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ソーア 「バハムート様」
私 「?あっ!このまえの!」
ソーア 「あの時は助けて頂きありがとうございました」
私 「だいじょうぶ?」
ソーア 「はい!もう大丈夫です!これから私が貴方様の付き添い人になります!
よろしくお願いします!」
私 「うん!よろしくね!」
アーサー王 「バハムート、修行の時間だ」
私 「…はい…」
私は修行が嫌いだった。戦いも、争う事も好きじゃなかった。今は戦う事は楽しいが、
争う事は好きにはなれない。
アーサー王 「もっと力をいれろ!そんなのでは剣が折れてしまうぞ!」
私 「ご、ごめんなさい!」ポロポロ
アーサー王 「良いか、何があっても泣くんじゃない。どんなになっても涙を流せば
負けだ」
私 「…はい…」
何で泣いちゃいけないの?
辛い時ぐらい泣かないといつか壊れちゃうよ。
私はこの教えを今でもずっと守って来た。
どんなに苦しくても泣かないようにした。
でも、アイツの話を忘れた訳じゃない。
ソーア 「お疲れ様です、バハムート様」
ソーアは僕の隣に座った。
私 「ねぇソーア、なんでないちゃいけないの?」
ソーア 「…私は涙を流す機能がありません。でも、辛い時、嬉しかった時、
感動した時、涙を流す事も素敵な事だと思います。だから、私の前ではこっそり
泣いてくださいね」
ソーアは優しく微笑んでくれた。あの笑顔は今も忘れられない。
私 「なんでソーアはなけないの?」
ソーア 「…私は幻獣界を破壊する為に造られたんです。だから感情プログラムも
入っていませんでした」
研究所
研究者 「クソ!あのアーサー王という奴がソーアを一撃で破壊できるとは…
まぁ良い、コイツは用済みだ!」
ソーア 「私は捨てられた影響で感情プログラムを手に入れました。
寒くて怖くて苦しい中で、貴方様が助けてくださいました。涙を流す機能が無くても、
それくらい嬉しかったんです。ありがとうございます」
私 「ソーアは、わたしといっしょでたのしい?」
ソーア 「はい、バハムート様の付き添い人になれて幸せです」
私 「つきそいにんじゃないよ。ともだちだよ」
ソーア 「友達…?うっ…データに、無い…」
私 「ともだちは、いっしょにいてうれしいひとだとおもうよ」
ソーア 「そうなんですね。ありがとうございます。覚えておきますね」
私達はいつも一緒だった。
どんな時でも話し合って、笑い合った。
でも、それはいつか終わりを告げる。
私 「ソーア!一緒に果実食べよ!」
ソーア 「…」
私 「ソーア…?」
ソーア 「命令を確認、排除します」
私 「えっ…?」
アーサー王 「何だ!」
ソーア 「アーサー王、お前を排除する」
アーサー王 「…!プログラムが乗っ取られた!急いで逃げろ!」
ソーアはプログラムを書き換えられてしまった。
私はアーサー王の修行で今よりは弱いが、少し強くなっていた。
私 「ソーア!目を覚ましてよ!」
ソーア 「バハムート、排除対象、抹殺する」
アーサー王 「バハムート…戦え」
私 「えっ?」
アーサー王 「今はもう戦う事しか出来ない。協力して止めるぞ!」
私 「分かりました…!」
あれから数時間、ソーアはボロボロになっていた。
私は眠らせる為に剣を振り翳し、
ソーアを斬った。
でもそれが、致命傷になって、ソーアは倒れた。
私 「えっ…」
そう、私が、ソーアを殺した張本人だ。
私 「ソーア!」
ソーア 「バ…ハ…ムート…様…申し訳…ございません…私…が…」
私 「違うの!私が…!私が…!ごめんなさい!許してください!」
ソーア 「何…言ってるんですか…バハムート様は…強くなったんですよ…立派に
なって…嬉しいです…」
私 「ごめんね…ごめんね…!私!もっと強くなって、ソーアを守るから!」
ソーア 「バハムート様、私と、約束してくれますか…?」
私 「何を…?」
ソーア 「どんなになっても、優しい貴方で居てください。私の…大好きな友達です…
世界で一番、愛してます」
ソーアは流すことのない涙を流して、幸せそうに眠りについた。
私 「ソーア…?ねぇ!起きてよ!置いて逝かないでよ!ソーア!」
私の友人は永遠の眠りについた。
あれから私は力だけを求めた。
守れなかった後悔を晴らす為に。
人を愛し、自分を愛さない。
それが私だから。