あの、、
いきなりで申し訳ないんですが…、、
落ちの付け方を教えて下さい?!
もうなんか見返してると落ちが酷いなっていつも思うんです!!ほんとすみません…
あと、お前小説も投稿しねーでそんなこと考えてたのか、という問いは無いと願いたいが多々あるでしょう!ていうか多々あると願いたい、、←(どっちだよ馬鹿が)そのことに関しましては本当にプライベートが忙し過ぎまして…、、少し前になるんですがこの僕、瓜時なんと急にぶっ倒れて救急送りになりましてwそして病院で一日入院。過労だそうですwまだ高校じゃオラー!!と思いながらも家に帰り、月曜、学校、なんかだるいなーと思いつつ七時間。小説を書いたり、歌ったりしていると頭が痛く、無駄に気持ち悪い。体温計で測ると無事8℃の熱。火曜日。声が出ない。水曜日。微熱。木曜日。学校行ったが早退。金曜日。キッチンを壊す。土曜日。今って感じですw
本当にすみませんー!!
でも順調に書き進めてます✨
てことで謝罪で終わらす訳にはいかないので完全に僕がプライベートで書いているBLナッシングな珍しいほのぼの系小説を上げたいと思います。公式様の言い回し丸パクリなのは見逃して欲しいです。普通にすみません。プライベート小説なんで許して下さいw
ってことでいってらっしゃい!!
完全攻略3秒前。
統一名探偵組織ネスト。
20XX年。〝犯罪都市〟
TOKYO CITY。
3000万の人が住む巨大都市はいつしか、そう呼ばれていた。
人口に従って急増する犯罪に警察権力が対処しきれず、検挙率が急落。
治安は大いに乱れた。
この問題を解決する為に設立されたのが。
《統一名探偵組織》______ネスト。
その組織に100の名探偵あり。
100の名探偵はレコード、序列を争う。
一番の頭脳を決める為に。
記録者。名探偵。記録者。
この三人で構成される内部組織をハウスと呼び、この場所こそが名探偵の基地となる。
問われる資格は頭脳だけ。
人格、経歴、一切不問。
欠陥だらけの名探偵を支えるのは、
たった二人の記録者。
問われる資質は相性だけ。
能力、性格、一切不問。
――
その代表格。
――
序列二十一位。ホークアイズ。
異能【千里眼】名探偵・司波 仁。
記録者・物怪 瑠衣。
記録者・枯柳 杖道。
――
序列十七位。スワロウテイル。
異能【記憶】名探偵・恵美 まどか。
記録者・踏分 誠一
記録者・神柴 健三。
――
序列五十位。ナイトアウル。
異能【読心】名探偵・皇 千ト。
記録者・星喰 左手。
記録者・星喰 右手。
――
序列百位。アグリーダック。
異能【捜査】名探偵・天命 大地。
記録者・霧 縦人
記録者・塔 翠。
――
序列九位。クラウンクレイン。
異能【知識】名探偵・花散 光士郎。
記録者・紫陽花 権兵衛。
記録者・八重桜 純
――
名探偵と記録者達は今日も新たな謎を解く_____訳では無い。
これは名探偵と記録者達の有り触れた日常。
――
プロローグ
――
色褪せてしまうもの。
それは欠陥だらけな人間には付き物だ。
色褪せてしまうもの。
それは瞳だ。記憶だ。読解力だ。探究心だ。知識だ。
歳と共に人間はどうしたって色褪せる。
始まりとは終わりである。
いつかは来てしまう終わりへと足を運ぶだけなのだから。
歳と共にその事に気付いていく筈なのだ。
しかし、人間とは不思議なものである。
気付きを得るのに歳等関係無い者達も居るのだから。
独りの少年は気が付いていた。その事に。
全てに。
皆の期待は少年の肩で膨らむばかりである。
その事に少年の朋友は気が付いていた。
少年にもいつか来てしまう。
朋友にもいつか来てしまう。
けれども終わりがあるならまた始まりがある。
また始まる時はこの二人とまた共に歩みたい。
そんな淡い希望を少年は自身の肩で膨らませるばかりである。
