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桃夢 ㄘぃ
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第1話から心臓掴まれたわ。完璧に見えて実はボロボロなリーダー像と、それを見抜くたっつんの距離感がリアルすぎて泣ける。「リーダーだから」って全部背負おうとするじゃぱぱの心情と、「頼れや、迷惑かけろや」って言えるたっつんの男気。震える手とエナドリの空き缶の描写が「限界」を物語ってて、最後に服を掴む小さな抵抗も含めて、めちゃくちゃ刺さった。続き早く読みたい。
配信が終わった深夜。
灯りはほとんど消えていて、残っているのは編集部屋から漏れる白い光だけだった。
「……じゃぱぱ?」
ドアを開けたたっつんは、そこでようやく見つけた。
モニターの前で座ったまま動かない、じゃぱぱを。
「まだやってたん?」
「……あ、たっつん。もう部屋戻ったと思ってた」
声はいつも通りだった。
笑ってるし、普通に返事もする。
でも。
机の横に置かれたエナドリの空き缶。
開きっぱなしの台本。
ぐしゃぐしゃに書き込まれたメモ。
そして何より、じゃぱぱ本人の顔色が、全然“いつも通り”じゃなかった。
「……お前、今日いつからここおる?」
「え? 朝からだけど」
「は?」
「動画確認して、会議して、編集して、サムネ直して……あ、あと明日の企画も――」
「寝てへんやろ」
その瞬間だけ、じゃぱぱの言葉が止まった。
「……まあ、ちょっとだけ」
「“ちょっと”の顔ちゃうねん」
たっつんは机の横まで歩いていく。
近くで見ると、じゃぱぱの手が微かに震えていた。
マウスを持つ指に力が入っていない。
「……なんでそこまでやるん」
そう聞くと、じゃぱぱは少し困ったように笑った。
「だって、リーダーだし」
軽く言ったつもりだったんだろう。
でも、その言葉が妙に重かった。
「俺がちゃんとしないと、みんな困るし」
「期待されてるのに失敗したくないし」
「迷惑かけたくないし」
「裏切りたくないし」
ぽつ、ぽつと零れる。
「……俺が頑張れば済むなら、その方がいいかなって」
たっつんは黙った。
じゃぱぱは昔からそうだった。
誰かが困ってたら真っ先に動く。
誰かが落ち込んでたら気づく。
全部抱えて、全部笑って。
でも、自分のことだけは、絶対に言わない。
「……なあ、じゃぱぱ」
「ん?」
「お前さ」
たっつんは、ぐしゃぐしゃになったメモを一枚持ち上げた。
そこには、
“失敗しない”
“もっと頑張る”
“期待に応える”
そんな文字が何度も書かれていた。
「これ、お前一人で全部背負うもんちゃうやろ」
じゃぱぱが少し目を逸らす。
「でも、俺がリーダーだから」
「リーダーやからって壊れてええ理由にはならん」
その言葉に、じゃぱぱの肩がぴくっと揺れた。
たっつんは続ける。
「頼れや」
「迷惑かけろや」
「しんどいって言えや」
「……そんな簡単に」
「簡単ちゃうよ。けど、お前だけが無理するグループなんか嫌や」
静かな部屋に、その声だけが響いた。
じゃぱぱは何か言い返そうとして、でも言葉が出なかった。
代わりに、小さく息を吐く。
「……期待、されるの怖いよ」
ぽつりと落ちた本音。
「頑張れなくなったらどうしようって」
「失敗したらどうしようって」
「みんなを引っ張れなくなったら――」
声が震える。
「置いてかれたら、…怖い」
その瞬間、たっつんは何も言わずにじゃぱぱの頭を引き寄せた。
ぐ、と肩に額がぶつかる。
「……たっつん」
「アホ」
優しい声だった。
「置いてくわけないやろ」
じゃぱぱの呼吸が止まる。
「お前が頑張っとるの、みんな知っとる」
「無理しとるのも、ほんまは気づいとる」
「せやから支えたいんやろ」
たっつんの手が、じゃぱぱの背中をゆっくり撫でた。
「リーダーやから一人で立たなあかんとか、誰が決めたん」
じゃぱぱは何も答えない。
ただ、肩が少し震えていた。
「……俺ら、お前の仲間やで」
その言葉で、とうとう限界が来たみたいに。
じゃぱぱは小さく顔を伏せた。
泣き声は我慢していたけれど、
たっつんの服を掴む手だけが、痛いくらい強かった。
たっつんは何も急かさなかった。
ただそこにいて、
逃げ場みたいに抱きしめ続けた。