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2章:生と死。
15話:泣きっ面に蜂
朝日秀蘭
→痛覚 創造を具現化する能力
導奇秋
→視覚 生死を導く能力
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バンッバンッ…ヒュロ〜バンッバン!ビュルゥォォォー!!
ダインの銃声とシュウの風域魔法の音がここ一帯に響き渡っている。
「…やりあってるわね」
「うん。私たちも早く加勢しないと」
「ええ。じぃちゃん、サキムラ寺院までみんなをお願いね」
「分かった。夏希も秀蘭さんも、どうか気をつけて」
ヒュルルゥゥゥ〜!!!
「ちっ…。うるせぇっっ!!」
鳴り響いた銃声が耳でキーンとした直後、当たった感覚がないままシュウの右腕が痛み出す。
「ゔっ。あ”あ”あ”あ”ぁぁぁ…!」
やべぇ…右腕が…。これじゃあ魔法を撃つたびに激痛だよ。
「はぁはぁ”…。あ⁉︎」
「シュウ危ない!!」
痛む暇もなく二つ目の銃声が聞こえた。
弾丸のスピードに間に合わない。
僕…死ぬ……、?
鈍い音がして目を開ける。
「…⁉︎しゅ…しゅらぁ!!」
秀蘭の左肩から血が出てる。きっと庇ってくれたんだ。ダメだよ…!ここで二人動けなくなったらっっ…!!
「…これで恩返しになった?」
「えぇ…?」
違っ…。
「私に痛みはない、!…いくらだって捨て駒になるよ。だって、死んじゃっても、」
「…!…うんっ!」
ダインに傷がほとんどついてないのは事実。どうやって追い返す、?この状況で。
「シュウさん、こっちに!」
「う、うん。ありがとう。」
夏希が応急処置をしてくれているみたい。私も夏希も今が手一杯で、シュウくらいしかまともに戦えなかった。本当にどうすれば…
「焦りが顔に出ているぞ。」
「っ…」
もう、もうだめ…?
…いや、まだだ!
最後の切り札にとっておいた雷電魔法を試す。
…が、なにも起こらない。
「…あれ、?」
「な、なんで…?なんで何も起こらないの…!? クルのときは、だって…!」
ハハハハハと大きな声を立てダインが笑い出す。
「これだからバカは。雷電魔法…。現在に残っているとは思えんが、もしそうだとしたら。お前、まだ全然使ってないんだろ?」
「…っ」
「慣れていないのに完璧に扱える奴などほとんどいない。たまにそういった者も出てくるが、お前は前者だろ。」
ダインは空を見上げながら続ける。
「雨雲もないし、魔法も使えない。一体どうやって俺に勝つんだ…?」
カチャッと弾丸を補充する。
考えろ、考えろ、考えろっ、かんがえろっ!
シュウのおかげで考えることが怖くなくなったんだ。
…銃、金属、風域魔法、火炎魔法、電気、
バンッッッッッッ!!!
ボフゥーンッ!!
「ちっ…。」
あの女の火炎魔法を爆発させて視界を曇らせたか…。器用なことを、砂ぼこりが消えたら次こそ…
「…いない!?ちっ、どこ行った…!?」
「はぁ、はぁ…」
「大丈夫?秀蘭?」
「うん、夏希ありがとう。」
伝えるなら今しかない。
「…ねぇシュウ、」
「どうし、たの?」
「あと何回、魔法を出せる?」
危険だと思うけど、
「いい作戦を思いついたの。」