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みんなの思い
夜。
野営地。
焚き火が、ぱちぱちと鳴っている。
戦いのあと。
簡単な治療も終わって、皆で円になって座っていた。
×××は、少し離れた場所で、膝を抱えていた。
(……今日も……迷惑かけた……)
(……庇ったけど……)
(……危なかったし……)
(……やっぱり……私……)
はぁ……と小さくため息。
それに、最初に気づいたのは――ゴン。
「……×××?」
隣に、ぽすっと座る。
「どうしたの?」
×××、慌てる。
「……な、なんでも……」
ゴン、じーっと見る。
「うそ」
「元気ないときの顔だもん」
×××、黙る。
そこへ、クラピカとレオリオも来る。
「……また自分責めてるだろ」
レオリオ、腕組み。
「クセになってんぞ」
×××、小さく。
「……私……」
「……みんなの足……引っ張ってばっかりで……」
「……今日も……危なくて……」
キルア、すぐ反応。
「は?」
全員、そっちを見る。
キルア、立ち上がる。
「……今」
「なんて言った?」
×××、ビクッ。
「……あ……」
キルア、しゃがんで目線を合わせる。
「足引っ張る?」
「どこが?」
指を折りながら。
「今日」
「ゴン助けた」
「敵の攻撃止めた」
「最後まで立ってた」
「冷静だった」
「俺より判断速かった」
「……で?」
「どこが足手まとい?」
×××、ぽかん。
「……え……」
ゴンも続く。
「そうだよ!」
「×××いなかったらぼく当たってた!」
「絶対やばかった!」
クラピカ、静かに。
「君の判断がなければ」
「連携は崩れていた」
「戦況を読めるのは才能だ」
レオリオ、腕ぶんぶん。
「てかよ!」
「命張って仲間守るやつを」
「足手まといって言うな!」
「そんな奴いねーよ!!」
×××、目が潤む。
「……で、でも……」
キルア、即。
「でも禁止」
「今から褒めタイムだから」
「反論不可」
「え……?」
強制開始。
ゴン。
「×××ってさ!」
「優しいし!」
「強いし!」
「一緒にいると安心する!」
クラピカ。
「冷静で聡明だ」
「感情に流されない」
「だが情に厚い」
「理想的な仲間だ」
レオリオ。
「顔も可愛い!」
「性格いい!」
「守りたい!」
「最高!!」
「ちょっと待て」
キルアが止める。
「そこ俺のだから」
「はぁ!?」
レオリオ抗議。
無視してキルア続行。
「……×××は」
少し照れながら。
「……俺の……」
「……一番大事な人」
「……俺を信じてくれる」
「俺を必要としてくれる」
「それだけで……」
「生きててよかったレベル」
×××、完全フリーズ。
「……そ……んな……」
頭、真っ白。
感情、処理不能。
沈黙。
数秒。
そして――
ふふ。
小さく笑う。
「……みんな……」
「……褒めすぎ……」
くすくす。
はにかんだ笑顔。
月明かりに照らされて。
柔らかくて。
無防備で。
天使。
全員、固まる。
ゴン「……え?」
レオリオ「……は?」
クラピカ「……っ」
キルア「……っっ!!」
心臓直撃。
キルア、顔真っ赤。
「……な……」
「……今の……反則……」
×××、きょとん。
「……え……?」
「……変だった……?」
全員同時。
「変じゃない!!!」
大合唱。
×××、さらに照れる。
「……そ、そう……?」
また、ふにゃっと笑う。
天使2回目。
キルア、もう限界。
(……無理……)
(……好きすぎる……)
その夜。
×××は、少しだけ。
自分を好きになれた。
――みんなのおかげで。
to be continued…