大きな羽は、守るべきものを包み込むために。
鋭い爪はそれを侵すものを切り裂くために。
――
𝙸𝙽.ホークアイズ事務所。
――
それはいつも通りの尊い日常。
瑠衣「あぁあぁああ!!!!」
茶髪で長髪な少年、瑠衣は朝早くから突然声を上げた。その姿を見ていた青髪の美青年、仁が呆れた目で瑠衣を見る。仁は一つ溜め息を付き、瑠衣にぼやきを言った。
仁「なんだ。うるせぇな。」
瑠衣「んだとぉって、確かにそうか…」
瑠衣は一度は突っかかったものの、直ぐに自分の非を認めた。こういう自分の非を迷わず認められる所が彼の良い所と呼べるのであろう。
杖道「なにかあったのか?」
厳つい風格のサングラスの男、杖道が瑠衣に問う。すると瑠衣は気を取り直した様に「そうなんだよっ!」と一言言い、言葉を続けた。
瑠衣「こないだ海言ったろ?ほら、珍しくネストが休暇くれた日。」
仁「そう言えばそんな時もあったな。」
ドーナツを食べながら話を聞く杖道、そして新聞を読みながら聞き流している様でしっかりと聞いている仁を横目に瑠衣は話を続けた。
瑠衣「そんでさ、ナイトアウルとスワロウテイルに会ったろ?その時にスワロウテイルの記録者の踏分 誠一とナイトアウルの名探偵の皇 千トの仲が縮まったみたいでさ。で、踏分 誠一が皇 千トを食事に誘ったんだと、んでさ。踏分 誠一が皇 千トを誘ってる途中に俺が出くわしてよ。良かったら俺もどうだって誘われてんだよ。なんも準備してねぇよぉお!」
瑠衣は饒舌にそれを二人に伝える。仁は「ふぅ…」と息を吐くと喋りだした。
仁「別に準備なんて要らねぇだろ。」
そう言うと瑠衣は「そうじゃなくて…」と少し気まずそうにして指を弄り始めた。
杖道「どうしたんだ?瑠衣。」
焦らす瑠衣を杖道は優しく問い質す。
すると瑠衣は少し下に向けていた顔を上に向け、上目遣い気味に仁と杖道に向かって喋る。
瑠衣「いやな…?杖道と仁も良ければって……」
仁は驚いた様に目を見開いたが直ぐに先程までの仏頂面に戻る。杖道は顎に手を当て考えており、騒がしかった事務所の面影は一瞬無くなる。しかし、数秒かした後に杖道が仁に優しい笑みを浮かべ、言った。
杖道「いいんじゃないか?」
仁はまた少し驚いた様にしていたが一瞬にして戻る。いつもの元気な瑠衣はどこへやら、瑠衣は少し困った様な気まずそうな、そんな雰囲気を纏っており仁をちらちら見ては目を逸らしていた。
仁「経験の差…か。」
そう呟くと仁は「ふっ」と笑った。
仁「行こう。準備をするぞ。」
先程まで他人事だった話題だったものの、自分にも関連してくるとあれば話は違う。
仁(だが…スワロウテイルとナイトアウルか……)
それだけを仁は不可解に思っていた。
あそこの名探偵達は特に癖が強く、とてもでは無いが食事を誘うなど、ましてや、その招待を受けるなど、以ての外であるが故である。
仁「これは闇がありそうだな…」
ナイトアウルの記録者達には闇がある。
その闇の深さを千里眼、司波 仁は見抜いていた。
――
知識というものを身に付けるのにどれ程の時を費やすだろうか。
知識を完全に身に付けるなど不可能な事を青年は知っていた。
であれば、完全とは何か、理想とは何か。
完全も理想も朽ち無き。
だが人々は何も知らない。
ただ夢と理想だけを追いかけるその惨めな姿。
青年は惨めな人々の後ろ姿を静かに眺めていた。
青年は理想を追い求め、たった一人至った。
完全の、理想に。
であれば不完全とは何か、現実とは何か。
ただ不完全と現実だけを追いかけるその醜い姿。
人々は醜い青年の後ろ姿を見もしない。
人々は天才を追い求め、その数人が天才だと言われた。
不完全な、現実で。
青年は天才へと縋る人々を見もしない。
天才には天才の義務があり、
凡人には凡人の義務がある。
凡人には凡人の儚さがあり、
