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【第1話】「とある道場と普通の高校生」
昭和の時代、港町・本牧に剣豪の出雲武命(たける)が武術道場『極鋭館』を立ち上げ、苦労を重ねて息子の狛(こま)へと引き継がせる。それから数年後、この物語の主人公である匠(たくみ)が誕生する。
出雲家は代々「出雲無双流」の伝統を守り続けてきた。現館長である狛はその流儀の一つ「出雲流神速剣」の使い手であり、息子の匠もその圧倒的な剣技を受け継いでいた。
幼少期から鍛錬に励んだ匠は、全国大会を連覇するほどの卓越した腕前を持つまでに成長する。
その後、高校進学を控えた匠は、狛から武芸の強豪校である「鬼龍高校」への進学を勧められる。しかし、自由な学生生活を望む匠はそれを拒否。進学しない条件として、狛から「鬼龍よりもさらに偏差値の高いエリート校へ合格すること」を突きつけられてしまう。
だが、匠は持ち前の努力で見事に難関を突破し、超エリート高校である「水蘭高校」へと合格を果たすのだった。
一方、同じ道場で共に剣の鍛錬を積んできた幼馴染の八雲華奈は、匠とは別の白郷高校へと進学していた。
ある日の学校の帰り道。その類稀なる美貌ゆえに、数多くの男子生徒から告白のチャンスを虎視眈々と狙われていた華奈。そこへ、容姿端麗・高身長・文武両道を地で行く匠が迎えに現れたことで、周囲からは完全に「彼氏」だと誤認されてしまう。結果として匠は、恋い焦がれる男子生徒たちから、八つ当たり同然の激しい嫉妬と恨みを買う羽目になるのだった。
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【第2話】「匠」
翌日、高校のオリエンテーションが終わり、匠は母親の顔を立てるため、剣道を選ぶ。入部の際に一悶着あり入部を条件に一本の《《槍》》をもらう。先輩部員が手を焼いていた槍は、匠が持つと何ら問題なく振り回せた。
昨日と同じように華奈と帰り、彼女は当たり前のように匠の部屋へと上がり込む。
巧みに対して特別な感情を持つ華奈は、言葉の節々にその想いを溶け込ます。彼女が自分の気持ちに気がついたのは、とある事件が境だった。
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【第3話】「華奈」
幼い頃、幼馴染の出雲匠(たくみ)が剣道に打ち込む姿に心奪われ、自らも剣の道を歩み始めた八雲華奈(かな)。二人は家族同然の絆で結ばれ、中学時代までは異性を意識することのない「脳筋」な兄妹のようなライバル関係を築いていた。
しかし、高校受験を控えた時期から二人の関係に変化が訪れる。進学校を目指す匠と、剣道のために別の高校へ進む華奈。進路が分かれる寂しさを抱える中、夏の横浜開港祭の夜、浴衣姿で一人になった華奈はガラの悪い男たちに絡まれてしまう。
絶体絶命のピンチに駆けつけ、圧倒的な気迫で男たちを退けたのは匠だった。彼に抱きしめられ、窮地を救われたその日を境に、華奈の胸には安堵だけではない小さな「恋心の棘」が芽生える。
中学を卒業したある夜、華奈は匠の部屋へ突如「お泊まり」を強行する。自分の本当の気持ちを確かめようと布団に潜り込む華奈と、至近距離の彼女の体温に理性を必死で抑える匠。長年築いてきた「幼馴染」の境界線が、静かに崩れ始めようとしていた。
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【第4話】「届かない心の距離」
前夜から匠の部屋に泊まり込んだ八雲華奈。
甘い夢から目覚めた彼女は、密かに抱き続ける「ファーストキスの秘密」を心の中で反芻しながら、自身の成長を盾に匠をからかって朝から彼を大慌てさせる。
しかし、二人の甘いお泊まりの代償はすぐに訪れた。道場に向かった匠を待ち受けていたのは、緩んだ精神を鍛え上げようとする狛の姿だった。容赦のない居合の猛特訓(報復)を受け、痣だらけになった匠は、華奈や母、強い姉たちに囲まれた賑やかな朝食の席でも完全に多勢に無勢となり、早々に自室へと退散する。
その後、匠の部屋で愛莉から譲り受けた「禍々しい槍」の手入れを共同作業で始める二人。しかし、匠が刃に打粉をコンコンと叩いた瞬間、脳内に少女の悲鳴のような謎の声が響き渡る。異変を察した二人は、お祓いをしてもらうため本牧神社へと全力で駆け出す。
一方、当の槍の内部(漆黒の異空間)では、打粉の衝撃を「感じるところを突かれた」と大騒ぎするメアリーと、それに呆れるアングィスによる、外界の緊迫感とは裏腹なコミカルで緊張感のない会話が繰り広げられていた。。
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【第5話】打粉が暴いた、槍の秘密。
今朝のハプニングを引きずる匠は、華奈の手を握る照れ隠しに槍を両手で大事そうに抱えて神社へ猛ダッシュ。対する華奈は、いざとなったら槍を物理破壊する気満々の「脳筋姫騎士」っぷりを発揮。
神社に滑り込んだ匠は、神主の許可を待たずに槍を燃え盛るお焚き上げの炎へと力任せに投げ入れる。あまりの熱風を嫌がったアングィスとメアリーが少しだけ力を使ったことで、槍は燃えることなく忽然と姿を消し、お祓いは成功したかに見えた。
安堵して極鋭館へ戻る二人。しかし、華奈と匠の背中には青白い銀鱗の破片が密かに張り付いていた。
一方、放課後の部室には消えたはずの槍が戻っており、部長の愛莉は槍に記憶を奪われ、恐怖の対象すら忘れて立ち尽くすのだった。
コメント
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あおいです🌷 第6話、一気にここまでの流れを整理できて助かりました!特に華奈の恋心が開港祭の夜に芽生えたエピソード、浴衣姿の彼女を匠が救うシーンがすごく印象的でした。幼馴染から少しずつ距離が変わっていく感じ、じわじワきますね。槍に宿った存在たちのコミカルな掛け合いも好きです。この先、華奈の想いがどう動くのか、とても気になります!