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羽海汐遠
14,634
A主
33
あ
847
俺はこの施設に拾われた指名手配犯だ
でもな、俺は何もしちゃいない
やってもない罪をなすり付けられただけだ
「こーゆーのを ムジツ っつーんだろ? R ?」
『私と何か話すときは口に出さないで下さいと何度言えば分かるんですか?』
コイツは R
何でかは知らねぇけど、俺が生まれた時からずっと俺のなかにいる
寝てるときにたまに姿が見えるんだけど、そのときに見える背格好は俺と一緒で、髪色も俺と同じ黄色で毛先が黒になっている
でも、フードを深く被ってるから目元がよく見えねぇんだよなぁ
「えーいいじゃん 口に出して言う方が分かりやすいだろー?」
『分かりやすさに違いはありません それに、端から見ればあなたは何もないというのに大きな声で独り言を言っているんですよ 恥ずかしくないんですか?』
「ねぇな!」
「また話してるの?その R って人と」
「おっ! コン !」
今話しかけて来たコイツは コン
俺と同じ 班 に所属してる身体能力ならこの施設の中でもトップクラスの奴だ
ん?「 班 って何?」だって?
班 っつーのは、たまに一緒に仕事したり、同じ ハウス で暮らす、チーム的な奴のことだ
あ、 ハウス ってのはでけぇ部屋みたいなモンのことな ハウスには合わせて5コの部屋があるんだけど、これがケッコー快適なんだよなぁ
ちなみにそれぞれの班に割り当てられるのは、スペックが大体同じ奴同士なんだけど、、、、、俺の班には俺とコンしかいねぇ
なんなら、コンが来る前は四年間俺だけだったからな
「ねぇ聞いてる?これから仕事だけど、時間大丈夫?」
「へぇ?」
「やっぱり…アンタねぇ、緊張しないのはいいことだけど、時間ぐらい守んないとだよ?」
「覚えてたら気をつける!」
「覚えてなくても気を付けて……」
そんな会話をして、俺たちは仕事の準備をする
俺の得物は銃だ コンが来てからは後方支援をメインにしてるから、スナイパーライフルはヒツジュヒンになってる
でも、一応も拳銃も持ってく
近接になったらこっちの方が便利だからな
「相変わらず大荷物だね ……そういえば、銃とかは分かるけど、何で剣も持ってくの?」
コンが言ってるのは、俺が腰元から提げてるこの双剣のことだ
「保険だ」
俺はそれしか言えなかった
というよりも、それ以外に何も思いつかなかった
『相変わらず、頭の回転が鈍いですね』
「そっちの方がいいだろ!」
『よくないですよ…』
(また話してる…… ツェイカー が言ってた R って人?一体何なんだろう………)
「どしたー?」
「うわっ!」
「んな驚くかー?」
俺が話しかけただけで驚くから、コンっておもしれぇんだよなぁ
だからここ2ヶ月間も、ずっと楽しいのかもしれねぇなー
「ちょ、ちょっと、バカなことやってないで早く行くよ!遅れちゃうでしょ!」
「おー、おう!仕事頑張るぞー!」
『へまはしないで下さいね』
「約束はしねぇよ?」
『はぁ………』
(Rっていう人、すっごく大変そうだなぁ…)
「こちら カヌサ
目的地前の林に到着
いつでも突入可能」
「こちら TS
ポイントに到着
準備、完了した」
俺たちは仕事の時、お互いのことをコードネームで呼び合う 俺が TS で、コンが カヌサ だ
敵に俺たちの情報を少しでも教えないために、こういう風に呼び合ってる
もちろん口調も変えるし、フードも被る
仮面じゃない理由は、「周りが見えにくいから」って誰か言ってたな
あぁ あと、俺たちは仕事中に会話する時、トランシーバーを使う
ま、使うと言ってもさっきみたいに、「お互いがポイントに到着したか」ぐらいしか会話しねぇけどな
「了解 じゃあ、突入を開始する」
「Okay」
コンが突入するみたいだ
今回の仕事は、クスリをばらまいてる組織を根本から壊滅させること
だから、俺たちが今いるのはソイツらの本拠地だ
そこにコンを、真正面から突入させる
そして、俺はその後方支援にまわる、、っつー作戦だ
一見無謀な作戦に見えるらしいが、コンはめちゃくちゃ強えんだ それも………
「おい止まれ!そこのガ……!!」
「テメェ!やりやが……!!」
「クソやろ……!!」
「お、おまえはいったい……ウワァアァ!」
「う、撃て!!アイツを止め……!!」
「当たらねぇぞ!どうなって……!!」
「何なんだ!コイ……!!」
………それも、1人で銃を持った大人数を一方的に殺すぐらいには しかも素手でだ
おっと、後ろから敵が来てるなぁ 任せろ
「火属性魔法 纏い火」
俺が引き金を引いた瞬間、コンの後ろから来ていた敵が、凄まじい音とともに、全身から火を吹き出して倒れた
「な!何……!!」
「スナイパーがい……!!」
「こっちにも気をつけ……!!」
俺の得意魔法は 火
火属性魔法なら、使えねぇ魔法はねぇ
俺が撃った直後にもアイツらはドンドン死んでく
いいなぁ……
おっと、敵側にもスナイパーがいるみてぇだな コンを狙ってやがる だったら……
「!」
俺が照準をそのスナイパーに合わせたその時、鞭を振ったときに鳴る様な音とともに右肩が熱くなった 撃たれたみたいだな
建物の中から撃ってきやがったか
だったら……
数が多い
でも、こんなんじゃウチを殺すなんて……
「!」
……危なかった… スナイパーがいるのか…
もう少し避けるのが遅かったら確実に頭に当たってた…… かすっただけだからまだまだ戦える
というか、スナイパーとかはツェイカーが殺す、って話だったけど………
「………そんなはず、ないよね……」
「あぁ!?何言ってんだ!!聞こえねぇんだ……よ!!」
そんな単純に振りかぶっただけの攻撃、当たんな………… !!