天才には天才の美しさがある。
青年はその知識だけはまだ知らない。
エレガント&クール。
王冠は、純白の羽の持ち主にこそ相応しい。
――
𝙸𝙽.クラウンクレイン事務所。
――
雀の鳴き声が聴き取れる。
PM.9:6
いつも通りと言うべきだろうか。事務所は騒がしい。
権兵衛「だからこうだと…」
光士郎「黙れ。俺が正しいのだ。」
その尊い光景を桃色髪の優男、純は眺めていた。
純の瞳に映るのは少し主張が激しい金髪の男、光士郎と、青髪の真面目そうな眼鏡の男、権兵衛が朝から喧嘩をしている姿であった。
光士郎「なんだと?」
権兵衛「なんとでも。」
今日も仲良く喧嘩をしている二人を見るなり、純は苦笑いをしながら珈琲を口へ運んだ。
純「まぁまぁ、二人共、一旦落ち着いたら?」
「珈琲でもどう?」そう二人に促す様に珈琲の入ったカップを少し前に差し出して二人に見せ付ける。察した二人は一瞬沈黙するが権兵衛は溜め息を吐いた後、くるっと純の方を向き、誘いを断った。
権兵衛「八重、誘いは有難いが今は…」
「少し辞めておく。」そう言い切る前に光士郎は後ろから権兵衛の肩を軽く叩く。権兵衛は再び光士郎の方を向く。すると光士郎は口を開けた。
光士郎「珈琲に含まれる抗酸化物質、特にポリフェノールは、癌や肝臓病のリスクを低減するなどのメリットに関連しているのだ。珈琲は体に良く、抗酸化物質が豊富な事から病予防に役立つ。また、クロロゲン酸やフェルラ酸など抗酸化物質を含むヒドロ桂皮酸も豊富だと、かのグラスマンは語っている。それにストレス軽減、利尿作用、運動能力向上などの効果が期待出来る。飲んで損がある場合は過剰摂取だけで……」
権兵衛「ストレスの原因には言われたくないな。」
光士郎「なんだと?」
長い珈琲豆知識の披露の途中、権兵衛が本音を漏らす。
光士郎はそれがよっぽど気に入らなかったのか説明を中断し、権兵衛の言葉に反応した。
これはまた喧嘩が始まる予感がするな。本能的にそう感じた純もまた溜め息を吐いた。
光士郎「何を言うか。この俺が貴様等の為に有難い話をしている途中で…」
権兵衛「全く、お前は何時までもお子ちゃまだな。」
純「こらこら権兵衛、煽らないんだよ。光士郎だってお前の事を心配しているんだから。」
純の言い分は最もであるが光士郎、本人にはその自覚が無い為、光士郎は純に「此奴は一体何をほざいているのか。」という珍妙な視線を送った。
そして権兵衛もまた純に「何を言っているのだ。」という視線を送る。
純はそれを見てやれやれという素振りをわざとしてみせた。光士郎と権兵衛の視線は暫く、純の方へ向き、喧嘩は収まったものの、この後すぐ光士郎が事務所を抜け出し、純と権兵衛に捜されるのはまた別の話である。
――
記憶というものを永遠に保存するにはどうすれば良いのだろうか。
記憶というものを完全に消去するにはどうすれば良いのだろうか。
そんなことは不可能に過ぎない。
少なくとも消去の事例は無い。
超記憶症候群。
一度でも起こった出来事を詳細に記憶する障害。
この障害を羨む人々は多く居るであろう。
だがこれが障害と言われるのは何故か。
忘却の欠陥。嘆く事しか出来ないこの障害。
憶えていたい。忘れてしまいたい。
そんな記憶でさえも脳は永遠に記憶する。
この障害を羨む人々はそれを知る事があるだろうか。
少なくとも羨んでいる時点で無いであろう。
青年はその事を嫌という程に理解していた。
青年の脳には記憶される。
愉しかった出来事も哀しかった出来事も、青年は詳細に記憶する。
青年にはそんな気は無いというのに。
こんな憎たらしい障害を羨む人々が心底羨ましかった。
忘却という言葉が存在するのであれば己に適応されないのは何故か。
青年には分かっていた。
青年の願いが叶わぬ事も青年の諦めが叶わぬ事も。
