に工夫があって気に入っている。
そのうち若井もやって来て、衣装合わせを見学する。若井はほんと大人っぽくなったよねぇ。なんて言うと、涼ちゃん親戚のおじさんみたい!って。ひどい。
元貴もすぐに合流し、彼は一発で衣装を決めていた。いつもイメージがはっきりしてるから早いんだよね。
元貴はメイクで印象がかなり変わるけど、今日は男性的で大人っぽい感じだ。うっかり見惚れていると、こちらを振り返った元貴と目が合う。やば、見てたのバレたよね。 ちょっと恥ずかしい。
にっこりと笑った元貴がこちらにやって来る。
「涼ちゃんには最後の仕上げがあるんだよ」
見ると、手に細くてふんわりとした白いスカーフを持っている。 それを俺の首にかけると、器用にリボン結びにしてくれた。
満足げに目を細めた元貴が俺の耳元に顔を寄せて囁く。
「赤い蝶ネクタイはちょっとイメージに合わなかったから、これで我慢する」
「!!!????」
俺の顔に一気に熱が集まったのを感じる。
それはまさか、こないだの誕生日プレゼントのこと………!?こんなところで何言ってんの!!!!とはさすがに声に出せず、口をパクパクする。
楽しそうな表情を隠さない元貴は、おれが怒り出す前にすっと離れてスタジオに向かって行った。
………もう!!!
撮影でも元貴はおれにすごく近いポーズばかりとった。でもそれがカメラマンさんやスタッフさんにもウケが良くてみんな褒めてくれるから、そのうちおれもちょっと満更でもない気分になっちゃったんだよね。
最終的に元貴が選んだ1枚は、色っぽい元貴と幸せそうな笑顔のおれ、いつも通りイケメンの若井。首に巻かれたリボンがどうしても ちょっと恥ずかしいけど、素敵な写真だった。
後日2人になった時、若井に「涼ちゃんと元貴、なんかあった…?」と聞かれた話は、また別の機会に………。
新しいアー写に正気を保てなくなっています。
最高ですか?
はい、最高です。
公式様、本当にありがとうございます……!!
(五体投地)
りょつぱの続きを書くテンションで無くなりもりょきの緊急投入、失礼いたしました🥺
※夏を揺らすもの、PRESENTと同じ世界線のお話しでした(後出しですみません)
コメント
11件
初めまして。 あのアー写の🎀、もう最高でした💕 早速素敵なお話書いてくださってありがとうございます😊 あのジャケットもどうなってんだか? ですよね。 ボタンの位置とか、もう、またここに来てフェミニン⁉︎🫠っていう…お袖に絡ませた☝️とかも🫠🫠 お話のおかげでますます妄想が広がります。ありがとうございました。
五体投地に激しく同意です🤭❣️ 首に🎀で、私は妄想族になりました🤤笑 このお話でさらにアー写、楽しめます💕 いつも、素敵なお話、ありがとうございます✨
コメント失礼致します。 新アー写、あかんですよね、なんでリボン結び? ってなりますよね、なんでそんな寄り添ってんのってなりますよね、分かります。ありがとうございます。 素敵なお話で脳が満たされました……ご馳走様です☺️✨