コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
小さい頃から家族と呼べる人は居なかった。育った場所は児童相談所。
『僕が生きる意味って何?』
これが小さい頃からの僕の口癖。
『貴方がいる事が、私達の幸せなのよ』
そう大人は言うけど、実際、誰も本当の
答えなんて教えてくれない。
何故問うのか僕自身も分からなかった。
みんなはいう。私たちは血が繋がらない家族
なのだと。
でも僕はこの人達を家族だとは思えない。
だって僕に名前なんてないじゃないか。
表向きは児童相談所。
裏では人体実験。
そんな事に僕が利用されるくらいなら、
僕自身で終わらそう。
目が覚めると、知らない場所にいた。
すると、1人の少女が現れた。
『散々な人生だったね。よく耐えた。』
僕が戸惑っていると、少女は微笑んだ。
『ここでは、貴方の欲しいものが手に入る。
色んな世界を体験して、本当に欲しいものを
見つけなさい。』
それから僕は、色々な世界を体験した。
どうやら僕は、人間の感情について転生で学んでいたらしい。
嬉しい、悲しい、楽しい、怒り、大切、嫌い、
何度目の転生だろう…分からないな。
でも、今まで分からなかった事、
今なら分かる。
『自分の本当に欲しいものを見つけられた?』
少女は僕に問う。
そうだ、僕は…
『見つけたよ。自分の在り処。』
20XX年3月24日
『私の大切な赤ちゃん。生まれてきてくれてありがとう。』
これは感情というものについて知らなかった僕が、『本当の愛』を知る物語。