今更は永遠に消去され続ける。
自分に問い続けよう。
これだから鏡は嫌いなのだ。
小さく美しいツバメは、多くの人に愛されるだろう。
例えその羽のうちに、何を秘めていたとしても。
――
𝙸𝙽.スワロウテイル事務所。
――
誠一「恵美ー!さっさと起きんかい!!」
まどか「んぅ…あと五分…………」
誠一「お前の五分は五時間の間違えやろ!!!!」
赤みがかった短髪のエプロンを付けている男、誠一が先程まで眠りについていた白髪の美少年、まどかの布団を剥ぐ。するとまどかは布団を取り返し、寝言をむにゃむにゃと誠一に投げた。
健三「誠一君。まどかさんの安眠の地に足を踏み入れないでください。穢らわしい。」
白髪に桃色へと階調された綺麗なセンター分けの優男、健三が誠一に少々激しい口調で言葉を投げた。誠一は動揺する事無く、健三の言葉に返す。
誠一「今日は来客が来るんや。なんに等の名探偵がこのザマじゃ見せるとこがないっちゅうもんやろ。」
まどか「えっ、誰か来るの?!」
誠一が健三の言葉に返し終わるとまどかは驚いた様に起き上がった。誠一は「せや。」と一言返すだけだったがまどかは酷く動揺した。
まどか「やだやだやだ!!僕の事務所だぞ?!なのになんで来客が来る予定になってるのさ!僕は知らないぞ?!ていうか誰が来るんだよ!!」
まどかは早口気味に誠一に問いかけると誠一は心地良い関西弁で喋り出す。
誠一「ナイトアウルと多分やけどホークアイズも来てくれるんとちゃうんかな。」
まどか「……は?!」
再び声を荒らげるまどか。
その姿を見て誠一は溜め息を吐いた。
誠一「いっつもぐだぐだしとるんやから偶には人と会うて、話さな頭の回転も鈍んで。」
健三「元から鈍っている誠一君がまどかさんに何を偉そうに…」
誠一「余計な世話やわ!!」
健三が誠一に向かって再び刃物の様な言葉を投げる。すると誠一は先程無視した効果でか、今度は大きな声で健三に怒鳴った。
健三「五月蝿いですよ、誠一君。まどかさんのお耳に悪いでしょう。」
誠一「だいったいお前ら二人はなぁ?」
いつも通り誠一の説教が始まろうとしていたその時だ。ピンポーンとインターホンの音が鳴った。
誠一「なんや?もう来たんか。」
そう言う誠一を無視してインターホンは鳴り続ける。次第には扉を叩かれる始末である。
健三「来客では無い様ですね…」
まどか「……開けてあげて。」
まどかがそう言うと健三は「分かりました。」と返事をし、扉を開ける。するとそこには三人が良く知る人物が立っていた。
まどか「君は……」
光士郎「少し匿ってはくれないか?恵美まどか。」
クラウンクレイン、名探偵。花散 光士郎であった。
まどかは少し動揺したものの、直ぐに何があったか察し、光士郎を匿ってやった。
後に、権兵衛と純が光士郎を呼び、捜す声が聞こえたそうだが、流石に事務所には来なかった様で、光士郎は少し安心していた。この後、まどかが直ぐに光士郎に何があったか問い質すのだがそれもまた別の話である。
――
どうして人間は感情の起伏というものを完全に隠せないのだろうか。
喜怒哀楽を完全に隠せる生物など居ない。
なら、神が人間の欠如に気が付いたのは何時頃なのだろうか。
なぜ神は完璧な生物を産み出さず、人間等という醜く、恐ろしい生物を産み出したのだろうか。
分からない。青年にはどうしたって分からない。
人間は感情の起伏が隠せない。
だからこそ、人類は嘘を覚えた。
その弱点を補う為に。
人類は嘘で心を固める事により、自身を取り繕っている。
そんな有り触れた事に気が付いたのは何時頃だっただろうか。
青年は気が付いていた。
しかし、青年は気が付かぬふりをした。
青年もまた、嘘吐きなのだから。
嘘吐きでない人間は、この世に存在しない。
それは遠の昔に分かりきっていた。
ならばこの世を受け入れてみては?
