テラーノベル
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いつもの世界から、段々と記憶が消えていく。
当たり前の世界から、わからなくなっていく。
その恐怖を味わったことのある人は少ない。
ましてや、自分が。
こんな事になるとは思ってもいなかった。
余命一年。
やりたいことなんて、今更なかった。
強いて言えば、あの人と話してみること。
それが叶って、本当に良かった。
叶ったのは10/16。
発症したのが6/16。
あの人のことを忘れなかったのは、同じクラスだったから。
初めて話したのは、同じ趣味のこと。
それから、アプリとかを通じてもっと仲良くなった。
話し合えるくらいに。
でも、その大切な思い出も、
病の所為で、消えていく。
そして、現在。
残り5日。
最近は殆どの事を忘れている。
人の名前から、色、場所まで。
1日一つは必ずわからなくなる。
発症した日から決めた事。
『他の誰にも言わない』
それを破り、今、ここに書いている。
「来世はもっと長く生きたい」
それが、私の口癖(独り言)だった。
決めたことは大体守り通す。
それは私の座右の銘でもあった。
半分守ってなかったけど。
余命一年と決まってからの一年間。
いつ死ぬかわからない恐怖に怯えて過ごす日々。
忘れたくないことも忘れてしまう私。
人との接し方もだんだんわかんなくなってきて、
『自分』が何かわからなくなった。
それでも唯一忘れなかったのは、
君の名前、誕生日、顔。
他は忘れることが多かった。
言われて思い出す、ということが多かった。
記憶をなくし、過ごす日々はとても大変で、窮屈だった。
最近、死を自覚して思うようになったことがある。
『まだ、死にたくない。』
『みんなと笑い合って生きていたい。』
けど、その願いが叶うことはない。
その一方、有難いと思ったこともある。
嫌な人と離れられる。
嫌な思い出はすぐに忘れる。
そして、
死ぬ直前。記憶が全て戻ってくる。
その後、眠りにつくように死ぬ。
これは本に書いてあったもの。
本当のことなのかはわからない。
今日も、一つ、また一つと忘れた。
先輩の名前、問題の解き方。
でも、この状況から抜け出せるなら。
どうしても嫌というわけではない。
現に私は今、虐められているから。
理由はわからない。嫉妬?なのだろうか。
今は全然違うけど。
6/1の模試。結果が返ってきて母は絶句した。
国語、8点。数学、6点。英語、5点。
生まれて初めて、最低で最悪な点数だった。
勿論叱られた。でも、、
病気のことなど絶対に言えない。
言わない。言いたくない。
部活での動き方。
DFの仕方。
言われてもすぐに忘れる。
それ以外に1番辛かったこと。
プレッシャー。
「○○は100点だよね」
「え、マジで?○○に勝った!」
「○○は良いよね、頭良くて。」
こういう期待を寄せられる。
それを裏切ってしまう。
大分前からいつもそうだ。
色々なことが、段々と出来なくなる。
「へぇ、そういうこと言うんだ、心外」
「ぇ、そういう人なの??笑」
自分のキャラがわからなくなって、
人との接し方もわからなくなる。
自分から、私が消えた。
そんな世界で今日も生きる。
みんな、今までありがとう。
コメント
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第1話お疲れさまです!めちゃくちゃ切なくて胸が締め付けられた…「忘れたくないのに忘れていく」って描写が刺さりすぎて、自分のことのように苦しくなったわ。特に最後の「みんな、今までありがとう」がもう…グッと来た。主人公の孤独とか葛藤がひしひし伝わってきて、続きが気になりすぎる。次どうなるんだろう…楽しみにしてる🔥