この話は、ある独りの男と王様のお話
僕は、リョウカ フジサワ
どこにでもいる一般人だ
両親は流行病で亡くなり
唯一の心の支えであった妹、スズカも行方不明になった
それでも挫けず、今日も生きている
ある日
仕事終わりに大好きなキノコを買った
子供の頃から変わらない街の風景をぼーっと眺めていると
少し遠くに人だかりができていた
なんだろうと思いながら近づいてみる
「きゃーーーー!」
その声と同時に城の門が開く
その奥からこの国の王、ヒロト ワカイ様が白い馬にまたがり出てきた
僕はあの人が苦手だ
これといった理由はないが、ヒロト様は欲しいものは必ず手に入れる、どんな手段を使っても…そんな人だ
凡人の僕には、ヒロト様と喋ることや、近づくことも悍ましい、誰かに殺されてもおかしくない
「さむっ」
少し肌寒くなってきたので早めに帰ることにした
帰り道にステップをして帰っていた
すると
コツコツ
後ろから足音が聞こえた
歩いても歩いてもついてくる
その足音に寒気を感じる
僕が走り出そうとしたその時
目の前が真っ暗になった
「んんっ!?」
顔に袋を被せられたのか
後ろから両手を拘束され、腹部を殴られ意識が朦朧とする
動けない
苦しい
怖い
そんな感情を抱きながら
僕は意識を手放した
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