とてもそんな事は出来ない。
人類は人類を敵に回す。
同族同士で噛み付き、殺し合い、血を流し、嘘を吐き、毒を吐く。
青年は気色が悪いと思った。反吐が出る。意味が分からない。対面する度、そんな感情が渦巻いた。
青年は決めた。
どうせ人を傷付けるのなら、人に依存してやろうと。
自分が弱いのであれば、そうしようと。
その依存先がどんなに極悪の地でも。
例え、自身が利用されていても。
青年はそれを離そうとはしないだろう。
神を信じない青年が信じたのはたった二人の極悪人。
そのハウスには闇がある。
双つの闇が、いずれ星を食い破るから。
――
𝙸𝙽.ナイトアウル事務所。
――
千ト「57…58……59………60…………?!」
千ト「う、うわぁあぁ!もう十二時間だ!!」
茶髪でショートの正しく、可愛い系という雰囲気の青年、千トは今日も騒がしい。
デジタル時計を眺めていたと思えば九時になった途端騒ぎ始めたのだ。
千ト「めめ、右手君ヤバいよ!!左手君がもう十二時間も帰って来ないよ!!」
右手「はぁ…いつものことでしょう。」
溜め息を吐きながら落ち着いた対応を見せる灰色髪のジト目の少々真面目そうな青年、右手がいつも通り、千トの相手をしていた。右手はディスプレイで何かをしている様だったが、画面では何か文字を書いているように見えた。ここ最近、事件は起きていない為、レコード関連では無いだろう。
千トは右手に飛び付き、自身の心情を一生懸命に説明する。
千ト「だだだ、だってぇ!今日は三人でご飯食べに行こうって言ってたのにぃ!!左手君も食べに行くって言ってくれてて、!それでねぇ!!」
千トが騒がしく右手に一生懸命、説明をしている途中、右手は千トの頭を撫でながら千トの説明を静かに聞く。
千ト「うわぁん!!左手君どこ行っちゃったのぉ」
泣きながら左手を訴える千トを右手は相変わらず溜め息を吐きながら慰める。
右手「左手ならもうすぐ帰ってきますから。」
千ト「うぇ…?ほんと?」
右手がそう言うと千トは先程まで泣いていたのが嘘だったかの様な笑顔になる。右手はその千トの姿を見て安心したのか胸を撫で下ろした。
がちゃ。
騒がしい事務所にそんな音が響く。
左手「たっだいまぁ。」
千ト「左手君!!」
灰色髪の右手そっくりな不真面目そうなジト目の男、左手である。千トは左手の名前を呼ぶなり右手から離れ、左手の近くに寄る。
左手「あ?どぉしたぁ?」
千ト「ゆ、左手君!帰ってくるのが遅いよぉっ!!あ、後!手洗い、嗽、除菌!!」
左手「はぁ?めんどくせぇ。」
千トは一瞬は素直に左手が帰ってきたのを嬉々としていたものの、我に帰ったかの様に左手に手洗い、嗽、除菌を促す。
左手「おっ、そうだっ。千トぉ、鉄棒で遊びまくった後の手だぞぉ!」
千ト「ぎゃあぁああ!!やめてよ!三時から五時までの間は不特定多数の子供が遊んでてどれほどの細菌がいるのか分かんないんだよ?!」
左手は千トに手を翳すと千トはビクつき、右手の場に逃げ出す。
右手「左手。やめなさい。」
左手「あぁ?めんどくせぇって。」
すると左手は煩わしそうにして千トを再び見るも、諦めた様に洗面台へ向かい、きちんと手洗い、嗽や、除菌をして来た。すると千トは満足そうに左手に飛び付き、今度は左手に支度を促す。
千ト「ゆ、左手君!支度して!!ご飯食べ行くから…!」
左手「あぁん?何処に?」
千ト「えぇっ!酷いっ!昨日食べに行くって言ってくれてたのにっ!!」
左手「ははっ!冗談だよ。」
左手は千トをいつも通りに揶揄う。
すると千トは「んもぅっ!」と頬を膨らました後、左手と右手の服の裾を掴み、「ほら!」と言わんばかりに二人の普段外へ出掛ける際、持って行くもの等を指さした。
すると右手は先程までディスプレイと睨めっこしていた顔を荷物へ向け、ディスプレイを閉じる。そして左手に「諦めなさい。」と一言声を掛けると右手は潔く準備をしだしたのだった。
左手「俺ら以外には誰が来んだよ?」
右手「分かりません。」
左手「はぁ?なんでだよ。」
右手「私も何も聞いていませんから。」
