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配信を止めて

1 - 出逢いは突然に 雑談配信 意外な視聴者

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2023年07月28日

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注意:1部キャラ崩壊・蘭夢


山田ねねは、高校2年生で配信活動をしている主人公だ。同じクラスには灰谷蘭という人がいる。美貌に恵まれ、女子からは圧倒的な人気を誇る彼だが、なかなか学校に現れないため、レアキャラとも呼ばれている。


ある日、灰谷蘭が珍しく学校に来た。

気怠そうに廊下を歩いていると…




眠い。

頭痛い。

帰りたい。


眠気と頭痛が襲い掛かる中、

灰谷蘭の来訪により、朝から女子たちのキャーキャーとした声が響き渡る。

授業前に少しでも寝るつもりで目を閉じてみたが、どうにも眠れない。

昨夜は通常よりも遅くまで配信に明け暮れ、今にも眠り込んでしまいそうだ。

何とか授業を乗り切ろうと必死に耐えるが、眠気が倍増する。

配信の内容も考えたが、まだ決めかねていた。

1時間目が終わる頃には、彼女の眠気は朝の倍以上になっていた。

今すぐにでも帰ってベッドにダイブしてしまいたくなった。

そんな思考に耽って(ふけって)いたところ、次は移動教室だ。

次の授業の準備をして廊下に足を踏み出した。

すると、気怠そうに歩いている灰谷蘭が目に入った。


その瞬間、目の前が真っ暗になった。




ふと意識が戻ると、周りには保健室の静かな空間が広がっていた。


「ん?なんか聞こえる…」


ねねは、ぼんやりとした意識の中で、何かの音が聞こえるような気がしていた。


『山田さん起きてください。もう下校の時間ですよ』


下校?もう帰れるのか、嬉しい。でもまだ1時間目じゃ…


その瞬間、山田さんは思い出した。自分は今、保健室にいるのだと。


「!」


慌てて座り上がると、そこには保健室の先生が立っていた。


『やっと起きたぁー。もう、山田さんったら2時間目から下校までぐっすり。』


「え、?下校?てか保健室?」


『同じクラスの灰谷さんがここまで連れてきてくれたんだからお礼言っときなさいよ。起きたんだから早く帰ってねぇー。』


灰谷、?え、灰谷って、あの灰谷?


ねねは、混乱しながらも、自分がどういう状況にいるのかを理解し始めた。


あの灰谷さんが自分を保健室に連れてきてくれた?


ねねは急いで保健室を出て、灰谷さんを探し始めた。



                                               3


しかし、どんなに探しても灰谷さんの姿は見えなかった。


「もう帰たかな?明日来るかもわからんし、次来た時お礼言おー。」ねねはそう思いながら家に帰った。


「よく寝れたし、めっちゃすっきりした〜!今日の配信何しよー?」ねねは自分の配信チャンネルを開いて、機材の準備を始めた。


「やっほー!今日は雑談配信だよ〜!」ねねはカメラに向かって笑顔を見せた。


雑談配信は、特定のテーマがないため、誰でも気軽に参加できる。それが人気の秘密だ。ねねは他にも、ゲーム配信や作業配信、歌枠もやっている。

────────────────────────

● 雑談、うれし〜!


● 初見です!🔰


● 新作のゲーム買った?

────────────────────────

「初見のさんいらっしゃい!」ねねはチャット欄を確認しながら、順番に返信していった。


「新しいゲーム買ったよ〜!次の配信でやろうかな〜?」


────────────────────────

● 今日あったこと教えて!

●〜〜〜

────────────────────────

「今日あったことか〜。」ねねはチャット欄を見ながら、考え込んだ。


「今日はね、ちょっと学校で倒れちゃって〜。」

────────────────────────

● え、大丈夫そ?


● それから?

────────────────────────

「心配してくれてありがと!ただの睡眠不足だと思うんだけど、その時、同じクラスの人が運んでくれてさぁ。でも、お礼言いそびれちゃったんだよね〜。」

────────────────────────

● なるほど。


● 明日学校で言えばいいじゃない?


● 男?

────────────────────────

「でも、明日学校行っても彼が来るかわからんし〜。」

────────────────────────

● へぇ〜


●男か、

────────────────────────




「じゃあ、今日はここら辺で終わるね〜!ノシ」

────────────────────────

● 楽しかった〜!ノシ


● また来るね〜!ノシ


● ノシ!

────────────────────────

ねねは配信を終えて、満足げに息を吐いた。今日の配信は楽しかったし、たくさんの人が参加してくれた。そして、彼にお礼を言いそびれた気持ちも、配信を通して少し晴らすことができたような気がした。




『……』



             4


『兄ちゃんー風呂上がったー』

「んー」


<じゃあ、今日はここら辺で終わるね〜!ノシ>


『俺がおすすめしたやつ観てたの?』

「うん」

『おもろかった?』

「まぁまぁ」

『ふーん』 



キャーキャー


この女子たちの歓声…

まさか!


〈2日連続で来てくれるなんて!〉

〈やばぁーい♡〉


やっぱり灰谷さんだ!

お礼言わなきゃ


「あの!」

『…?』

「昨日保健室まで運んでくださったんですか?」

『まぁ、』

「ありがとうございます!」

『別に』

「はい、」


返事素っ気なさすぎんか!!!!やべぇ、気まずい!!


「でわ、…失礼します…」

『まって』

「はいッ!」

『お礼ひとつで終わるのか?』

「ハイ?」

『命の恩人だろ。お礼ひとつでおわるのかって聞いてんの?』

 

怖い怖い怖い、サンドバックになれと?

それともお金巻き上げられる…、

どうしよどうしよ、


「えっ…と、」

『…』


無言こぇーーーー、どうしよ、


「お金…?」

『あ?』

「はぃ、ごめんなさい、」

『まあいいや』

『放課後教室のこれ』

「はい!」


え、これ殴られるパターン?

反射的に返事しちゃったけどだいじょぶそ?


                 5

やばい、私死ぬのかな、どうしよ、


ガラガラ


『ちゃんと来てんじゃん』

「はい」


やばい来た、こわい、


『入って』

[うん]


ガラガラ


灰谷さんがそう言うともう1人教室に入ってきた。


[え、?]

「?」

『こいつ俺の弟の竜胆』

「はぁ、」

『お前のファンだから合わせたかっただけ』

「?、ファンの方?」

[え?何で?]


良かったぁ、ひとまず殴られる心配がなくなり、ねねは肩の力を抜いてホッと一息ついた。


[この学校だったんですか?]

「そうですよ!でもネットにはばらまかないでくださいね!」

[そんなことしませんよ!]

『終わったなら帰るぞ竜胆』

[えっ!まって!握手だけさせて]

「いいですよ!」


[ありがどうございました!]


ガラガラ


意外と弟思いなんだぁ…

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