テラーノベル
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「…………ん…」
目を開くと、まだはっきりとしない視界が天井を映した。
……寝落ちしたんだっけ。全然記憶ない。
「…あ、起きた」
突然、聞き慣れた声が上から降ってきて。
「満足しましたか」
少しだけ頬を赤くして、落ち着かない様子の若井に顔を覗き込まれる。
………全く状況が読めない。
え、どういうこと。何で膝枕されてんの。
そんな考えが表情に出ていたのか、若井が小さく息を吐いた。
「何でそっちが忘れてんの……」
恥ずかしそうに呟いて、ぐいぐいと肩を押してくる。
「ごめんって。笑」
「もー…元貴がいきなり”来て”って連絡してしたのにさぁ…」
記憶を辿ってみるけど、作業を始めた所までしか思い出せない。
それでも、わざわざ来てくれた事が嬉しくて自然と口角が上がる。
「んふふ、来てくれてありがとね。」
手を伸ばして頬を撫でると、若井は気恥ずかしそうに溜息をついた。
「膝枕してくれないと寝れない、とか言い出すし……」
「…………あー、なんか言ったかも」
もう一度、呆れたように溜息をついた若井に小さく肩を押される。
「ほら、もういいでしょ」
「えー、まだダメ。」
「まだ続けんの…」
結構恥ずかしいんだけど、と不満そうに呟きながらもその声には何処か甘さが滲んでいて。
どうしようもなく愛おしさが溢れてきて、若井の目を見つめる。
「なに」
「んー?好きだなぁって。」
笑って答えると、若井が小さく口元を緩めた。
その指先が髪に触れて、優しく撫でられる。
同時に、意識が朦朧とし始めて。
心地良さに身を委ねるようにして、目を閉じた。
数十分後。
目が覚めた後、身体を起こして若井の寝顔を見つめる。
小さく開いた口と落ちる睫毛の影。
あどけない寝顔に、思わず頬が緩む。
「……かわいい」
そっと唇にキスを落として、若井の隣に身体を戻した。
コメント
4件
可愛い…泣
純愛…(泣)