準備中、二人が会話している姿を千トは眺めていた。だが、数秒その場に留まると千ト自身も支度を始めるのだった。
三人が支度を終えると千トは話し出す。
千ト「ご、ごめんね。僕何も言ってなくて…」
右手「いつものことですから。」
千トが謝ると右手は溜め息も吐かず、千トの謝りに応える。左手は何も言わないが反対に溜め息を吐いた。
左手「そんで?何処行くんだよ。」
千ト「スワロウテイル事務所だよ。」
途端に空気が重くなる。
右手「…………」
左手「まぁ、弱み握れるかもしんねぇしなぁ。」
右手「行ってみる価値はありますかね…。」
千ト「踏分さんのご飯は美味しいからねっ!」
三人は事務所を後にした。
三人揃って歩く姿は外見は仲睦まじい兄弟の様であった。中身がどうであろうとすれ違う人々からはそう見えた。
――
諦めないこと。
それはどんな事よりも大事な事だ。
そんな事を知れたのは偉大なる父の背中を見てきたからこそだろう。
だがもう偉大なる父は居ない。
少年はいつか父の背中になる事を目指す。
それが使命だと感じたからだ。
しかし、どれ程の研鑽を積んでも難しい。
そんな壁を乗り越えるにはどうすれば良いのだろうか。
継続力。努力。頭脳。
この三つを同時にフル活用するにはどうしても越えられない壁がある。
ならば偉大なる父はどうしただろう。
父にもきっと壁があった筈だ。
だが少年にはいくら考えても分からなかった。
死人に口無し。その言葉を少年は知っていた。
ならばどうするのが最適解だろうか。
少年は最適解を理解していた。
だからこそ、もう失われた背中は見ないと決めた。
自分なりのやり方で、人々を救ってみせよう。
そう決めた。
失ったものはあまりにも大きかったけれど、
少年は前を向く。
少年には諦められない理由があるからだ。
仲間と共に、少年は今日も歩く。
例え挫けても。
明るい方向へ。
空を見上げて地を歩く。
登る他に
道はないのだから。
――
𝙸𝙽.アグリーダック事務所。
――
大地「どうしよう……」
黒髪の好少年、大地は顎に手を当て何かを悩んでいた。それを緑髪の前髪アップの少年、縦人はぼんやり眺めていた。桃色がかった赤髪の長髪な中性的な顔の男、翠もそれを眺める。
縦人「どないしたんや。朝から。」
大地「いや、今日何たべようかなぁって。」
それを聞いた縦人と翠は「そんなことで?」と言いたくなったが喉の奥にそれを押し込み、大地の話を聞いてやる。
大地「ほら、最近簡単なものばかり食べているだろ?だから偶には外食もいいのかなって。」
真剣な割には軽い問題だが縦人は「そうやなぁ。」と軽く言い淀む。「外食、確かにいいな。」そう思ってしまっては人事では無くなるからだ。
翠「中華屋はどうだ。」
不意に翠が提案を出す。
すると大地は「確かにいいかも…」と賛成気味になるが縦人が茶々を入れる。
縦人「俺、蕎麦とかのがええんやけど……」
そう言う縦人を横目に翠は「いや、」と続ける。
翠「今日は肌寒い。ラーメンで温まるべきだ。」
縦人「それトウさんが食べたいだけやろ。」
翠「そんな事は無い。」
大地は真剣に考えつつ、縦人と翠は言い争う。
一見して見れば地獄絵図に見えなくもないが、これはあくまでいつも通りの事務所である。
大地「あっ、一緒に作ります?」
不意に大地がそんな事を言った。
冗談では無く本気の様でもあった。
翠「…それは少し…………」
縦人「えぇやん。愉しそうやしな。」
大地「だよね。」
縦人と大地は利害一致した様だったが翠だけは反対している様であった。それもその筈、縦人も大地も料理が得意かと言われれば大の苦手と答える程である為である。翠も男料理程しか作れない為、ろくなアドバイスが出来ないのだ。
翠「辞めておかないか…?」
翠が二人に早まるなという意味を込めて言った言葉も二人の耳には通らずだった。
大地「何作る?」
縦人「俺、オムライス!」
大地「じゃあ俺カレー!」
仲睦まじく話しているが翠だけはそれをまるで丸めた紙でも見るかの様な瞳で見つめていた。