「後ろ、がら空きだぁぁぁ!!!」
「!マズ……!!」
とっさに防御体制をとったけど、衝撃は来なかった
その代わりに、甲高い乾いた発砲音と血しぶきが飛んできた
「……………??!」
頭が追い付かなかった
追い付かなすぎて、また攻撃が来てるのに気付かなかった
「今だぁ!」
「ホントそうだよ」
またその発砲音がすぐ横を掠めていったその時、ウチを攻撃しようとしたソイツから火が吹き出した
「ま、まただ!」
「このガキだ! コイツを殺……グハァ!」
殺させないって
「何してたの?TS」
「お前こそ、油断すんなよ」
拳銃を構えたまま、いつもより低い声で、そう呆れたように言ってくる
フードで表情は見えないけど、絶対に呆れてる
仕事だから仕方ないけど、口調のせいで少しイラッとする
まぁ、言ってることは正解なんだけど…
「…………ごめん 今度こそ油断しない」
「………口調、気をつけろよ……」
「………分かった……」
そこからは早かった
ツェイカーもウチほどじゃないけど、身体能力は他と比べてすごく高い
それに、魔法も使える
ウチは使えないから羨ましい
しかも、魔法を使うときは 詠唱 をしないといけないけど、ツェイカーは詠唱しなくても魔法を使える
それも、かなり高威力な
もちろん、詠唱した方が威力は高いけど
そんなことを考えながら目の前の敵を殺していく
そうしてたら、いつの間にか血と死体の海に、ウチとツェイカーだけが立ってた
「………終わり……?」
「そうだな 周りのスナイパーも全員殺った
周辺に生き物の気配はなし……………
終わりだな 楽しかったぜぇ~」
生体反応機から目を離し、いつもの声色、いつもの口調に戻ったコイツを見て安心したのか、疲れがドッと来た
「はぁ~…~~~、疲れたぁ……」
「さっさと帰ろーぜー 早く寝てぇ」
あくびをしながらそう言うツェイカーを見て、ウチは聞きたいことを思い出した
「あっ、そういえば、アンタ何でこっち来たの?急にこっち来たからビックリしたんだけど」
「あー、俺が潜んでたポイントがバレてな
だからまずは、お前を狙ってた奴を殺すために建物に入ってソイツ撃ち殺して、その後に建物内にいたスナイパーも殺ってから、 お前んとこ行った」
「いや、だから何でこっち来たの…?」
「そっちの方が楽しそうだったからな!」
「はぁ……… ん?ちょっと待って
アンタ………肩、撃たれたの?」
ツェイカーの赤く染まった右肩を指しながらそう聞く
「あー、返り血だろ
見てみろよ 撃たれてたら、こんな風に腕まわせねぇだろー?」
そう言いながら右腕を肩からまわしてる
まぁ確かに、今のツェイカーは返り血だらけだけど……………
……でも、ウチが最初に見たときから肩には血が着いてたような………
…………気のせいかな…?
「だろー!」
ツェイカーの肩についた血について考えていると、突然、ツェイカーが嬉しそうな声を出した 褒められた子供みたいな、そんな反応
Rって人と話してるのか どんな話してるんだろう……
「おいコーンー 帰るぞー」
「うわっ、あっ、うん」
「ハハッ お前、やっぱおもしれぇわ」
「それ、どういう意味!」
何かけなされたような気がしてツッコむけど、もちろん、返事なんて返ってこない
ツェイカーは、人の話なんて聞かないから
そんなツェイカーのあとを追って、ウチは施設に帰った
設定
ツェイカー
年齢:不明
性別:不明
瞳 : 光が当たれば黄、当たらなければ青
髪色:黄色だけど毛先は黒
説明:無実の罪で指名手配をくらった
あまり言葉を知らない
身体能力は割と高め
火属性魔法が得意で、詠唱なしで高威 力の魔法を放てるコン
年齢: 16
性別: 男
瞳 :深緑
髪色: 黒
説明:とんでもない罪を犯して指名手配をく らった
身体能力はめちゃくちゃ高い
魔法は使えない
体術のみで戦闘を行う
口調はやわらかい
コードネームはカヌサ
R
年齢:不明
性別: 男
瞳 :不明
髪色:黄色だけど毛先は黒
説明:ツェイカーが生まれた時からずっとツ ェイカーのなかにいる謎の男
敬語で話すが性格は少し悪め
背格好はツェイカーと同じ
声はツェイカーの声をそのまま低くし た声(←ご想像におまかせします)
声はツェイカーにしか聞こえない
ここまで読んでいただきありがとうございました
気がむけばまたの機会に
コメント
1件
あー、これ面白かった! ツェイカーとコンのコンビ、めっちゃいいよね。頭はちょっとアレだけど火力は最強なツェイカーと、身体能力バケモンなコン。後方から魔法スナイプで援護するスタイル、燃えるわ🔥 んで、ツェイカーの中にいるRとの会話も気になる…「怪我しても平気」って設定も伏線っぽいし、無実の罪ってのも含めて続きめっちゃ読みたい! 双剣の意味もまだ明かされてないしな…これは今後に期待しかないわ👀