君だけは幸せにさせないよ

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まだ夢のことを覚えているってことは大事なのかな

そんな夢みたいなことはないだろうけど

kn「今日さ、海行かない？」

sm「……俺泳げないです」

kn「あ、泳ごうとは思ってないから！」

「なんか海って好きだけどあんまり行かないし」

sm「たしかにそうですね……行きたいです」

そして急遽、海に行くことになった

そのために準備し、彼にまた服を貸して、着てもらった

俺はこっそりデジカメを持っていく

デジカメは写真にする時面倒だけど、画質はレトロ感が出て好きなのだ

sm「準備できました」

kn「わかった、行こうか」

朝なので同じ学校の人に見つかるんじゃないか、という不安も少しあったけど

幸い誰にも会わなかった

俺が海に行きたいと思っていたのは彼に出会う前からで、なるべく近くて綺麗な海は知っている

その海は電車で30分ほどで着く

少し遠いように感じるけど、彼と行くのならいいやと思える

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電車に乗り、目的地へと向かう

平日で、普通の社会人の出勤時間、学生の登校時間は過ぎているので人は少ない

そんな電車に揺られながら彼と会話する

kn「将来の夢とかなりたい職業とかある？」

sm「ないですね」

kn「俺もないんだよね〜」

sm「……人に言ったことないんですけど、20歳までには死にたいって思ってます」

kn「…ちなみに理由って」

sm「働きたくないからです」

kn「え…笑　心配しちゃったじゃん笑」

sm「笑」

kn「もし本当に死ぬんだったら一緒に死のうね」

sm「心中ですか」

kn「そうだよ」

sm「……約束ですよ」

そんな暗い話だけど笑いは起きてしまう

スマイル、君だったらわかるよね

『心中しよう』、その意味

君が『人間失格』を読んでいると聞いて、俺はすぐ本屋に行って君が持っているのと同じ本を買った

少し…いや、かなり難しい話だった

だけど、興味をもって読み終えて知った

作者の太宰治さんは心中した

心中って、意味は昔調べて知っていたけど曖昧で

改めて調べて見たらわかったよ

“相愛の者が来世で結ばれることを願い一緒に自殺すること”

きっと君なら知ってるはず

心中しようって言った時、君は少し戸惑いながらも笑顔で了承してくれたもんね

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