テラーノベル
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これは、最近演技が話題になっている目黒と阿部が、主演で共演したホラー映画のお話。
「ねえ、本当に行くの?」
阿部は不安そうに、前を歩く三人の女友達に声をかけた。
「ここまで来て何言ってるの。」
「大丈夫だって、噂なんだから。」
「それに四人もいるんだよ?」
三人は楽しそうに笑っている。
しかし、阿部だけは全く笑えなかった。
目の前には。
木々に囲まれた、古い洋館が建っている。
何十年も人が住んでいないという廃墟。
壁には蔦が絡まり、窓ガラスは所々割れている。
明らかに。
面白半分で入っていい場所には見えなかった。
「俺、やっぱり車で待ってていい?」
「ダメ!」
即答された。
「なんで俺まで来ないといけないの。」
「一番怖がるから面白いじゃん。」
「最低。」
阿部はため息をつく。
そもそも。
この洋館には、昔から妙な噂があった。
――この屋敷には、とても美しい男が住んでいる。
――男は屋敷へ入ってきた女の中から、気に入った一人を選ぶ。
――そして。
――選ばれた女は、そのまま攫われてしまう。
もちろん。
誰かが作った怪談だと思っている。
思っているけれど。
「帰ってこなかった人もいるって書いてあったよ。」
阿部が言う。
「ネットの書き込みでしょ?」
「でも。」
「怖いんだ。」
「怖いよ。」
そこは素直に認めた。
「だから来たくなかったのに。」
けれど。
三人に押し切られ。
結局、ここまで連れてこられてしまった。
「ほら、行こう。」
「……本当に入るの?」
「入る!」
「嫌だ……。」
阿部は何度目か分からないため息をついて、三人の後ろを歩いた。
___________
洋館の玄関へ辿り着く。
近くで見ると。
さらに不気味だった。
巨大な木製の扉。
錆びた取っ手。
その上には、何かの紋章が彫られている。
阿部はスマホを取り出した。
「圏外なんだけど。」
「山だからじゃない?」
「何かあっても連絡できないよ。」
「何もないって。」
友達の一人が大きな扉へ手をかける。
「開けるよ。」
「待って。」
阿部が止める。
「せめて誰かに場所送ってから――」
ギィィィィィ……。
「……。」
開いてしまった。
重たい音を立てながら。
まるで。
四人が来ることを知っていたかのように。
扉はゆっくりと開いていく。
中は真っ暗だった。
「……。」
阿部は動けない。
「行こう。」
「本当に?」
「早く。」
「……帰りたい。」
それでも。
三人が先に入ってしまう。
一人で外に残る方が怖い。
阿部も仕方なく後を追った。
全員が中へ入った瞬間。
バタン!
「っ!」
背後で大きな音。
扉が勝手に閉まった。
「何!?」
阿部が振り返る。
「風じゃない?」
「絶対違うって!」
慌てて扉へ手を伸ばす。
「……あれ?」
開かない。
「ちょっと。」
両手で引っ張る。
びくともしない。
「開かない。」
「え?」
「扉、開かない!」
三人も集まる。
全員で引っ張る。
それでも。
開かなかった。
「……。」
さっきまで笑っていた三人の表情からも、少しずつ余裕が消えていく。
「どうする?」
「別の出口探そう。」
「そうだね。」
「……。」
阿部は嫌な予感がしていた。
帰りたい。
今すぐ。
ここから出たい。
「みんな固まって歩こう。」
阿部が言う。
「絶対一人にならないで。」
「分かった。」
四人で歩き始める。
その時。
「……あれ?」
一番前を歩いていた友達が足を止めた。
「どうしたの?」
「なんか……。」
ふらり。
体が傾いた。
「え?」
次の瞬間。
ドサッ。
「ちょっと!」
友達が床へ倒れた。
「大丈夫!?」
阿部たちが駆け寄ろうとする。
すると。
「私も……。」
二人目が膝をついた。
「え?」
「待って。」
ドサッ。
「何!?」
阿部が混乱する。
「ねえ!」
残った友達の腕を掴む。
「外出よう!」
「でも扉――」
「窓でも何でもいいから!」
その時。
三人目の友達の力が抜けた。
「……。」
「待って!」
阿部が抱き留める。
「しっかりして!」
返事がない。
眠っているように目を閉じている。
「なんで……。」
阿部は周囲を見る。
何かいる。
絶対に。
この屋敷には何かいる。
「誰か……。」
スマホを見る。
圏外。
「お願い……。」
指が震える。
「誰か助けて……。」
立ち上がろうとする。
けれど。
「……あれ。」
力が入らない。
急に。
体が重くなった。
「嘘……。」
壁へ手をつく。
視界が揺れる。
甘いような。
何とも言えない香りがした。
「……何、これ。」
足から力が抜けていく。
阿部はその場へ膝をついた。
三人の友達は。
もう全員倒れている。
「起きて……。」
手を伸ばす。
届かない。
「ねえ……。」
意識が遠くなっていく。
怖い。
こんなところで。
何が起きているのかも分からないまま。
阿部も床へ倒れた。
その瞬間。
遠くから。
コツ。
コツ。
誰かが歩いてくる音がした。
「……。」
阿部は薄れていく意識の中で、必死に顔を上げようとする。
暗い廊下。
その奥に。
人影が見えた。
背の高い。
男。
ゆっくりと。
こちらへ近付いてくる。
(……噂。)
頭の中に。
あの話が浮かんだ。
この洋館には。
とても美しい男が住んでいる。
屋敷へ入ってきた女の中から。
気に入った一人を選び――。
「……。」
阿部の瞼が落ちていく。
最後に見えたのは。
自分の前で立ち止まった。
男の足元だった。
そして。
阿部の意識は完全に途切れた。
みら

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#⛄️
kaede🍁
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#AI
みら

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コメント
1件
ああ、読み終わりました……。最初の阿部くんの「帰りたい」「怖いよ」って素直に言えちゃう感じ、すごく人間味があって好きです。女友達に押し切られてるのもリアルで、胸がぎゅっとなりました。ラスト、噂の男が目の前に立ったところで終わるの、次の展開が気になりすぎます。美しい男って言うけど、何しに来たんだろう……。この不気味で甘やかな空気感、すごく好みです。続き、楽しみにしてますね🌷