翠「そんなものが作れるのか?二人共。」
翠は二人にそう投げかけると二人はやっと翠の言葉を聞き入れた様で翠の方を向いた。
すると大地と縦人は少し考えた後、笑顔で首を横に二回程振った。それを翠は溜め息を着きながら見た。
翠「なら無理だろう。俺も諦めて縦人の言う蕎麦屋に行こう。だから諦め…」
大地「レシピ調べよう!ね?縦人。」
縦人「おう!せやな!!」
翠の諦めは何処へやら。
大地が縦人に指示を出すと縦人は潔くディスプレイを開く。そして手馴れた様にレシピを調べた。
大地「どう?!」
縦人「カレーは簡単そうやで!」
大地「翠さんも作れるもんね!」
翠「いや、俺は……」
カレーのレシピも知らぬのなら料理なんて作れっこない。そんな言葉を翠は飲み込んだ。
あんなキラついた瞳で見られてしまってはいくら翠であろうとも「そうだな。」と言うしかないのだ。
大地は恩人の人の息子であり、そして翠自身、大地を酷く尊敬している。今の感情はそういった感情では無いがやはり、恩人の子という事もあり、翠からして大地は自身の子と同じ様に大事なのだ。
最も、翠に自分の子は居ないのだが。
翠「仕方がないな。オムライスはまだしもカレーなら作ってやれるからな。作り方を教えてやる。」
この後の翠の選択が間違っていたかは神にしか分からない。ハプニングはあったものの、楽しかったという事実は消えない。だから、と言える程のものではないがこういう思い出も偶にはいいのではないだろうか。密かにそう思った翠であった。
――
今日も名探偵と記録者は仲睦まじい。
それなら明日はどうだろうか。
明日もきっと名探偵達は仲を深める。
何も無いこの日々がどれだけ愛おしいだろうか。
長い長い年月を生きるのに必要な事。
仲間と友情を深める事がどれだけ大事だろうか。
共に遊び、生き、時には喧嘩をする。
どんなに平和な世界でもそれは奇跡としか言いようが無い。
無理に仲良くなるより、喧嘩をする方が仲良くなれる。
そんな綺麗事を胸にして、今日も探偵達と記録者達は共にある。
きっといつかは消えてしまう命を共に燃やす。
灯火は自身の胸にある。
きっと、これからも共に歩む。
そう信じて生きるしか道は無いことを、皆知っている。だからこそ、この灯火は消えないのだ。
この玩具箱の様な日常を生きることに意味がある。きっとそうだと、信じて信じて信じぬき、やっと生きていると言えることを探偵達は記録者達は知っていた。
この場に存在している意味が分からなくとも、この場に存在している真実は消えない。
木樹の様に生きなければいけない。
きっとそうして生きていけばいつかは必ず報われる。
そう信じなければ耐えられない。
辛いことは、悲しいことは消えない。
抹消出来ることなど存在しない。
犯罪も、命も、記憶も、真実も。
生み出すことしか出来ない。
この世とは不思議である。
名探偵と記録者達は這いつくばって今日を生きる。
共に笑い合える仲間が居る限り。
――
犯罪都市・TOKYO CITY。
この街の治安は、
100人の「名探偵」によって守られている。
奇人・変人・悪人ばかりの名探偵と、
彼らを支える2人の記録者。
個性あふれる3人一組のチームで、
罪を暴き、謎を解く。
「最高の頭脳」の称号は、
ただ一組のための王冠。
罪にまみれたこの街で__天才たちの競演が
はじまる。
――
完全攻略3秒前。終
――
コメント
13件
え、、倒れた!?救急車!?入院!?大丈夫なんですか!?無理だけはしないでください!何かあったら私泣きます(இᾥஇ`。) ……え?キッチンぶっ壊すとは?笑笑
えぇ?!体調大丈夫ですか?😭 あまり無理しないでくださいね!!瓜時さんが健康でいることが1番大切なので……😌 今回のお話も各ハウスのわちゃわちゃが見れてとても美味しかったです〜!!,:('ω' ))ムシャア
クラウンクレインやアグリーダックは自己解釈です。すみませんඉ ̫ඉ僕としてはこうであって欲しいなというクラクレ、アグダクを書いてます。プライベート小説なんで許してくd(殴